一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

「幇助」かぁ

2006-12-14 | 法律・裁判・弁護士

ウィニー開発者に有罪 元東大助手に罰金150万円 京都地裁判決
(2006年12月13日(水)16:33 産経新聞)

≪ウィニー著作権法違反 判決骨子≫  
一、被告はウィニーが著作権を侵害しながら社会で広く利用されていた状況を認識、認容しながら提供を続けた。本件の著作権侵害者はウィニーが匿名性に優れたソフトと認識し犯行に及んでおり、被告の行為は幇助にあたる  

一、被告は著作権侵害がインターネット上に蔓延することを積極的に企図したわけではないが、流出データの回収は著しく困難でウィニー利用者が相当数いるため、結果に対する被告の寄与の程度は少なくない  

一、ウィニーの技術自体は各分野に応用可能で有意義なものであり、被告の開発目的に関わらず、技術自体は価値中立的である。技術の提供が無限定な幇助行為となるわけではない

確か刑法では実行行為を容易にする行為であれば正犯(実行者)が幇助されている認識がなくても幇助犯(片面的幇助)が成立するのが判例なのですが、この判決のように特定の正犯を幇助するのでなく不特定の正犯に対する幇助を認めることができるのかなと思ってちょっと調べてみると「中立的行為による幇助」というのは刑法では最近話題の論点なのですね。

「刑法授業補充ブログ」中立的行為による幇助
小倉弁護士のブログWinny作者の逮捕に関して
「IT技術者のためのデジタル犯罪論」中立行為に関する「教唆的幇助意思の理論」  
など参照  


ところで上の判決骨子を見る限りは、Winnyの開発自体でなくWinnyが著作権侵害に利用されていると知りながら「提供を続けた」(=改良した?)ことが幇助とされているようです。
とすると、もしWinnyにバグがあってそれが別の犯罪行為に利用されている場合はそれを放置しても幇助になるのでしょうか(じゃあどうすればいいのだろう?)。 
またソースコードを開示して誰でも改良できるようにした場合は、ソースコードの開示の時点で犯罪利用の認識がなければ開発者は罪には問われないのでしょうか(そうだとするとそれはそれで画期的な意味を持つかもしれませんね)。

また、昔のInternet Watchの記事Winny開発者の逮捕理由「著作権法違反幇助」は正当か!? ~弁護士各氏語るは、上の幇助の論点だけでなく、アメリカでの裁判事例の考え方とか、今回の幇助の正犯である著作権の一つである「公衆送信可能化権」はWIPO(World Intellectual Property Organization)の著作権条約批准に伴い規定されたが、米国などの諸国では批准されていないことなど、論点を広く取り上げて参考になります。


私はそもそもWinny自体を利用したこともないくらいで、「インターネットと著作権」とか「技術の進歩と法制度のキャッチアップ」などという話については語るべきものを持っていないのですが、こういう問題は本来冷静に価値観をすりあわせて優先順位をつけていくことが大事なのでしょうが、開発者側も告発した側も使命感を持っているだけになかなか簡単にはいかなそうですね。
なお刑法の世界は条文が簡潔なだけに理論体系がいくつもあったり、今回ような個別の論点いついても(図形問題の補助線の引き方のように)いろんな解釈が成り立つあたりも、本件の話をややこしくしている原因の一つなのかもしれません。

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ふぞろいな秘密

2006-12-13 | 法律・裁判・弁護士

たまにはタイトルで釣ってみましたw
本題は企業の秘密の話です。

個人情報保護法の施行前後は「委託先の監督義務」とやらで、取引先に対して「なんでもかんでも秘密は漏洩するな、万が一漏洩したらただじゃおかないぞ」という若い弁護士が全国共通模範答案風に作ったような契約を締結しろ、というプレッシャーがかけられていました。

そもそもそんな包括的かつ一方的な契約を一律で取引先に押し付けようとする企業自体(掛け声だけできちんと実効性ある情報漏えいの防止や秘密保持にまじめに取り組んでいないのではないかという問題はさておき)何かあったときにすぐ他人のせいにして理不尽な因縁をつけてくることが多いので、こういう契約書を提示された場合の反論としては「何が秘密なのか具体的に定義しましょうよ」というのがあります。

未公表の新製品のデザインとか、ワクチンの母株のDNAコードとか、特殊な部品の発注仕様書とか入札の価格とかはあきらかに秘密ですが、事務所の壁に貼ってある社内イベントのお知らせなどまで秘密情報なのかよ、ということです。
たまたまその会社の役員さんの虫の居所の悪い時に「○日は御社は忘年会ですからご都合悪いですよね」などというと、「何で会社の内部情報を取引先が知ってるんだ」などというカミナリが社内に落ちたりして、で、大体そういう契約書を作るような会社は上からのプレッシャーがそのまま伝わってくる事が多いので「契約違反」などと言われるのは面倒この上ありません。

また、会議室に入ったら前の打ち合わせで使ったホワイトボードが消してなかったなんてのも、こっちの知ったことじゃないわけで、少なくとも「委託者が秘密として管理しているものに限る」というような限定も必要です。

