昨日の記事で、米国企業への投資(および投資した米国企業の売却)が「国家安全保障」を理由にして規制されるとすると、外国投資家が米国に投資をしなくなるんじゃないか、(いやいや余剰資金の受け皿としては米ドルがやはり一番じゃないか)というような議論もされているという話をしたのですが、そうなると為替はどうなるんだろう、昨日は118円台までドル安にふれたのはそのせいか、などと考えていたら、モルガンスタンレー証券の"Weekly International Briefing"(3/7号)で、アナリストのロバート・フェルドマンが面白い事を書いています。(この人はたまにテレビにも出てますが堪能な日本語でわかりやすくウイットに富んだ話をする人です)
曰く
「おばあちゃん対ヘッジファンド」
「おばあちゃん」というのは金利格差を重視する投資家を指しています(まあ、外貨預金をする個人の代表ということですね)
もう一方のヘッジファンドは金利格差の「変化」を重視するプレイヤーです。
ここ数年は双方の利害が一致し、ドル高に動いてきたのですが、最近になって金利格差重視の投資家(おばあちゃん)は円高の可能性に対する懸念をやや強めているが、金利格差はなお大きいとみている(円高って言ったって、定期預金で0.何パーセントじゃつまんないわよね~)
一方、ヘッジファンドはFRB の利上げ打ち止めと日銀の引き締め開始を見込んでいる。
そこで、両者の綱引きが始まった、というわけです。
そのため当面はイベントごとに相場は神経質な動きをするだろう、と予測しています。
この例えで思い出したのが、バブル期の一番の勝者はお金を銀行の定期預金にずっと入れていた人だ、つまり、1400兆円の個人資産の大半を銀行預金・郵便貯金に置いていた日本の庶民の投資センスは実はすごいのではないか、という話。
借金をして不動産を買った人だけでなく、期間トータルの運用結果では定期預金以上のパフォーマンスをあげる事のできた投資信託はほとんどなかったとか
(誰が言ったのかも忘れてしまったので、定期預金の期間の設定とかそもそもの分析の信憑性などについてはまったく保証できません)
たしかに、バブル期に痛手を負わなかったのは、堅実だったり、逆におっとりしていて欲のあまりない人や会社が多いような気がします。
ということなので、「金利格差重視のおばあちゃんの投資戦略」というのもあなどれないのではないかなあと。
実際「おばちゃん」世代は年金もちゃんともらえるので、貯金を当面取り崩す必要はないとすると、「元本はいざと言うときのための保険で最後は子供に相続すると考えれば為替差損リスクはそんなに意識しないで、その代わりに高い利息を小遣い代わりにしてちょっと贅沢をする」という戦略は十分成り立つわけです。
(米ドル1年定期で3.5%とすると、1000万円置いておけば税引き後でも年間30万近くになるので、孫の小遣いと月一美味しいものを食べに行くくらいはできてしまいますから。)
そのような腹の据わった長期投資のスタンスに立っているとするなら、ドル高(円安)圧力というのは相当大きいかもしれませんね。
もっとも、あまり極端な高金利志向はリスクと裏腹ということも考えておいたほうがいいと思います。ニュージーランドは高金利目当ての外貨流入が続き、経済の実態から乖離した為替レートになってしまっていると政府も嘆いているくらいです。
また、格付けを取れないような政府の国債や架空の外債投資詐欺などが出てきそうですので、おばあちゃんたちが被害に遭わないような広報・教育活動や監視も必要ですね。
曰く
「おばあちゃん対ヘッジファンド」
「おばあちゃん」というのは金利格差を重視する投資家を指しています(まあ、外貨預金をする個人の代表ということですね)
もう一方のヘッジファンドは金利格差の「変化」を重視するプレイヤーです。
ここ数年は双方の利害が一致し、ドル高に動いてきたのですが、最近になって金利格差重視の投資家(おばあちゃん)は円高の可能性に対する懸念をやや強めているが、金利格差はなお大きいとみている(円高って言ったって、定期預金で0.何パーセントじゃつまんないわよね~)
一方、ヘッジファンドはFRB の利上げ打ち止めと日銀の引き締め開始を見込んでいる。
そこで、両者の綱引きが始まった、というわけです。
そのため当面はイベントごとに相場は神経質な動きをするだろう、と予測しています。
この例えで思い出したのが、バブル期の一番の勝者はお金を銀行の定期預金にずっと入れていた人だ、つまり、1400兆円の個人資産の大半を銀行預金・郵便貯金に置いていた日本の庶民の投資センスは実はすごいのではないか、という話。
借金をして不動産を買った人だけでなく、期間トータルの運用結果では定期預金以上のパフォーマンスをあげる事のできた投資信託はほとんどなかったとか
(誰が言ったのかも忘れてしまったので、定期預金の期間の設定とかそもそもの分析の信憑性などについてはまったく保証できません)
たしかに、バブル期に痛手を負わなかったのは、堅実だったり、逆におっとりしていて欲のあまりない人や会社が多いような気がします。
ということなので、「金利格差重視のおばあちゃんの投資戦略」というのもあなどれないのではないかなあと。
実際「おばちゃん」世代は年金もちゃんともらえるので、貯金を当面取り崩す必要はないとすると、「元本はいざと言うときのための保険で最後は子供に相続すると考えれば為替差損リスクはそんなに意識しないで、その代わりに高い利息を小遣い代わりにしてちょっと贅沢をする」という戦略は十分成り立つわけです。
(米ドル1年定期で3.5%とすると、1000万円置いておけば税引き後でも年間30万近くになるので、孫の小遣いと月一美味しいものを食べに行くくらいはできてしまいますから。)
そのような腹の据わった長期投資のスタンスに立っているとするなら、ドル高(円安)圧力というのは相当大きいかもしれませんね。
もっとも、あまり極端な高金利志向はリスクと裏腹ということも考えておいたほうがいいと思います。ニュージーランドは高金利目当ての外貨流入が続き、経済の実態から乖離した為替レートになってしまっていると政府も嘆いているくらいです。
また、格付けを取れないような政府の国債や架空の外債投資詐欺などが出てきそうですので、おばあちゃんたちが被害に遭わないような広報・教育活動や監視も必要ですね。