一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

もはや「ニュース」ではないですが

2006-03-31 | 余計なひとこと

前原代表が引責辞任 民主執行部、総退陣
(2006年 3月31日 (金) 14:34 共同通信)
タイミングを失するとどうなるか、というだけの話になってしまいましたね
あとは個人的には

「前原前代表」

 という見出しに興味があるだけです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新日鉄の買収防衛策

2006-03-31 | M&A

3/29に新日鉄が買収防衛策を発表しました。

当社株式の大量買付けに関する適正ルール(買収防衛策)の導入及び新株予約権の発行登録に関するお知らせ

新日本製鐵㈱・住友金属工業㈱・㈱神戸製鋼所間の連携施策の推進状況と更なる深化を確実にするための三社覚書締結について

(上記三社)は、これまで、連携施策を着実に推進し、昨年3月末の三社連携深化の公表以降は、資本市場の変化に対し必要となる対策についても、各社個別の取り組みに加え、共同で研究・検討してまいりました。今回は引き続き連携を深化・推進し、その成果を享受していく観点から、三社のいずれかに買収提案がなされた場合に、他の二社への通知と要請に基づいて、買収提案が提携関係に与える影響及びそれに対する対応を共同して検討する旨を取決めた三社覚書を本日付けで締結致しました。同覚書は、今後も買収提案に備えた諸施策に関し継続して検討することなども定めております。

これまで、三社は、従来の施策に加え、昨年3月末以降、以下の通り連携施策の実行・検討を着実に推進しております。
(中略)
また、これらの提携策の検討及びその実行をより一層円滑かつ確実に推進して行くため、相手方に出資を行ってまいりました。結果、新日鉄は、住友金属の普通株式を240,826千株(5.01%)、住友金属は、新日鉄の普通株式を123,512千株(1.81%)、新日鉄は、神戸製鋼の普通株式を63,975千株(2.05%)、神戸製鋼は、新日鉄の普通株式を28,017千株(0.41%)、住友金属は神戸製鋼の普通株式を63,975千株(2.05%)、及び神戸製鋼は、住友金属の普通株式を82,184千株(1.71%)、保有するに至っております。

後者の3社覚書は「持ち合い」という"old fashoned"なテイストを感じさせます。
平たく言えば「3社提携が破綻すると企業価値が損なわれるよ」と言うことで、買収者が敵対的か否かについて3社の判断が影響力をもつことになるわけです。
これってコーポレート・ガバナンス上いいのか(これを取締役会の決議だけで決めて良いのか)とか、ここまでくると企業結合なんじゃないかという疑問が湧きます。
ミタル・スチールによる買収が脅威なのであれば、冗談ヌキで共同持株会社をつくってしまったほうがいいように思うのですが(3社共同での買収防衛策が正当化されるなら独禁法もクリアできるんじゃないでしょうかねぇ・・・)

これを上品に言うと

国内独占禁止政策や投資家の利害との調和など問題もはらみ議論を呼びそうだ。
Nikkei Net 2006年3月30日 00:08

ということになるのでしょう(さすが新聞社)



前者の買収防衛策ですが、おそらく日米の法律事務所が知恵を結集して練り上げたと思われるかなり緻密なメカニズムがおりこまれていますので、私ごときがコメントするのはおこがましいかぎりではありますので、専門家の方々のコメントを待つ事にします。


ただ、メカニズムが緻密すぎるのと、英文直訳風な用語が多いので、細かいところでネタ的に面白い部分があります。

たとえば、買収者の提案が検討の対象にされる要件として

国際的評価を得ている法律事務所(以下「買収提案者法律顧問」と
いいます。)が、買収提案者の法律顧問として、当社取締役会に対
し、買収提案者が提出した情報に関し、重要な事項について虚偽の
記載がなく、かつその提出時の状況に鑑みて記載すべき重要な事項
又は誤解を生じさせないために必要な事実の記載が欠けていない旨
の意見書を提出していること。

というのがあります。
この「国際的評価を得ている法律事務所」という条件に該当するか否かは何を基準に判断するのでしょうか。
日本でも「ローファーム」といわれるような200人規模の事務所は該当するのでしょうが、規模は小さいけどM&Aの世界では有名な弁護士がいる事務所とか、国際的に評価は高い事務所だが知的財産権が専門だったらどうする、とか、けっこう悩ましいですね。

ちょっと知り合いの弁護士に「先生のところには新日鉄の買収はお願いできますか?」と聞いてみましょうか(笑)


もっと深読みをすると、大手法律事務所が結託して自分の手がける買収防衛策に「国際的に評価を得ている弁護士事務所」条項を入れることで、買収側の業務も寡占状態に置こうという深謀遠慮が見え隠れしていると見ることもできるのではないでしょうか。

そうでなくても新日鉄のような大企業は国内の大手法律事務所のほとんどと何らかの関係があるでしょうから、他の企業が依頼しようとしてもコンフリクト・チェックではねられるので、実際に頼むところがなくなってしまう、という可能性もあります。
そうなるとtoshiさんの「敵対的買収(裏)防衛プラン」が俄然現実味を帯びてきますね^^


それから、買収者に対してその氏素性の開示が求められています。
親会社や支配株主の情報の徹底的な開示が求められますし、買収者が継続開示会社でない場合は検討期間が延長されます。
まあ、これはもっともな要求なのですが、

さらに、各開示者に関し、(i) 過去10 年間において刑に処されたことがあるか否か(交通反則金処分及び軽犯罪を除く。)、もしある場合にはその罪名、科された刑罰(又は処分)の内容及び関与した裁判所名、並びに(ii) 過去10 年間において、司法・行政手続きにより、証券取引法、商法、会社法、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独占禁止法」という。)又は環境に関する法令(外国等におけるこれらに相当する法令を含む。)に違反する行為を認定しもしくは違反する行為の差止めを命ずる判決、決定もしくは命令等を受け、又はそのような判決、決定もしくは命令等を求める司法・行政手続きの対象とされたことがあるか否か、その他・・・を開示する。

とまで言うと、じゃあ、上の覚書3社の独禁法違反や神戸製鋼所の総会屋への利益供与とかはどうなんだい、という指摘を受けないのか、他人事ながら気になります。


最後に小ネタですが、以下のような一節があります。

当該買収提案者を究極的に支配し、他のいかなる者からの支配も受けていない者(以下「アルティメイト・ペアレント」という。)

ここを読んだ時に、「アルティメイト・ペアレント」という言葉から

女王エイリアン

を想像してしまったのは私だけでしょうか?
(「最終支配親会社」とか言えばいいのに・・・)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする