一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

ニュース三題

2008-04-15 | よしなしごと

昨晩は久しぶりにゆっくりとNHKニュース9を見ました。

まずは道路特定財源問題。トラックの過積載をモニターするシステムが稼動していなかったり不具合なのに年間100億円以上も使っている、という話。

道路財源で整備 装置使われず
(4月14日 19時32分)

トラックの過積載などを24時間態勢で自動的に取り締まるため、国が全国の国道に整備してきた装置が、実際にはほとんど使われていないことがわかりました。装置の整備には道路特定財源から100億円以上が支出されており、国土交通省では、できるだけ早い時期に運用を始めたいとしています。

マスコミ報道の真剣さを見ると、道路特定財源は一般財源化して「前年比」での議論になるより、一般化しないかわりに自民党案のような10年でなく1、2年で更新するようにして、毎回こうやってマスコミなどが無駄遣いを検証したほうがかえってよくなるのではないかとふと思ってしまいました。


つぎは後期高齢者保険法問題

野党、高齢者医療制度の廃止を
4月14日 17時4分

75歳以上の高齢者を対象とした新しい医療制度の保険料負担が15日から始まるのを前に、民主党、共産党、社民党、国民新党の野党4党の幹事長と書記局長らが東京・巣鴨でそろって街頭演説をし、この制度の廃止を訴えました。

鳩山代表は「現代の姥捨て山」とまで言っていましたが、問題は高齢化に伴い医療保険の負担が増えてきたことが原因で、今まで優遇されてきた人に応分の負担を求めるということ自体はそんなに悪いことではないんじゃないでしょうか。
「扶養家族控除」などの家庭の主婦の優遇策の廃止は、いわば野口悠紀雄教授の言う「1940年体制」のモデルが機能しなくなった結果であって、それを既得権と考えるのはどうかと思います。

問題は現在年金受給で生活費をギリギリまかなっていて貯金もないような高齢者に対してセーフティネットが十分かという部分にあるのではないかと。

いずれにしても、野党も国会での法案審議か政令が変わったとすればパブコメで制度改革の内容は事前にわかっていたはずなので、直前になって大騒ぎするというのもおかしいんじゃないか、という印象を強く持ちました。


裁判員制度の話もありました

同じ事件審理 量刑判断を検証
(4月14日 19時32分)

裁判員制度が来年5月に始まるのを前に、東京地方裁判所で、裁判官と裁判員役の5つのグループが模擬裁判で同じ事件を審理し、刑の重さがどのように分かれるか検証する初めての試みが行われました。

結果は5グループのうち4つが、懲役3年、執行猶予5年、1グループが懲役2年6月の実刑、という結果でした。
裁判官も「予想外に差が少なかった」と言っていたのが印象的でした。

もともと僕は(裁判員制度を前提とすれば)裁判員に量刑は負担が大きいのでは、という意見なのですが、この報道でも気になったのは「裁判の結果は客観的に正しいものでなければならない」という前提でした。
裁判員がやろうと裁判官がやろうと、人が人を裁く以上「絶対」というものはないのは当然で、そのために裁判官は「ぶれ」を減らそうと努力してきたのだと思います。しかしこの裁判官の自己研鑽が裁判所の判断を固定化してしまい、結果的に市民感覚とのズレが生じたという問題意識が裁判員制度の導入のきっかけになったのであれば、そもそもその「ぶれ」は許容されるべきものなのではないでしょうか。

どの裁判員でも同じ結論になってしまうのでは、それこそ制度を導入する意味もないのではないでしょうか。
裁判官だって控訴審で逆転、なんてこともあるわけですし、量刑までまかせるという制度設計をした以上あまり神経質になるべきではないと思います。



コメント
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