逆になぜNHK大河ドラマが人気があったかですが、それは大衆の歴史像に合っていたから。
小説には「歴史小説」というジャンルがあります。
戦前にさかのぼり戦後では司馬遼太郎が代表格。
NHKの大河ドラマが広く受け入れられたのは、この歴史小説の延長上にあって視聴者の歴史像にマッチしていたから。
そして歴史小説が大衆に受け入れられたのはアカデミック世界で横行し、戦後は学校の歴史教育まで汚染した左翼人民史学のカウンターの面もあったから。
左翼人民史学と言えば偉そうに聞こえますが、「人民の革命的エネルギーが爆発し…」というようなくだらない左翼ポエムで、マルクスやレーニンのお言葉を日本史に当てはめようという馬鹿なことをやっています。
そしてプロレタリアートやブルジョアジーが出てくるその歴史像は一般日本人のそれとはかけ離れ歴史記述も退屈。
これに対し歴史小説、明白なイデオロギー主張はしないが歌舞伎以来の庶民の歴史像を受け継いでいます。
そして本論のなぜ大河ドラマはつまらなくなったのか?
大河ドラマはこうした歴史小説との連続性を失って(あるいは切り捨てて)しまったため、何を言いたいかよく分からない歴史ドラマと化した。
こんなところでは?