まあ、訴訟になった場合に負けることもないだろうというような部分の細かい条項でゴタゴタするのもいやなのですが、「なんでもかんでも秘密」というような契約を提示する会社は一般的に弱い立場の相手には強硬な対応をすることが多いので。


オジサンはそこで昔の冷戦時代のソビエト連邦のジョークを思い出してしまいます。

ある男がモスクワの赤の広場で「フルシチョフの馬鹿野郎!」と叫んで15年の懲役になった。
15年の内訳は、国家元首侮辱罪で5年、国家機密漏洩罪で10年。


企業秘密もそうで、ビジネス上の重要な秘密をどう管理するかでなく「自分が気分が悪くなるようなことが起きたら文句が言える」というところに議論がずれているときがあるように思います。

同じ個人情報保護法騒ぎのときに、従業員から念書を取る、というのが流行ったことがあります。
ここで問題になったのが、派遣社員から念書を取れるか、ということで、会社と派遣社員は直接の雇用契約関係にないけど派遣業法には秘密保持義務がうたわれているから、派遣会社を通じて事前に申し入れればOKとか、でも職業選択の自由ともかかわるので覇権終了後までは拘束できないのでは、などという議論があったかと思います。

でもそもそもは、そんなに重要な秘密なら非正規従業者に任せなければいいだけの話なんですよね。


これですぐ「階層社会」という話になるのはいやなのですが、個人的には特に組織体であれば権限と責任と報酬が階層化しなければ機能しないわけで、問題は権限と責任と報酬のバランスが崩れているところにあるのではないかと思ってます。

なんかとりとめがなくなってしまいましたが、労働市場の需給バランスの話にまでなると(考えもまとまっていませんせし)長くなるので今日はこの辺で。


PS
ところで石原真理子の本ですが誰か知り合いが買ったら借りようかと思っていますw 

この本が名誉毀損になるかどうかは、事実だとしても公共性・公益性があるかというあたりが論点になるのでしょうが、その意味でDVとかパワハラ風な話を入れたのでしょうか、また書かれた本人が法廷の傍聴記などで再度さらしものになることを覚悟してまで訴えてくることもないというあたりは計算しているんじゃないかなどと漠然と思っています。

ところでワイドショーなどでは不倫相手を実名で公表するのは「掟破り」とか言われていますが、芸能記者はいままで「不倫疑惑」などとさんざん報道しているわけで、これは業際の侵害という意味で「掟破り」と言っているんでしょうかねぇ。

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どっちに乗ろう?

2006-12-12 | うろうろ歩き


地下鉄南北線目黒駅の行先表示です。
一応東京育ちでもと鉄道少年でもあり詳しいと自負していたのですが、めったに利用しない駅なので方向感がなく、階段を下りた瞬間に「溜池山王ってどっちだっけ?」と迷ってしまいました。

2番線の「浦和美園・赤羽岩淵・西高島平」方面が正解ですが、最初にそれを見たときにどれも東京の北側の埼玉県境と埼玉県の地名なので、一瞬ためらったんですね。


最近地下鉄が延伸されて私鉄と乗り入れることが増えたので、上下線ともとんでもなく遠い行き先表示の電車が来ることが多くなってきました。

地下鉄半蔵門線だと、大手町という東京のど真ん中で「南栗橋」(東武伊勢崎線・日光線)行きと「中央林間」(東急田園都市線)行きが入ってきますし、有楽町線では「清瀬」(西武池袋線)行きとか、東西線では「東葉勝田台」(千葉高速鉄道)行きなど、通勤で使っていないと咄嗟にはわからないですね。


ところで私鉄乗り入れ区間はさておき、地下鉄は全線乗ったことがあるのだろうかと気になりチェックしてみました。

残念なことに未だ乗ったことのない部分がけっこうありました。
北から時計回りに行くと

南北線:赤羽岩淵~駒込
都営浅草線:蔵前~浅草
都営新宿線:大島~本八幡
半蔵門線:水天宮前~押上
都営大江戸線:上野御徒町~門前仲町
都営浅草線:馬込~西馬込
丸の内線:中野坂上~方南町
都営大江戸線:豊島園~光が丘


新しい路線ならさておき、支線とはいえ私の生まれる前からあった丸の内線とか、なぜか両端の一駅だけ残している都営浅草線などはちょっと納得いかないものがあります(ひょっとしたらボケてきたので乗った確証がもてないだけかもしれませんがw)。


さすがにこの年末に用もないのに地下鉄に乗りに行くわけにもいかないので、全線乗車は来年の目標にしたいと思います。
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「包丁人三郎」(さっそく)

2006-12-11 | 飲んだり食べたり
この前から気になっていた「包丁人三郎」に早速行ってきました。


公園に面したところにありこんな感じで(明るすぎてはっきり写っていませんが)「包丁人三郎」という看板が目立つ店構えです。




中に入るとカウンター5席と奥にテーブル席が2つ。

店名どおりご主人は和食店で修業されたあと麻布十番に店を出した方。
まだまだ30代前半(推定)なので、『包丁人味平』も『釘師サブやん』もご存知なくこの店名をつけられたらしいのですが、私のような年代からはよく訊かれるそうです。

