おとといメタボのエントリをアップしたら、ちょうど日経新聞の経済教室に「肥満と負債、強い相関」という記事がのっていました。
05年に住宅ローン以外の借金の有無と回答者の体系の関係を調べたところ、「負債あり」のグループの方が肥満度が高いという結果が出たそうです。
さらにこれを余分な脂肪を「負債」と考え、他の回答を利用して経済学的に分析しています。
その結果肥満の人に共通している性格として
1 せっかち
将来の価値(利益・損失)に対する割引率が高い=将来を待てない
2 後回し傾向
遠い将来は辛抱強い選択ができるのに、目先の計画にはとたんにせっかちになる=「双曲割引」というらしい
3 将来の損失をおそれない
将来の受け取りの期待割引率と将来の支払の期待割引率との差(=符号効果)が小さい
という傾向があることがわかったそうです。
その結果長期的利益に反して過剰な脂肪を蓄えてしまうとか。
太り気味というだけで社会的な非難を浴びるような世の中はどうかと思うのですが、こういう統計的分析も「性格的欠陥」のように言われかねない危さがあります。
「ちょっと前のアメリカと同じ」という日本の得意技でもあるのでしょうが行き過ぎのように思います。
「容姿で差別してはいけません」と子供に教えている小学校の先生は、どう対応するのでしょうかね。
PS
余談ですが「長期的利益に反して過剰な脂肪を蓄えてしまう」というところで、ケインズの「長期的という視点は現在の問題の解決を誤らせる。長期的には我々は皆死んでしまう。」という文章が思い浮かんだぶのですが、ケインズご本人(写真右側)は大柄ではあるものの肥満ではなかったようです。