陸に上がったカッパの海無し県生活

潜りから漁師へ。身体を壊し船を下りた。
海の話、釣りの話。脳脊髄液減少症。

切ない思い

2006-06-29 01:05:24 | Weblog
数年前、僕には歳の離れた若い彼女?がいた。
彼女の年齢は、ちょうど僕の歳の半分だった。

ある場所で出会い、なんとなく話をするようになった。
最初は何も分からなかったのだが、
彼女は心を病んでいた。荒んだ気持ちを持っていた。
「男は絶対に誰も信じない。男に惚れさせてから、ふってやるんだ。絶対に心は開かない」
そう言っていた。

拒食、アルコール依存、薬物依存(多量の睡眠薬、抗鬱剤)、自殺願望・・・。

でもなぜか彼女は僕に気を許したようだった。
彼女の生い立ちから家庭環境、自立してからの生活など、全て聞かされた。
その話しを聞けば、彼女が歩んできた道も、荒んだ気持ちも納得せざるを得なかった。
いつも相談を受けるようになってきたが、
正直、僕はどうしていいか分からなくなる時もあり、随分と悩んだ。

出会いから数ヶ月、僕達は離ればなれになり、遠くで暮らしていたが、
毎日のようにメールで切々と気持ちを打ち明けてきた。

励ますしか手段はなかった。
「頑張れ」「頑張ろうよ」・・・
「分かった。頑張ってみるね」
最初は、彼女の気持ちも落ち着いていく。
が、数時間後には「頑張って何になるの?」
とにかく、彼女は自分ばかりを責め続け、
自分がいなくなりさえすれば、全てが良くなるんだと言い続けていた。
気持ちの優しい娘だった。

いつもそんなことの繰り返し・・・

ある日の、そんな会話の繰り返しの晩、またメールが入った。
「サヨナラ」たったひとこと・・・。

僕は、その意味をすぐに悟った。
単なる別れじゃない・・・
電話を鳴らし続けるが、応答は無かった。
しばらくして、またメールが入る。
「もう永遠の別れだよ。薬を飲んだから。もう意識が・・・」途切れている。

その時の僕の気持ちが分かるだろうか?
飛んで行きたくても、僕の住んでいた所からの交通手段がなかった。

もう二度と、あんな思いはしたくない。
自分の無力さ、情けなさ・・・。

とにかく電話をかけ続ける。30分、1時間・・・。
出た。何を言っているのか全く分からない。
呂律が回っておらず、別人と話しているようだった。
母親が換わって電話に出る。
何とか助かった・・・。

僕はその場に座ったまま暫くの間、動く事が出来なかった・・・。