小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

アウトリガーカヌー 父島母島間横断ボヤージング!! 前編

2019年09月02日 | アウトリガーカヌー
■2019年8月31日~9月1日にかけて、父島から母島へアウトリガーカヌーで横断するチャレンジが行われました!

これは返還50周年事業で父島にやってきた6人乗りアウトリガーカヌー「イケカイ」が、
初めて父島~母島を往復するという初の試みでした。

主催は父島の要会カヌー部です。
母島のカノー倶楽部からは5名、参加させてもらいました。

僕も往路である父島→母島にパドラーとして参加させてもらい、
妻は復路である母島→父島に参加しました♪

結論から言うと、大大大成功だったと思います(*^_^*)
大きな事故も怪我もなく、
50kmの大海原を片道7時間弱で往復できたのです。

当初は6月上旬に予定していたのですが、
荒天で9月に延期となり、今回無事に実施できたことを、本当に感謝です♪

個人的に撮った沢山の写真と動画で振り返ってみたいと思います☆
(僕が漕いでいて撮れなかった部分は頂いたものを掲載させて頂いています)


■前日
まずは出発前日にははじま丸で父島に渡ります。
とても美しいベタ凪で、明日もこうであることを祈るばかり。

2時間で行くこの航路を手漕ぎのアウトリガーカヌーは何時間かかるのか?
不安と期待が入り混じった不思議な気持ちでした。

今回、妻が出発時に渡してくれたローゼルのおにぎりと首飾り。

嬉しいお手紙が入っていました。
ありがとう。

おにぎりは夏も収穫できる葉ローゼル「ルビーローゼル」が入っています。

美味しかった♡

あと、以前カヌー大会でファミリー賞を頂いた時にもらったパドルペンダントをお守りでもらいました。


人が海を渡るときに、やはり畏敬の念を抱いて、色んな祈りをする気持ちが分かりました。
やはり自然は厳しく、強いのです。

泊めてもらったコーヒー山のプーランでの夕日。

少し離れたところの仲間に「お~い!おいでよ~!夕日が綺麗だよ~!!」と呼べること。
そんな素朴な事にも幸せを、有難みを感じていました。
夕陽を見ながら明日の無事の航海を祈ります。

ずっと母島にも練習してきたマイパドルにも祈ります。


Tシャツはデユークさんが贈ってくれた葉山のオーシャンVa'aのTSUNAGU。

父島と母島に2隻のOC6を繋げてくれたデュークさんにも報告し、明日に臨みます。

カヌーに関わっていると、本当に色んなものへの繋がりを感じます。
漕ぐ人だけでなく、見送る人、レイを編む人、食事の準備、伴奏船の準備、
この日の為に色んな調整をしてくれる人、etc...

多くの人の関わりでこうして今漕げているんだなぁと、
デュークさんの言うように、カヌーを漕いでいれば自然と人が集まり、調和するの意味を実際に感じられています。


■朝4:30 参拝
まずは扇浦にある小笠原貞頼神社に航海の成功を祈り、みんなで参拝にいきました。

今回のリーダー、イチくんの声に合わせてみんなで祈った瞬間、
なんか気のようなものが変わり、大きなみなぎる力に変わっていきました。

レストハウスに戻り、みんなで作戦会議。
今日の潮汐、風、コースをリーダーがみんなに伝えます。

リーダーのイチくんは父島でカヤックのガイドをやっており、
これまでに何度もカヤックで母島にも渡って来ている海の手練れです。


大潮の今日は島影を出たら大きく東に流される流れがある見込み。
なるべく西に行き過ぎるくらいのルートでいくつもりと言われました。


レストハウスの机の上には無数のレイが置かれています。
漕ぎ手の分、イケカイ、そして母島のベルーガの分のレイが用意されています。
僕も昨晩習って、船のレイに挑戦してみましたが、かなり難しかったです!!