おまかせコース(6000円)をいただいたのですが、刺身、焼魚、肉etcと品数もバリエーションもボリュームも満足いくものでした。
カウンターで独りのお客さんが単品で頼んでいた鯛の兜焼きもおいしそうでした。

酒は日本酒と焼酎が中心で、ほかに梅酒が3種類ほどありました。
日本酒は獺祭もあったのですが、これは4合瓶なので今回は自粛w
ショットは6種類ほどから選べます(手取川など(他は忘れましたw))
いただいたのは店主お勧めの高知の「南」という銘柄の純米。
香り豊かで味わいに奥行きがありながらも透明感のあるおいしいお酒でした。


お店は2時頃までやっているそうなので、残業で食事を食べそびれたりしたときにも使えそうです。
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『ナイロビの蜂』

2006-12-10 | キネマ
(予告編の範囲内+αのネタバレあり)

予告編で大体のあらすじがわかってしまっていたので、あとは脚本と演出の出来次第と思いながら借りてきました。


主人公の外交官が妻の思い出とともに妻を死に追いやった活動を探っていく、という映画です。

前半は主人公が全然妻のことを知らなかったということを明らかにしていくるのですが、生前の社会活動やパーティでの言動などから彼女の考えはわかるはずなのに今さらのように驚くあたりは、ちょいと主人公のお人よし(ボンクラ)度は高すぎるように思います。
また、そもそものなれそめから結婚に至る部分はかなり唐突で、主人公は単に利用されていただけ、とう印象すら持ってしまいます。

ところが後半になると、主人公は俄然やる気になります。
もっともこれは妻への愛情と生前の活動への共感という部分だけでなく、妻に横恋慕していた上司への不信感とか外務省からの理不尽なプレッシャーとかが重なっての結果です。

最後の30分で、主人公は反撃に転じるとともに、アフリカの抱える問題の根深さも実感することになります。
結末もイギリス映画らしく(ハリウッド映画ではないので)カタルシスをもたらすようなものではありませんが、逆に余韻を残します。


ジョン・ル・カレの原作をシティ・オブ・ゴッドのフェルナンド・メイレレスが監督、主演は「イングリッシュ・ペイシェント」のレイフ・ファインズという意欲的な組み合わせです。
確かにカメラワークは冴えてますし、レイフ・ファインズは(セリフを言わない)演技がうまいですし、音楽もいいです。

ただ全般的に脚本がストーリーの複雑さに対して消化不良な感じはしました。
シーンとシーンのつながりを理解するのに想像力が必要です。
それぞれの登場人物のサイドストーリーを掘り下げた方がよかったとのではとも思ったのですが、これで上映時間が2時間なので限界なのかもしれません。

逆にいえば、長さを感じさせなかったともいえます。
という意味では(いろいろくさしたけど)結構いい映画ですね^^;







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「顔」

2006-12-10 | 乱読日記
傷害逮捕:被害者がレコード店で“再会”し通報 東京
(2006年12月9日 22時43分 毎日新聞)

これを見て松本清張の「顔」という短編を思い出しました。
こっちの小説方が事実より奇なり、ですが。

確か中学生の頃読んだ記憶があり、懐かしくなって調べてみると『張込み』という短編集に収録されています。
そうそう、この短編集なかなか粒ぞろいの作品が揃ってました。「鬼畜」とか怖かった記憶があります。

早速注文しました。

でも、この表紙は清張先生がご存命だったら文句を言ったのではないでしょうかねぇ。





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レクサスLS

2006-12-09 | 余計なひとこと
買った、という話ではありませんw
(一番安くて770万ですから買おうとも思わない買えるわけもありませんが)


この前発表されたレクサスのLSを今週あたりからぼちぼち街で見かけるようになりました。

前から見ると、以前のモデルとのキープコンセプトなのですが、後ろから見るとハイデッキにしたトランク部分のデザインがBMWの7シリーズにそっくりに見えます(写真ではそう見えませんでしたが)。
ハイデッキは確かに最近の流行ですし、一番高級なモデルなので顧客層を考えると冒険のしにくいモデルなんでしょうが、変なところで「似ている」というのはマイナスじゃないでしょうか。
(その意味ではデビュー以来4年経ってようやく眼になじんできたとはいえ未だにエグさの残るBMWの7シリーズは立派だと思います)

同じレクサスでもIS(一番小さい奴)には朝会社に行くときによく出会うのですが、こちらは思い切りそそり立ったリア部分(バランス的にはアルファ155を彷彿とさせます)のデザインがいさぎよくオリジナリティもあって好きです。

(ISだって安くて400万なんですね!)

最近、自動車って妙に高い価格帯のモデルが多く出るように思いますが、景気の回復を反映しているのでしょうかねぇ
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近未來通信とディープインパクトの引退の関係?

