小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

ありがとう!さるびあ丸!!

2024年06月01日 | 母島 船舶
■さあさあ、今回は初めて乗る船で小笠原へ帰るという、
ドキドキワクワクの機会に恵まれました♪

そう、今回はいつもの定期船「おがさわら丸」がドック(船舶検査)期間の為に、約3週間お休みとなり、その代打を務めてくれている東海汽船の「さるびあ丸」に初めて乗船することになりました!!
小笠原に移住して22年。
東京から小笠原へ渡るときは、ほとんどが「おがさわら丸」でした。
※何度か貨物船「第二十八 共勝丸」に乗って渡ったこともあります☆(現在は一般客は乗せていません)

今回は運良く、議員の内地出張の戻りが初めての「さるびあ丸」という事で、
とても楽しみにしておりました!

いつものおがさわら丸とは勝手が違い、とても新鮮だった「さるびあ丸」。
勝手ながらにレポートしちゃいます(#^.^#)


■そんな、さるびあ丸。
いつもは伊豆諸島の主に東京~大島〜利島〜新島〜式根島〜神津島航路を運航しています。
また夏が東京湾納涼船としても運航しているそうです。

おがさわら丸よりはコンパクトですが、2020年就航の新しい船で、
様々なアイディアが詰まった船となっています。

おがさわら丸が東京と父島を24時間で結ぶのに対し、
さるびあ丸は東京と父島を29時間で結ぶので、出港と到着時間が違います。
そこも何だか新鮮でした(#^.^#)

伊豆諸島の皆さんからすると、普段夜に東京を出港するさるびあ丸が
昼間の朝10時に竹芝を出港するのは新鮮かもしれません☆
これは東京滞在時にさるびあ丸を見送りに行く機会があり、撮ったものです。
みんな夕飯を食べて、飲んでから乗り込み、翌朝には着くスタイルです♪

ちょっとおがさわら丸と比較してみると、

●さるびあ丸(3代目)
2020年就航
総トン数:6,099t
全長:118m
全幅:17m
航海速力:20ノット(約38km/h)
旅客定員:近海区域 693人、沿海区域(御蔵島まで)1,343人

●おがさわら丸(3代目)
2016年就航
総トン数:11,035t
全長:150m
全幅:20.4m
航海速力:23.8ノット(約44km/h)
乗客定員:894名

こう思うと、おがさわら丸って大きい方なんだなと感じます。
そんなおが丸がドック中の間に代打として、
年に一度、小笠原航路へ応援に来てくれています。
その為の近海資格を持っていて、それ用の救命装備などを備えているみたいです。
ちなみに伊豆諸島を空ける間は、高速船の増便などでフォローしてもらっています。どうもありがとうございます!


■さてさて、初めての船で1日以上船に乗るなんて、
なんだか外国に行くみたいでワクワクしちゃいます♪

おがじろうに見送られながらの乗船です☆

普段のおがさわら丸と違い、飛行機みたいに高い位置からの乗船!
新鮮でした!

今回、僕は特2等の席にお邪魔しました。
おがさわら丸よりもマットが分厚くて、実は快適でした♡
ベッドサイドには貴重品ロッカーもあり、なかなか便利に思えました。

そしておが丸にはない、たばこの自販機!
こちらは需要があるという事でしょうか?

おが丸同様の冷蔵のコインロッカーもありました。

自販機コーナーも2フロアに分かれてありました。
お酒は免許証を差し込まないと買えない仕組みの自販機でした。
免許を持っていない大人は、なかなかお酒は買いにくいようです。

そして驚いたのが、電子レンジの表示!
なんと自販機の物を温めるのみで、監視カメラまでしっかりついていました。
これは自由に使えるおがさわら丸とは明らかに違う部分。
何か理由があるのでしょうか?

慣れない船内なので迷子になっちゃいます(笑)。
そんなのも何だか楽しい♡


■東京湾のレインボーブリッジをくぐるのも、
おが丸じゃないのが不思議な感覚です。
なんでも新鮮っていいもんです(#^.^#)
それだけで小笠原の島民は大興奮♪

船の後部デッキの舞台みたいな場所が、
おがさわら丸にはない部分です。
しっかりみんなの宴会の場と化しておりました(#^.^#)
そう思うと、丸1日乗る仕様のおがさわら丸と、
夜乗って朝着く仕様のさるびあ丸の違いが興味深いです♪

■今回、一番驚いたのがスターリンク衛星による、船内Wifiです。
僕は割と早起きタイプで朝2時からさるびあ丸の船内のレストランで、
普通にインターネットが使えています。
試験的に行っているという、スターリンク衛星を使った広域Wifi通信の実証試験です。

結局、父島に着くまでずっと
Youtubeも普通に見れるし、ネット閲覧もスムーズにできています。
素直にすごいと思います。

これを小笠原航路に導入してほしい!という声を船内でも頂いています。
また一方、せっかく電波の届かない時間を過ごせているのだから、世界にも稀なデジタルデトックスの場としても、維持してほしいという声もあります。

確かに小笠原航路ほど公共交通の中で乗客がスマホに釘付けではない空間はないかも知れません(#^.^#)
24年前、初めて小笠原に来た時、携帯が通話しかできなくて、
電波から解放された!と喜んでいた人がいた小笠原。

そこも今は光ファイバーが繋がり、高速でネット通信が使えるようになりました。
インターネットの物資の量が10倍に跳ね上がり、島の暮らしはとっても便利になりました。

スマホの普及もそうですが、
便利になったときに、同時に失っていくものがあります。

山小屋の仕事をしている方も、
Wifiを導入したら、登山同士の会話や宴会が激減したと嘆いていました。
時代の流れとして、仕方がないものとも言えますが、
どのような方向にしていきたいか、
どのように暮らしていきたいかは、
自分たちで選んでいける部分とも思います。

議員としては導入を希望かな?
個人としては船内は電波なしが好きかな(^^♪
正直、迷ってます。
皆さんはどっちがいいですか?