前日の夜遅くまで、明日の朝父島を発つカヌーの為に、
沢山のレイを編んでくれる…
本当に素敵で、愛のこもるひと時です(*^_^*)

■朝5:00出発式
準備が整ったらいよいよ出発です。

開会式ではパドラーの奥様達が丸木舟のフラを踊ってくれました♪


アカペラでみんなで歌いながら美しい舞いを見て、
ああ、これから始まるんだなと言う実感が沸いてきました。


子ども達がイケカイにレイをかけてくれています。


こんなにみんなに見守られての航海。
大きな愛と力を感じました。


朝の5時にこんなにも見送りに集まってくれる、そんな最高のみんなが大好きです♡

そしてなんと、お浄めの雨が!しかも土砂降り!!
イケカイは進水式の時も雨を呼ぶほど、雨が好きな船の様です。

子どもが雨を全身で受け止め喜んでいます♡

そんな中、いよいよ出港です!

先発隊は、9月の葉山のカヌー大会(27kmを漕ぐ!!)に出場する強力なメンバー。
最初の難所である南島の瀬戸を超えるまで、彼らが漕ぎ手となって進みます。
本当に頼もしい!!


見送った僕らは、伴走船「アイランド・クイーン」に向けて青灯台に移動します。

今回のボヤージングは漕ぎ手が4組いて、それぞれ海上で約1時間間隔で交代しながら母島に向かうスタイルです。
ただし、リーダーのイチくんだけはずっとイケカイに乗り続けます。
とても重要なブレーンです。

青灯台ではさらにお見送りのみんなが横断幕を持って集まってくれました!


イケカイはレースに出る凄腕パドラーによって、ぐんぐんと沖へと進みます。


ふと見ると水平線に虹が!!

もうこれは歓迎されていると感じました。
幸先がいいです♪

島影は抜群のベタ凪。
朝焼けと雲が水面に映るほど美しかったです♡


出発時の土砂降りもすっかり晴れて、いいコンディションです。
今の所、すべてが順調に進んでいます。



伴走船上は快適過ぎる状態(笑)。

朝が早かったので、それぞれ朝食を取ったり、話したりでまったりしていました。
トイレや温水シャワー、お湯もキッチンもあるので、かなり楽をさせてもらっています♡


■6:30南島 南
当初から難所と言われていた南島の南にある流れの強い個所に到着です。

さっきまでのベタ凪とは打って変わって、大きなうねりと波が待ち受けていました。


果敢に漕いで進む凄腕パドラー達。

正面にはっきりと母島が見えます。

が、どんどん東に流されているのが分かります。
母島の属島である向島も見えなくなるほど、大きく東に流されています。
ステアのイチくんはずっと西に向けて舵を取ろうとしますが、なかなか難しい状況でした。


しかしパドラーは少しもめげることなく、漕いでいます。
うねりで船内に水が入っているので、ひとりは水を出しながら進んでいきます。


見ている方も大揺れで船酔いする人もチラホラ発生。
どんどん東に流されるカヌーを見てハラハラしました!


しかし、凄腕パドラー達はひるむことなく突き進みます!

あとで流れの強いここを乗り越えて交代した後に聞くと、
最高にテンションが上がっていて、もっともっと漕ぎたかった!とみんなが笑顔言っているのに驚きました!
さすが過ぎます!!

漕いでいて、流れる位置は明確に海水温が下がっていて、
抜けた瞬間に分かったそうです。
そんな場面ではまた虹が祝福してくれました!



少しずつ父島を離れて行きます。
石器時代の先祖もこうして海を渡っていたのでしょうか?



■7:30南島南の流れる海域通過

さて、南島南の流れる海域を超えて、少し海が穏やかになって来ました。
1回目のパドラー交代です。


まず3名がイケカイの進行方向の海上で待機します。

浮かんでいる3名が近づいたら、乗っている1,3,5番手が下ります。

そして交代、
またその後に2,4番手の2名が交代します。


そんな交代を1時間おきにしていきました。


沖で浮かぶことに不安のある方はライフジャケットを着たりしています。
今回、初めての人もいたのですが、みんなスムーズにウォーターチェンジが出来ていました。


漕いでくるとみんないい顔をしています♪
父島もどんどん離れていきます。
人力で海を渡る凄さをまざまざと感じさせられます。


朝日だったお日様もようやく高くなってきて、海の青が綺麗になって来ました(*^_^*)


みんなほんとにカッコいい!!