2006-12-08 | あきなひ

「近未来通信」再発防止を…自民調査会が新制度検討
(2006年12月6日(水)19:58 読売新聞)

自民党の電気通信調査会は6日の会合で、IP電話会社「近未来通信」の詐欺事件を受け、総務省、金融庁、警察庁などが連携して通信事業者の情報を集め、国民に告知する仕組みを検討することを決めた。  

詐欺まがいの投資話の被害を防ぐというなら通信事業者に限るというのはどうなんでしょうかとは思いますが。
 
確かに現行法ではファンドによる通信設備の購入やリース契約の締結には投資家保護法制が適用されない(こちらの4,5ページ参照)のですが、金融商品取引法が施行されれば集団投資スキームとして網がかけられることになりますのでそちら側から監視するのが正道ではないかと思います。
(逆にこれのとばっちりで金融商品取引法の施行令が過剰に厳しくならないようにお願いしたいところではあります。)


ところで現在はこの手の有価証券以外の投資は商品ファンド法で規制されているのですが、そこでの規制対象は施行令第2条で限定列挙(商品先物、競争用馬、映画、絵画、鉱業権)されています。   

となると前にちょっと触れた競走馬引退後のディープインパクトの「種牡馬」への投資シンジケートは、現在の商品ファンド法の規制対象外ということになりそうです(自信なし)。  

そうだとすると金融商品取引法の網がかかって免許や行為規制が必要になったり金融庁の監督下に入る前に(しかも競走馬の賞金よりもはるかに高値での売却が期待できる時期に)とっととシンジケートを組成して資金調達してしまった方が得、という判断が働いたのかもしれません。

この前のジャパンカップに優勝した結果ディープインパクトの獲得賞金は12億7152万7000円になったそうですが(ちなみに生涯獲得賞金の記録はテイエムオペラオー18億円でディープインパクトは歴代2位)、一方で今回の種牡馬シンジケートの総額が51億円ですから、競走馬ビジネスよりも種牡馬ビジネスの方がはるかに大きいわけですから。  


それが引退の主たる理由、とまでいうのはさすがにうがちすぎだとは思いますがw

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ラーメン二郎と類似店

2006-12-07 | 飲んだり食べたり
ご存知の方には今さらの話なのですが、慶應大学の近くに「ラーメン二郎」という有名なラーメン店があります。
味の濃厚さと量の多さが特徴で、慶應(特に体育会)出身者にはファンが多いようです。
(詳しくはWikipedia参照)

昔はずっと三田だけでやっていたのですが10年位前に道路の拡幅による移転を機に暖簾分けをして支店を出し始め(最初の目黒、仙川などは慶應の応援部(※)OBが始めたとか)、今ではかなりの数になっています。


ところが多店舗化に伴い本店とは何の関係もなく名前だけ同じというニセモノ(暖簾分けをしていないので正確には「モグリ」ですが)の「ラーメン二郎」が登場するようになってしまいました。
人のいい本店の店主は暢気に構えていた(そもそも商標登録をしていなかったからこういうことになった)のですが、慶應のOBの弁護士さんが交渉を買って出て「ニセ二郎」に「ラーメン二郎」の看板を下ろすように働きかけたそうです。


私の職場の近くにも数年前に「ラーメン二郎」ができたのですがこれが「ニセ二郎」の一つだったようで、指摘されてよく見てみると看板が「ラーメン 〇〇店」となっていていつのまにか「二郎」が抜けています。

でも相変わらず職場の若者は「二郎に行こう」と言って出かけていきますし、昼食時には行列もできています。


私は「本物二郎」も目黒店にしか行った事がないのですが、その「ニセ二郎」は確かに味が違っていました。ただ私自身は本店に行った事がないため「正しい二郎」のイメージが形成されておらず「支店によって味が違うのかな?」などと思っていたくらいです。
もともと相当クセの強いラーメン(これはラーメンではなく「二郎ラーメン」という食べ物だ、という説もあり)なので、「ニセ二郎」でも納得してしまう人が多いのかもしれません。


ニセ二郎を食べて「ラーメン二郎を食べた」と言われるのは正統派ファンとしては納得いかない、という気持ちもわからなくはありませんが、一方で、正しい二郎かどうかというのは食べた人が美味しいと感じたのであればそんなに問題ではないんじゃないかとも思ったりもします(※2)。
上のWikipediaでも「旧ラーメン二郎」として比較的温かく扱われてます。

「公正な競争」という観点からは、そうやって開店初期に顧客誘導するのは不当であるともいえるんですが・・・


ブランド品など商品の場合はニセモノがよく出来ている方が問題(※3)なのですが、飲食店の場合はニセモノの質が悪い方が本家への悪影響がある(※4)というところは面白いですね。