■そんな便利と不便のもたらす恩恵を考えながら、
おがさわら丸よりゆっくりと長い船旅が続きます。

小笠原の人は特にある傾向らしいのですが、
長い船旅は揺れさえしなければ、全然苦ではないというハナシです(#^.^#)
最近僕は24時間ですら短いと思えてしまい、
なかなか他の島の方には理解されないでいます(笑)。

色んな人と話しながら船旅を楽しむって、
実はすごい贅沢な時間なのかもしれません(#^.^#)

さてさて、乗る前から気になっていたのが、
さるびあ丸のレストラン。
食券を買う式のもので、
おがさわら丸と違い、朝も昼も夜も同じメニューです(#^.^#)

これは普段の航路が半日以下なので、当然と言えば当然ですね。
僕はシラス丼やジャンボエビフライカレー、
神津島のお酒、盛若を楽しみました♪

料理の写真を撮り忘れてしまったのですが、
レストランの窓が大きくて、
ベタ凪の海を眺めながら、みんなと色んな濃い話ができて楽しかったです!
やっぱ船旅は最高です♪
船内の部屋も1等が雑魚寝で、特2等がベッドで、
なんだか不思議な感覚でした☆

シャワーもコイン制のものですが、
小笠原航路では無料で使えました(#^.^#)

さるびあ丸の至る所で見かけるこのマーク。
これは東海汽船130周年記念ロゴなのだそうです。
デザインは美術家の野老朝雄さん。
船にとって必要不可欠であるロープの「結び目」を表現しているそうです。

船の速さを表す単位の「KNOT(ノット)」 という言葉には、
「結ぶ」という意味もあり、
この「結び目ロゴ」は島と本土を結ぶ船会社である東海汽船、
そして船舶にとって、とても意味深いデザインになっているそうです。

普段は赤いのが多いバルバスボウ。
さるびあ丸はライトブルーでした。

なんだかこれが小笠原の海の色に映えていて、
とても印象深かったです♪

印象的なファンネルマークもいい感じですね(#^.^#)

おがさわら丸にもありますが、船首にある旗もカッコいいです!


■夕陽を眺めながら、怒涛の様に巡った内地での日々を思い出していました。
また別の機会に記事に書こうとは思いますが、
去年のドック期間の時には島に食料品が足りないという大問題が発生し、
その調整を1年かけてやってきました。
今回、芝浦でさるびあ丸に載せる冷蔵品の積み込みも拝見させてもらい、
無事にその後島でなんの問題もなく終わって、
心底ホッとしたのをしっかりと胸に刻んでいます。

パッションフルールの最盛期、
ベタ凪で魚が釣れる絶好の時期、
この農業と漁業の物資の問題がこの5月ドック期間の大きな問題のままですが、
現時点ではできる限りのベストは尽くせたとは思っています。


■本土から1000㎞も離れて暮らす私達小笠原諸島の人々。
物価は高いし、色々大変ではありますが、
本当に沢山の方々の支えがあって、
随分と便利な暮らしをさせてもらっていると思います。

本当にありがとうございます!
便利にを求めると、キリがないとは思いますが、
なるべく今あるものに感謝の気持ちを忘れずに、
支えてくれている人々の心を忘れずに、
足るを知る気持ちで謙虚に生きていければと思います。

■さるびあ丸で朝を迎えても、聟島は昼まで見えて来ません(#^.^#)
そんなゆっくり感も愛おしい船旅♪
カツオドリが小笠原の海域にいることを教えてくれます。

少しずつ島影が見えてくると、
ようやく帰って来たんだなぁと実感がわきます。
約2週間ちょいぶりに帰ってきました♡


父島の二見港に近づくと、
何だか見慣れないサイズのヨットらしきものが。

ヨットもカッコいいですね!
乗っている方々が手を振ってくれていました(#^.^#)


■さるびあ丸が15時に父島に着いてからは、
今度は「ははじま丸」に乗り換えて、母島に向かいます。
このアングルを父島の二見港で眺めるのも年に2日間しかありません(#^.^#)

このちょい夕方の父島出港もレアなもんです☆
どうもありがとう!さるびあ丸!!

なかなか斬新でカッコいいデザインです♪


夕方のははじま丸がようやく母島の近くに帰ってきました!
オナガミズナギドリを多く見かけると、母島の近くに帰って来た気がするのです。

いつもであれば、島に着いてすぐ入港作業で夜まで仕事なのですが、
18時入港なので、荷物作業は翌朝という事で、
ゆっくり家に帰ることが出来て嬉しかったです(#^.^#)
母島に帰ってからは、例によって怒涛の日々を送っています。
今は6月の議会に向けての準備、調整もいっぱいですし、
しっかりと現金収入の仕事も頑張らなければ、
家族を養っていけません☆

議員になって1年。
まだまだヒヨッコですが、1年やってみて見えてきたものもあります。
なかなか面白い仕事なので、色んな人がぜひやってみてほしいと思います☆

さあ6月議会も頑張るぞ~~!!

最後におまけの夜の橘丸です。
黄色い個性的なカラーがカッチョイイです!