■9:00中間 ベタ凪
ようやくベタ凪なエリアに到着。
船のレーダーを見るとここら辺の様です。


ここでついに母島勢の出番になってきました!


海に入る前はソワソワします(笑)。

準備をしながら、いざ入るとやっぱり最高に気持ちがいい!!

母島が前方に見えます。
なんだか嬉しい。

この時、いつも近くに島影が見えるエリアばかりを漕いでいたけれど、
一番の沖で、しかもベタ凪の世界を漕いでみると、
パドルを漕ぐ音だけが静かに響く、
あまりにも美しい静寂の時間でした♪

伴奏船は遥かかなたに離れ、ここぞとばかりにみんなが飛び込んでいます。
海に出て、こんなに凪ならば、泳がない選択肢はあり得ないでしょう(笑)。

今回の往復で唯一と言っても過言ではないほどの、圧倒的な凪のエリアを漕がせてもらい、感謝です(*^_^*)

1時間ガッツリ漕いで、心地よい疲労感に包まれながら、伴走船に戻ります。

あ~やっぱりカヌーを漕ぐのは最高です!!

船にはみんなの色んな多様なパドルが置かれています。


また、光り輝く海を漕ぐ雄姿が本当に美しくて、うっとりしちゃいます♡


カヌーもほんとに美しい…


ここを超えるといよいよ最大の難所と言われる、母島北端付近の流れの強い海域「わんとね」に突入します。



■10:45わんとね
「わんとね」は昔から父島母島横断の最大の難所と言われてきました。
ここでまた強力なパドラーが揃う先発隊に交代します。

伴走船はわんとねの急流を避ける為に西に大きく進路を変えました。

イケカイからはかなり離れていきます。
10年前の大きな島カヌーでの渡りの際には2時間かかったそうですが、
今回はなんと1時間超で難所ワントネをクリアしました。
圧巻でした。


■11:35鬼岩
そして、いよいよ母島入港までの最後のクルーとなりました。
要会の計らいで、母島に着くときは母島メンバーをメインにしてくれました。


僕は今回は1番手を務めたのですが、船首の先に母島がある景色がこんなにも嬉しく思うとは!!

先日の父母横断で父島の友人が撮ってくれた大好きな写真です。
先頭は僕が漕いでいます。

圧倒的なボニン・ブルー。
母島の濃い緑の山々。

場所は母島のサワラ根の近くです。

ようやく荒れに荒れたわんとねを超えて、島影に入って母島クルーに乗り換えた後の写真です。

島影のない沖から来ると、
大きな島が、
陸があるということが、
なんとホッさせるのかを教えてくれます♡

島影の横を漕いでみて、イケカイの速さを再確認しました。

漕ぐこと1時間、ようやく沖港が見えてきました。

こちらは鮫が先展望台から撮ってくれた友人に頂いた写真です。
中央右寄りに小さなカヌーが見えます。


堤防の上や展望台には多くのお迎えの人達が!!
本当にありがとうございます!!


ようやく、いつもの乳房山の谷の景色に帰って来れました♪
素直に嬉しいです!



■13:10母島到着
そしていよいよ母島の脇浜に到着です!!

次女が大きな声で「パパ、お帰り~!!」
と灯台で叫んでくれて、嬉しかったです♪
ありがとう!!

多くの子ども達が泳いでいる中を脇浜に向けて進みます。

子供「あれ?カヌー新しくなったの?」
僕「いや、これ父島から漕いできたんだよ」
子供「マジでっ!?すげぇ!!」

なんて話しながら(笑)、脇浜に無事到着しました!!


母島のみんなが、
漕ぎ手の分のレイを用意して待ってくれていて、
無事にたどり着く事が出来て、
本当に嬉しかったです!

ホントに有難うございました!!

ひとまず、今回の記事はこれまで!

次回につづく


コメントを投稿