(※)正式名称は「慶應義塾大学應援指導部」というらしいですが、こんなに字画の多い字を毎日書いていたら漢字が上手くなりそうです。

(※2)徒然草の「仁和寺にある法師」のくだり(参照)で、初めて岩清水八幡宮を参詣した法師が「山までは見ず」と本殿を拝まずに帰ったことに対して吉田兼好は「少しのことにも先達はあらまほしき事なり」と結論付けています。
これをしゃれた批評とみるか、純朴に満足している法師に対して田舎者を皮肉る嫌な奴と見るか(『徒然草』って良くも悪くもスノッブなところがあると思いませんか?)の視点に違いに通じるものがありますね(って注釈の方がわかりにくいやw)。

(※3)以前知財関係の弁護士事務所で、棚にAiboの類似商品がずらっと並んでました。
中にはそっくりなものから単に銀色の犬であってAiboどころかロボットにすら見えないものがありました。どこまでをニセモノとしてクレームをつけたのか興味あります。

(※4)ニセモノ(後発)が一気に多店舗展開し、商標出願までしてしまったのが九州じゃんがらです。
しかもニセモノがあまり美味しくなかったようで、本家の方は相当迷惑しているようです。
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グラノーラとミューズリー

2006-12-06 | 飲んだり食べたり

最近夜が呑みすぎ&食べ過ぎなので、ここ1,2ヶ月、朝食はシリアルにすることが多くなりました。

最初はコーンフレークだけだったのですが、それだとあまりに味気なく一日の始まりとしての気合が入らないので、フルーツやナッツの入ったグラノーラを混ぜることにしました。
食感や味に変化が出てそれなりに楽しめます。

そうなると、次はいろんな種類のシリアルを試して見たくなるもので、成城石井などの輸入食品を扱うスーパーを物色するようになりました。
そこでは、グラノーラと同じフルーツとナッツの組み合わせなのですがミューズリー(Muesli)なるものが多く売られています。
これもグラノーラ同様フルーツやナッツや穀物が入っていて、さらにオーガニック食品などを謳い文句にしているものもあります。


いくつか試した結果、最近は「果実40%以上」と銘打ったミューズリーをコーンフレークに混ぜて食べるのがお気に入りです。ただ、シリアルを食べながらずっと疑問だったのが「グラノーラ」と「ミューズリー」の違い。
同じフルーツとナッツ、穀物の組み合わせなので、実は英語とフランス語の違いでした、などという答えではないかなと思いながら調べてみました。

こちらによるとつぎのような違いがあるそうです。

(ミューズリー) 
乾燥させた穀物にドライフルーツやナッツを混ぜた、ヨーロッパでは定番の朝食です。砂糖などの甘味料を一切使っていないものが多く、素材自体のもつ自然な味が楽しめます。

(グラノーラ) 
グラノーラとは、グラニュール(粒々の)とグレイン(穀物)からできたシリアルの呼び名で、シリアルにドライフルーツやナッツ等をトッピングしてハチミツなどを加え、ローストして結着させたものです。甘みがあるので食べやすく、ゴツゴツとした食感は食べごたえがあります。  

つまり穀物やフルーツ・ナッツをそのまんま乾燥させたのがミューズリーで、甘味を加えてローストした結果、穀物やナッツがくっついているのがグラノーラなんですね。  

ミューズリーは「咀嚼効果が高いので少量でも満腹感がある」のが特徴だそうで、いきなり朝からかき込むように食べてはいけないんですねw  


ところでシリアル、特にコーンフレークといえばケロッグですが、ついでに調べた日本ケロッグのHPによれば、その発祥は次のとおり  

1800年代後半、米国ミシガン州バトルクリークの保養所でJ.H.ケロッグ博士と弟のW.K.ケロッグは、人々の健康を願い、栄養が豊富な食品の開発を研究していました。彼らは食物繊維が豊富な穀物や大豆を材料に研究を重ね、1894年には朝食シリアルを開発し、保養所内外で大変な評判になりました。  

一方ミューズリーは冒頭のサイトによれば 

ミューズリーの元々の生まれ故郷はスイス。羊飼いがアルプスの山へ登る時に押し麦や木の実、乾燥させたフルーツなどを合わせたものを携帯食にしていたのが始まりでした。 
1890年代後半、その栄養価・利便性が大変優れている点に着目したビルヒャーベンナー博士が療養食として更に改良し、勤務していた病院で取り入れたところ、これが当時の患者たちに大好評。そのレシピは一般家庭にも広まり、1920年代にはスイスのあらゆるレストランのメニューに上るようになりました。 
その後イギリスに伝えられる頃には、乾燥させた大麦・小麦・オーツ麦などにドライフルーツやナッツを混ぜた朝食シリアルにその姿を変え、"健康重視派"の強い支持を得ることになりました。


くしくも両方とも発明が1890年代で、しかも病院食から始まったんですね。
ガソリン自動車がゴッドリーブ・ダイムラーとカール・ベンツによってともに1886年に発明されたことが思い起こされます。

考えてみると、19世紀の終わりって本当にいろいろな重要な発明がされましたね。

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「1株株主」問題

2006-12-05 | M&A

カネボウ個人株主、取締役5人を東京地検に告発
(2006年12月4日(月)20:24 朝日新聞)  

