現在、信じられないくらい難解な歴史的な書物の英語を解読、校閲しながら日本語に訳しているのだが、古い英語表現や複雑な構文がふんだんに使われているため、思うように理解できず、日々苦しい思いをしている。
今日のGetUpEnglishはその一部を紹介する。
If, then, there is a culture we might acquire whereby the beautiful may be apprehended as such and help restore to us the fine instinctive perception of and worship for the beautiful which should be our universal birthright instead of the distorted ideas, the materialistic perversions of which we are victims, we assuredly want to know what it is and just how it may be had. Nothing at this moment can be of greater importance to us educationally. For the laws of the beautiful are immutable as those of elementary physics. No work sifted by them and found wanting can be a work of art.
われわれが身につけることのできる文化があり、この文化によって美しいものがありのままに理解され、歪んだ概念や物質主義的な曲解などではなく、本来ならばわれわれ全員の普遍的権利である美に対する繊細で本能的な感覚と崇拝を取り戻すのに役立つとすれば、われわれは確かにそれが何であり、どうすれば手に入れられるか知りたいと強く思うだろう。現在、われわれにとって教育的にこれ以上に重要なことはない。なぜなら、美の法則は基礎物理学の法則と同じく不変だからだ。基礎物理学の法則によって精査されて不十分とされる作品は、芸術作品になり得ない。
英語の構文が取れないというようなことは英日翻訳、日英翻訳をある程度刊行してからは経験したことがなかったが、それはわたしが本当に難解な英語に触れてこなかったからだと思い知らされている。
確かにHenry Jamesなどの英語を読んでまったく理解できないことはあったし、ただそれ以上の理解と努力を試みなかっただけだ。
歴史的な書物なので紙の文献があるだけで、電子データはないし、誤記、誤植と思われるものも少なくない。だが、昔は誰もが紙の本を校正し、日本語にしていたのだ。
いい機会なので、毎日少しずつでも訳し、英文、訳文、どちらも来年早いうちに何らかの形でお目にかけたい。
the materialistic perversionsとあるが、このperversion(「意味などの]曲解, こじつけ)の用例をいくつか紹介する。
○Practical Example
"The artist's work was criticized as a perversion of traditional styles."
「その芸術家の作品は、伝統的な様式の曲解として批判された」
"He viewed the current political climate as a perversion of democratic principles."
「彼は現在の政治状況を民主主義の原則の歪みと見なした」