主人公の島崎三歩は槍ヶ岳で山岳救助ボランティアの活躍を描いたコミック。
三歩は遭難者を見つけたとき、遭難の原因が装備不十分とか無謀な計画によるものであったとしても、また遭難者が既に遺体となっていたとしても、必ず
「良く頑張った」
と声をかけます。
遭難という結果をもって相手を非難するのではなく、遭難したとしても、そこで必死で生き延びようとする登山者に対する暖かい視線があります。
当たり前ですが、山に登らなければ絶対に山で遭難はしません。
しかし山に登る楽しさはも山でなければ得ることが出来ない、そして、その楽しさを味わいに来た人には全力でサポートする。
搬送される人に向かっても
また、山に来いよ~
と声をかける三歩からは、そういう気持ちが伝わってきます。
そこがこの物語を上質なものにしています。
僕自身は、仕事でもよくないと思っていても思わず後講釈で非難をしてしまうことがあります。
トラブルに逢った(または自ら招いた)部下や同僚に対して、素直に「良く頑張った」と言える人間になるにはまだまだです。