投資ファンド傘下で再建中のカネボウの個人株主約530人が4日、食品など3事業を営業譲渡した際の取締役会の対応について、同社の小森哲郎社長(48)ら取締役5人に会社法の特別背任の疑いがあるとして、東京地検に告発状を提出した。また、取締役5人に対し、営業譲渡代金が回収不能になったとして、代金約425億円を支払うよう求める株主代表訴訟も近く起こす方針。少数株主が権利保護のため、投資ファンド傘下の再建策に異議を表明した形だ。  

カネボウは、産業再生機構のもとで再建を進め、今年1月に国内の3投資ファンドの傘下に入った。さらに、5月に日用品、薬品、食品の3事業を別会社などへの営業譲渡で切り離し、新たに作った持ち株会社の子会社とした。  

これに対し、個人株主側の説明によると、カネボウの取締役会は今年4月、3事業の営業譲渡代金約425億円について、3投資ファンドが出資した別会社が債務を引き受けることを承認。しかし、この会社には返済能力がなく、不良債権化してしまったとして、「保有していたカネボウ株の価値がなくなり、カネボウ取締役らは、少数株主の利益を犠牲にしてファンドの利益を図り、カネボウに損害を与えた」としている。  

報道を見る限りでは、既に債務がデフォルトして損害が発生しているわけではなく、営業譲渡の判断の相当性を問うているように読めます。 
事業スキームをよく理解せずに言っているのですが「債務を引き受ける別会社には返済能力がなく」というのは、取得した事業のキャッシュフローを返済原資にしようとする場合は当初のSPCにキャッシュがないのはある意味当然なわけです。
それに現金を対価として営業譲渡をする場合も売買代金で債務を弁済するので(営業譲渡の代金が正当であれば)結局売主に残る金額は同じはずですが・・・(脊髄反射的に考えたので違うかも?)

読売新聞の記事では

投資ファンドなどにはこうした少数株主を排除して、機動的な経営を行いたいとする考えが強い。  

外食チェーンのすかいらーくや青汁のキューサイなど、最近増えているMBO(経営陣による自社株買収)が100%の株式買い取りを原則としているのも、少数株主の排除が目的だ。  

さらに、来年5月には合併の対価として旧株主に外国企業の株式や現金を交付することが全面的に認められ、買収者が株式を100%買い取る企業再編が容易になる。一方で買収される側の会社の少数株主は、半ば強制的に株を手放すよう迫られるケースも増えることが予想される。  

などと、ちょっと煽り気味の書き振りであります。  

もともと会社法では少数株主の利益と多数を持つ株主の利益をバランスさせるために、組織再編においては正当な対価での株式買取請求の制度を設けたりしています。 
少数株主の権利を著しく損なうような意思決定は問題ですが、もしそうだとしても会社に対して損害を与えるのであれば営業譲渡の時点で差し止めとか株主代表訴訟を提起するというような手段があります。  
にもかかわらずほとぼりが冷めてから「特別背任」というのは(本件の評価はさておき一般的には)ちょいと穏やかでないですね。   

発行済株式総数の2/3や略式組織再編が可能な90%を確保したとしても、会社法上の異議申し立て手続き以外にもいろんな訴訟を受けるリスク(負けないとしても応訴する手間やレピュテ-ションリスク)が大きいとなると、会社法を改正したメリットが現れにくくなってしまいそうです。

上場株式なら時価が形成されているので比較的争いの幅は少ないですし(※)、TOBで株主の意向を問う、ということも可能なわけですが、非上場会社ですと紛争のリスクは読みにくくなります。 
しかも、非上場会社は創業者一族や取引先が株主になっていたり過去に上場を目指して株主を増やしていたりすることが多く、しかも必ずしも皆仲がいいというわけでもない(どちらかというと仲たがいしていることが多い?)のでやっかいだったりします。  

普通は支配権プレミアムというのは教科書的には1/3、1/2、2/3をまたぐあたりが分水嶺なのですが、最後100%に近くなるにつれ価値が逓増するということにもなりかねません(極端な話、最後の1株を持っている株主から今後の企業再編に文句を言わせないために相当な高値で株を買い取ることは「反対の議決権を行使させない対価」を払うことで、それって議決権行使に関して株主に利益供与することとどう違うんだろうって感じですよね。)。


土地収用に反対する「1坪地主」ならぬ「1株株主」問題ですね。  


多数決が原則の株主の権利においては少数株主の保護は公平と適正手続きの問題であって「少数だから保護されるべき」という判官びいき風(またはワシントン条約風?)な正義感を振り回すのはちょいと考えものだと思います。


(※)最近話題のレックス・ホールディングスのMBOのようにそもそもMBOという取締役の利益相反が問題になりがちなケースでしかも株価の下落と業績見込みの下方修正の開示などがからむと、正当性を主張するのにもハードルが高くなると思いますが(詳細はtoshiさんの記事をご参照)。

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"once bitten twice shy"

2006-12-04 | あきなひ
こちらによると
something that you say which means when you have had an unpleasant experience you are much more careful to avoid similar experiences in the future.

