一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

問題な弁護士

2006-03-08 | 法律・裁判・弁護士
昨日のエントリにコメントをいただき、もう少し考えてみようと弁護士の懲戒処分の事例をググってみました。

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テレビ局の番組制作者の依頼を受け、戸籍謄本や住民票などを不正に取得
2004年1月 東京弁護士会 業務停止4月

毎月数十件受任した債務整理で法律の説明や返済計画立案を事務員に任せ、弁護士任務を怠った。
2006年1月 東京弁護士会 業務停止4月

自己破産などの依頼を長期間放置した上、着手金の返還に応じなかった
2006年2月 熊本弁護士会 業務停止1年2ヶ月

パソコンソフトの説明をさせようと青葉区上杉6丁目の事務所に呼んだ出版社の男性社員に対し、「商品知識が足りない」と腹を立てて暴行を加え、胸に4週間のけがをさせた
2005年8月 仙台弁護士会 業務停止2月

相続放棄の手続きに絡み東京家裁名義の文書を偽造
2005年7月 東京弁護士会 業務停止1年

会社から任意整理を依頼されたが同10月解任され、その後1年近く預かった約3427万円を返還しなかった
2005年7月 東京弁護士会 業務停止2年

依頼人から「連絡がつかない」などの苦情が相次いだ。実際に音信不通となっていたことなどから失踪したと認定
2005年12月 福岡弁護士会 退会命令

上記の業務停止2月の懲戒請求期間中に、タクシー運転手を殴ったとして傷害容疑で逮捕され、起訴猶予処分
2006年2月 仙台弁護士会 退会命令

交通事故の保険金請求手続きで支払われた保険金約5800万円を依頼者に渡さなかった
2006年1月 第一東京弁護士会 除名

訴訟相手から受け取った和解金を依頼人に渡さず着服
2006年1月 横浜弁護士会 除名

依頼者の債務整理に当たり消費者金融から回収した金を無断で引き出したり、依頼者から預かった和解金を流用した
2006年2月 沖縄弁護士会 除名

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googleでヒットした(=新聞報道された)だけでも結構あるものですね(整理していてちょっとめげました・・・)

ざっと見ると、被害金額の大小が処分の軽重に反映されているように見えますね。
でも、被害額の多寡の問題よりは依頼者の無知に乗じたかどうか、という悪性を基準にするほうが、個人的には納得する感じがします。

たとえば企業が依頼人で、相手方から受け取った和解金を弁護士が着服したような場合は、企業であるなら当然訴訟の経緯は見守っているはずですし、和解金が入金されなければおかしいと思うべきです。
一方で、個人が生まれて初めて弁護士に依頼するようなときは、何がどういう順序で進むか分からないのですから、そういう人には特に誠実にサービスを提供すべきではないでしょうか。

つまり、弁護士への依頼についても依頼者の自己責任を問えるケースと、消費者保護的な視点を考慮すべきケースに分かれるのでは、ということです。


でもそうすると、少額の個人事件はなおさら割に合わないので引き受けてがいなくなってしまうのかもしれませんね(労多くして診療報酬は少ない上にトラブルも多い小児科医の減少と似ているような・・・)


ところで上の事例を見ると、2006年になって立て続けに重い処分がなされていますが、これは世の中のコンプライアンスへの注目を反映して厳罰化が進んでいるのでしょうか、それとも悪い弁護士が増えているのかしら・・・


(おまけ)
日弁連のHPで弁護士職務基本規定というものを見つけました。

ご参考まで。
コメント (3)
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