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最高のホエールウォッチング 【カナダ旅行記②】

2018年08月20日 | 旅行記 カナダ
■初めて観る事が出来たシャチに感動したことは言うまでもないのですが、
更に感動したのは、
ジョンストン海峡のホエールウォッチングのレベルの高さ、
参加したツアーの素晴らしさでした。

海の生き物に対する姿勢、アプローチ、操船の仕方、魅せ方、
そして離れる引き方、
どれも野生動物と自然に対して敬意を払う超一流のものでした♪

いたずらに追いかけ回すわけでもないし、
接近する時も自主ルールである200m以内はエンジンオフ、
クジラを囲うことなく、
クジラの進行方向、そして背後にはアプローチせず、
群れに接近するときは直角ではなく、
ゆっくりと斜めから接近するアプローチ。

テレグラフ・コーブもアラート・ベイも
ボートでホエール・ウオッチングを行うのは1社のみで、
競い合って接近するなど皆無の世界。
(トフィーノでは複数の業者がツアーを実施していました)

そしてそのどちらも情報は常にシェアし、
隠し事はしないフェアな関係とのことでした。

話を聞いて、参加してみて色んな意味のプロフェッショナルを感じた、
最高のホエールウォッチングでした♪



■同じバンクーバー島とカナダ本土付近の海域を舞台にしている、
大都市でもあるビクトリアでは(ピージェット湾が舞台だそうです)、
やはり船同士の競争や自主ルールの守れない場面があり、
オルカ達もナーバスになっていると聞きました。
(そうではない紳士的なボートも多いそうです!経験者情報!)

以前、父島で何度もそんな場面に遭遇し、
それ以来はボートでクジラに接近するツアーにあまり参加しなくなった僕にとって
今回のウォッチングは久々に嬉しい野生動物と自然のツアーでした♪

この冬、妻が見てきた
座間味のホエールウオッチングもまさにそのような感じだったらしく、
僕もいつか座間味のツアーに参加してみたいと思っています。



■最初にホエールウォッチングツアーに参加したのは、
バンクーバー島で古くからネイチャーガイドが始まった歴史のあるトフィーノのツアーでした。

利用したショップは[AQUATIC SAFARIS」。
30人乗り程度のボートでした。

その日はジョンストン海峡と違い、
外海に出るツアーでしたし、海況もさほど良くありませんでした。

しかし、コククジラを初めて見ることができました♪

ツアー自体はさほど酷いアプローチでもなく、
とても好感のもてるショップでした。

トフィーノは観光リゾート地で、
ツアーも複数の会社が行っていました。

私たちが参加したショップは女性の気のいい船長さん。

見つかったザトウやコククジラが船に囲まれつつある場面はありつつも、
距離感も特に問題なかったと思います。


■とても気に入ったツアーは
素晴らしい港町のテレグラフコーブにあるウォッチングツアーでした。

テレグラフ・コーブはとてもおしゃれな港町。
木でできた浮桟橋に沢山の船が並んでいます。


そこでホエールウォッチングを敢行しているSTUBBS ISLAND。

とてもクールなベテランの船長で操船も気配りも魅せ方も一流でした♪

乗ったボートは30人乗り程度の大きさのものでした。

直接の鯨類を見る以上に、
ガイドでもないのに何故かそれに関わる人達のアプローチや雰囲気が気になる僕と妻(笑)。

ナイスミドルな船長による乗る前の安全確認などの説明がありました。


ガイドは若い女性で、
ツアーの最初に船に乗る前に陸で様々な解説がありました。

ほんと色んな鯨類を見る事が出来るんですね~!

実際に私達はオルカ、ザトウクジラ、イシイルカ、アザラシを見る事が出来ました!


ツアーの最後には海生哺乳類を捕食する回遊型オルカと
主にシャケを主食とする定住型のオルカ体内の蓄積する有害物質の差の説明など、
環境教育も積極的でとても面白かったです♪
(もちろん英語が得意でもないので、基本ちんぷんかんぷんですw)


こうした環境教育というものが実践されているレベルの高さを垣間見た気がします。

僕があまりに魅せ方と引き際が素晴らしく感動したので、
船首からキャプテンに向かってナイス!のポーズをしたら、
素敵な笑みを浮かべて、親指でOKのポーズを返してくれました。

超カッコいい!!

■バンクーバー島から船で45分ほどの離れた小島コーモラント島にあるアラート・ベイ。
ここはかつて、インディアンのクルクル族が住み、トーテムポールが築かれた島。
今は漁業を主に暮らしています。

そこで唯一のホエールウォッチングをしているショップ、Seasmoke。

ビジターセンターの気のいいインディアンの女性に紹介され、訪れました。

とても気さくで経験豊富、意識の高い
私たちはそこのショップの奥さんに沢山の説明を頂きました♪
※主に長女の英語通訳で話をしております(笑)。

冒頭で書いてきたような、
ジョンストン海峡でのホエールウォッチングの話。

とても丁寧に、そして自然に対して敬意を持った意識に感動しました。

話を聞いて、翌日のツアーに参加することを決めました♪

鯨類に対する音の影響も最大限考慮したエンジン、
10人乗り程度の小さなボート。

操船するのは気のいいなまり英語のナイス・ガイ、ジョン。

とても丁寧なアプローチと楽しい話術の雰囲気で、
素敵なツアーをしてくれました♪


このツアーに参加した時に着せてもらったツナギ。
浮きにもなるし、防寒、防水のスペシャル。

とても暖かく、モコモコなのに動ける代物でした♪

帰国してから知った事ですが、
これは「ムスタング」というツナギで、
北海道で海鳥調査している方によると、
アメリカ人と共同調査した際に向こうが持ってきたほどのものだそうで、
「救命ベストは命は助けない!これがないと助からない!」とのこと。

この上等なツナギをこのショップは子供から大人まで揃えていて、
船は少数だし、
船を新しくする際にエンジンを極力音の小さいものに変えるし、
素晴らしいなと思いました(*^_^*)
多くのショップは船を大型化、規模の拡大を図るものです。
それなのに、ここは鯨類に対しても、
環境に対しても、
参加する人間に対しても見事なバランスで対応していると感じました。


バンクーバー島でのホエール・ウォッチングツアーの代金はほとんどが3時間で100ドル(約1万円)程度。
小笠原のツアーは1日(6~7時間)で1万ちょい。

僕はカナダのガイドの様な質であれば高いと感じなかったので、
小笠原の価格や運行時間などは考える予知があるかもですね。

安ければ、長ければいいものではないと思っています。

■自然というものは人が搾取し自由にしていいものではなく、
大自然にお邪魔しているという、
自然に対して畏敬の念を忘れないツアーに、
遠く離れたカナダで出逢えてとても嬉しかったです♪

僕自身、
母島で観光ではなく野生動物に関わる保全の仕事をしているので、
これからこの学んだことを更に生かして行ければと思います☆

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