「あつものに懲りて膾をふく」というような意味のようです。

BBC NewsのBite kills Malaysia 'Snake King'
27年前からコブラに自分を噛ませるなどの芸をして、毒ヘビとの同居のギネス記録保持者でもある"Snake King"がヘビに噛まれて死んでしまったという話で、記事はこの諺を引用し「彼にはこの諺は当てはまらなかったようだ」という前振りから始めていましす。

逆に商売の世界では、不祥事で倒産した企業の担当者が危機管理コンサルタントになったりと、失敗でも貴重な経験は2度目のチャンスにつながるというのは良くある話ではあります。

ましてや"Snake King"氏は最初の経験でうまくいってしまったわけなので、これを商売にしようと考えるのは自然なことかもしれません。
それで調子に乗っていると1つの不注意・不運から死にいたる、というのもビジネスと似ています。
エンロンのような会計操作(これは不正行為ですが)とか、M&Aによる拡大路線とか、古くは積極的な不動産投資による「含み資産経営」とか、こちらの方の例もいろいろありますね。


PS "Snake King"の弟子の"Scopion Queen"の写真がこちらにあります(あまり見ていて気持ちのいいものじゃありませんが・・・)。
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4連投

2006-12-03 | 飲んだり食べたり
先週は飲んで食べてばかりでした。

火曜は四谷のSac a Vin
ワインの価格もそれほど高くなく、しかもほとんどが250mlと500mlのデキャンターも選べるという良心的な設定。
料理もコースにこだわることなく温菜・冷菜とオードブルよりは食べ応えのあるワインの進む単品料理が充実してます。
秋のメニューということでいただいたフォワグラ入りロールキャベツが美味しかったですね。


水曜は八丁堀の五鉄で焼肉。
ご接待(したほう)だったのでオーナーのアテンドつきというフルサービス。十分堪能したので当分肉はいいや、という感じです。
ここで仕入れた最近の流行(?)は眞露の水割りにすこしワサビを入れるというもの。
確かに臭みがなく、すっきりとします。
(家に帰って芋焼酎でやってみたら、臭みは消えるものの逆に焼酎の個性が消えてしまい「そんなら何で芋焼酎飲むよ?」という感じになってしまいました。なので、これは焼肉などの脂っこい食事にあわせるのがいいかと思います。)


木曜はリストランテ ラ ブリアンツァ
言い出しっぺが「とりあえずよさそうなとこ予約しといたよ」という話なので全員が初体験。
料理は前菜の黒トリュフをポットのグラタン風にかけた(けっこういっぱい削ってくれました)のと、トマトのパスタ、それからオードブルの前に売り込みにきた「メニューにないですが生ハムのいいのが入ってまして」はなかなかいけました。
ワインの価格も良心的で、この値段でこの食事ならいいかな、と思います。
ただ入り口がガラスの一枚扉で、気圧の関係で隙間風が入ってくるのと風切音がうるさいのが残念でした(小さい店の宿命かもしれません)。

それより気になったのがこの店の並びの「包丁人三郎」という店。
牛次郎/ビッグ錠コンビの代表作『包丁人味平』と『釘師サブやん』を足して二で割った店名がツボに入りました(考えてみると少年マガジンでパチンコ漫画なんてよくやってましたね。)。
カウンター中心の和食店のようですが、これはぜひ探訪せねば、と思っております。


金曜は華僑の人の中華料理店で忘年会
関係者の日程の都合でだいたいこの忘年会が一号になります。
江沢民一派の今後の話とか、東京のオペラシティは残響が2.4秒(?)ないからプッチーニはできるけどモーツァルトはダメとイタリア人が言ったとか、アクアラインにはオービスがないから・・・とか、中国人・インド人よりシリア・レバノンの商人方が更にタフだとか、相変わらず面白い話満載でした。
もう終わりかと思ったあたりからこれでもか、というくらい焼ソバ(自慢とはいえ店のほぼ全種類w)がでてきて、さすがに身動きとれないくらいの満腹でした。



ということで昨日スポーツクラブに行ったら体重が1kg増えてましたorz
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神様と仏様

2006-12-02 | 余計なひとこと

日本は八百万の神々の国だけあって、歌舞伎町にも神様はいっぱいいるようです。

ホストが客を酔わせ乱暴 新宿・歌舞伎町の有名店
(2006年12月1日(金)12:10 共同通信)

客の女性に酒を飲ませて乱暴したとして、警視庁捜査1課と新宿署は1日までに、集団準強姦(ごうかん)容疑で東京・歌舞伎町の有名ホストクラブ「アクア」のホストで東京都世田谷区、海拓志こと新保拓司(24)、同、海渉こと伊藤誠(23)、元同店ホストで住所不定、美心こと北川晋太郎(20)の3容疑者を逮捕した。

自分の源氏名に「神」とつけるくらいの度胸がないとホストはやれない、ということなんですかね。


もう一つは「ロイターco.jp今週読まれた記事」11月25日の第1位。

タイの僧侶がペニス切断、医師による再接着を拒否  

[バンコク 22日 ロイター] タイの僧侶(35)が自分の陰茎をなたで切り落とし、医師による再接着を拒否するという珍事があった。22日付の現地タブロイド紙(電子版)が報じた。  
この僧侶は、瞑想中に勃起したことが切断の理由とした上で、煩悩をすべて断ち切ったのだから再接着の必要はないと話したという。  
手当てを行った病院の医師は、ロイターの電話取材に対し「傷を消毒して数針縫いましたが、彼はすべてを捨てたからと言って再接着を拒否しました」と語った。  

個人の修業に対するお考えですからとやかく申し上げるのも失礼とは思いますが「瞑想中に勃起した」という事実よりも「瞑想中にもかかわらず勃起したことに気づいた」という瞑想への集中力の欠如の方が問題なのではないでしょうか? 
瞑想に集中していたら勃起していようが空中浮遊していようが気がつかないのではないかと。  

なので「陰茎を切断する」という行為は自らへの戒めにはなるかもしれませんが「煩悩をすべて断ち切った」といえるかはちょっと疑問です。

修業への真剣さはわかるものの、非難の対象を間違えたように思えます。

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復党盆にかえる?(でも「水に流す」と盆にはかえらないよな・・・)

2006-12-01 | まつりごと

自民党の復党問題ですが、党の方針である郵政民営化法案に反対しという理由で公認を取り消しておいて反省文を書けば許してあげるというのもどうよとか、「造反」議員の方も最後に法案に賛成するならそもそも反対したのは何でだよ、と「筋」で考えればよくわかりませんね。  

特に現職議員だけ復党させたということは、次の総選挙をにらんで選挙区選挙に支持基盤の強い「造反組」を取り込もうとする意図があるのでしょう。  
これは安倍政権は小泉政権のような明確な論点を立てない、という性格を反映しているのかもしれません。  


というまあ月並みな感想しかないので、本件についての私の興味は、先般Kobantoさんのところへのコメントに尽きています。  

私自身は、復党組が中央ではしおらしくしながらも地元の自民党県連でどんな粛清をやらかしてくれるのか、人間の本性の見せ所と期待しています(特に野田聖子)。  

野田聖子センセイについては、郵政民営化法案に賛成された際のご自身のHPでも弁明をネタにさせていただいたことがあるのですが(参照)、たまにテレビで拝見するアクの強さアグレッシブさには密かに注目しております。  

そんな野田センセイのHPで「自由民主党への復党願提出にあたって」というコメント(記者会見の抜粋)が出てましたので拝見しました。

Q.郵政民営化への姿勢は。
A.選挙で国民の大勢が下した判断は、この国は郵政民営化の流れをとるという事実でしたから、国民に仕える一人としてはいたずらに抗うことなく、多くの国民が望んでいるのであればその方向をきちんと受け止めようと思います。去年の特別国会ではいろいろな方と協議して、大切なことは国会議員としての仕事を全うすることであり、そのために国民の意見を柔軟に受け入れられる結果にしなければならないと結論しました。今日においては、自分にとってそれほど高いハードルではありませんでした。

Q.今後、郵政民営化に問題点があればどう取り組むか。
A.衆参両院で可決した法案には来年十月施行としたうえで、きちんと三年後の見直しが明記されているので、利用者にとってよりよいネットワークの維持など、そういうことを踏まえて全力で取り組みたい。

離党時のコメント(上記参照)では、「郵政民営化には賛成だが、法案には問題があると思う、しかし自民党執行部はall nothingの選択を迫ったのでやむなく離党をした」というようなことをおっしゃってたはずですが、現法案の問題点を認識されているのであれば修正すべき点についてもっと歯切れのいいコメントがほしかったところです。

Q.佐藤ゆかり議員との公認調整が課題だ。
A.それは党本部がお決めになることでわかりません。大切なことは、同じ自民党所属議員になるので、岐阜県、岐阜市の団結を図りまとまっていくことがこれから課せられた大きな課題だと思っています。ともに汗をかいていきたいです。

Q.佐藤議員とどうやって岐阜でやっていくか。
A.自民党という組織がありますから、県連組織の一員として県連会長の下、様々な組織決定があると思いますので、それを踏まえてやっていきたいです。

もともと二世議員で地盤も磐石なのですから、自民党の公認を得られるとすれば佐藤ゆかり議員など眼中にない、というのが本音なんじゃないでしょうか。

今後の関心事は、上にも書いたように自民党岐阜県連における自分に対する「造反組」の県議などをどう粛清していくかというあたりにあると思います(それくらいの支持基盤の強さはあるんじゃないかと思ってますが)。

今度は野田センセイが造反議員を切り捨てた小泉スタイルでいくのか、「頭を下げれば許してあげる」という安倍スタイルでいくのか選択を迫られるわけです。


県議の立場にすればどちらにつくかでが右往左往するのは戦国時代の昔から美濃の国では慣れっこなのかもしれませんが。

コメント (4)
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