to coin a phrase は、「(私の)独創的な言い方をすれば」
実際には決まり文句などを使うときに用いることが多い。
今日のGetUpEnglishはこの表現を学習する。
○Practical Example
It takes all sorts to make a world, to coin a phrase.
「わたしに言わせると、世界を作るにはあらゆるものが必要だ」
●Extra Example
必ずしも決まり文句を伴わずに使われることもある。以下、訳了した本に以下の表現があった。
◎Extra Example
Margaret Dalivalle declined a face-to-face meeting, but we exchanged many emails. She wore her learning a little heavily, to coin a phrase, and was defensive about what she had discovered, which, she said, would be published for the first time in a forthcoming, longdelayed peer-reviewed book.
「直接会って話すことは断られたものの、マーガレット・ダリヴァレとは何度もメールをやり取りした。学問で少し身をすり減らしてしまっていたし、思うに自分の発見を守ろうとしていたようで、彼女が言うには、発見したことを本にしようとしていて、遅れに遅れたものの、査読もすんでようやく出版されるとのことだった」
pompは「はなやかさ、華麗、壮観」。
今日のGetUpEnglishはこの語を学習する。
○Practical Example
The King's wedding was celebrated with great pomp and splendor.
「国王の結婚式は盛大に挙行された」
●Extra Point
pomp and circumstance(ものものしい儀式や行進、儀式張った行事)という言い方も覚えておこう。
◎Extra Example
I'm not going to the ceremony. I hate pomp and circumstance.
「式典には行かないつもりだ。儀式張ったことは大嫌いだ」
give someone the cold shoulderで、「(ほとんど相手にせず)冷たい態度をとる」。このshoulderは「(牛肉などの)肩肉(=前足の付け根の部分)」。E-Dicによると、
cold shoulderとは「冷たくなった肩肉」である。昔、だいじな客には豪華なごちそうを、行商人や物乞いには「冷たい肩肉」を出す習慣があったところから、「冷たい態度をとる」の意でgive someone the cold shoulderというようになった。ただし、そうした由来を知らない一般のアメリカ人は、ふつう、「冷たい態度をとる」ときに示す「ぷいと一方の肩を向ける」動作からきたと理解している。一般に日常会話でgive someone the cold shoulderというと、そうした冷たい動作自体をさしているとも考えられるし、動作を伴わず、たんに比喩的に「冷たい態度をとる」の意味で使っているとも考えられる。
本日のGetUpEnglishはこの表現を学習する。
○Practical Example
I've tried to become friendly with Tay, but she's always giving me the cold shoulder.
「テイと親しくなろうとしてみたが、いつも相手になろうとせず冷たい態度をとるんだ」
●Extra Point
Asahi Weekly January 26号のSay It Right(和田明郎記者)にこの例文がある。
◎Extra Example
I met a girl who is my type at the matchmaking party. I struck up a conversation with her, but she gave me the cold shoulder. She seemed to have a thing for another guy.
「合コンでタイプの女の子を見つけた。話しかけてみたが、冷たくあしらわせた。どうやら別の男に気があるようだ」
動詞unravelは他動詞では「(もつれた糸・編んだ[織った]ものなどを)解く、ほぐす、解明する」であるが、自動詞としても「ほぐれる、解明される、明らかになる」の意味で使われる。
今日のGetUpEnglishはこの語を学習する。
〇Practical Example
Ukyo and Kaburagi finally unraveled the mystery surrounding the incident.
「右京と冠城はついに事件の謎を解明した」
●Practical Example
自動詞としての使い方が意外にむずかしい。
◎Extra Example
Each circle strengthens the others, until the whole is hard to unravel.
「それぞれの社会がほかの社会を強化しないと、全体がほぐれるのはむずかしい」
☆Extra Extra Point
「計画がほころびはじめる」の意味でも使われる。
★Extra Extra Example
After three years, their partnership began to unravel.
「3年後、彼らの提携はほころび出した」
begin to...は昨日のGetUpEnglish参照。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/b7694e33e9a2e5bab0f629b365e9545c
start to...とbegin to...は「…しはじめる」であり、英日翻訳でも基本的にそのように処理すればよいが、時どき違う言い方をしたいこともある。
今日のGetUpEnglishはその言い方と訳例ををまとめてみた。
My daughter had a close shave at her school yesterday. The boy sitting next to her came down with food poisoning just before she started to eat school lunch.
「娘は昨日学校で危なかった。給食を食べようとした直前に、隣の男の子食中毒にかかったの」
close shaveはclose callと同じで「間一髪の脱出[回避]」
"We started to harbor doubts about him because of his unnatural behavior."
「挙動不審だったので、我々は彼を疑い出した」
"She was taking the mickey out of the guy, whom she kept referring to as “salary bum.”
"I started to join in."
「彼女はあの男を「給料泥棒」といってバカにしていた」
「ぼくもそれに同調した」
"If I work in my office only, then only my colleagues know about me, my abilities, and my skills. However, if I travel around the country or overseas, then other people will also begin to recognize my talents. This might mean that new career opportunities become available to me, and I might get head-hunted."
"Exactly. You can raise your profile."
「自分のオフィスだけで働いていると、同僚しか私の能力やスキルについて知る機会がない。だが、国内や海外に出張すればほかの人にも私の才能に気づいてもらえるようにもなる。したがって新しい仕事のチャンスが巡ってくるかもしれないし、ヘッドハンティングされるかもしれない」
「確かに、君は注目度を高められる」
急いで付け足したいが、あくまで状況によって訳しわけるということ。そのためには英文を大量に読むしかない。
not begin to...の言い方もあわせて覚えておこう。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/8243c9e2e642f6a57e8e67c4afb465ac
管理人は英日翻訳だけでなく、日英翻訳、さらには英語で直接ノベライズを含めて書き下ろす仕事もたくさんしているが、日本語の基本的な言い方をどう英語にするか悩むことはよくある。
たとえば、「悲しくて…を胸に抱きしめる」といった言い方はどうすればよいか?
本日のGetUpEnglishはこの言い方を考えてみよう。
○Practical Example
Uche clutched the photograph to her breast and sobbed.
「ウチェは写真を胸に押し当てむせび泣いた」
●Extra Point
もう一例。
◎Extra Example
Yuta rushed to his mother, who clutched him to her tightly.
「悠太が母に駆け寄ると、母はその子をしっかりと抱き締めた」
今日も更新が大幅に遅れて申し訳ございません。管理人は本業があり、週末に翻訳をするので土日の更新が遅れてしまうことがありますが、必ず毎日更新しますので、どうかGetUpEnglishを今後ともよろしくお願いします。
21匹のネコがさっくり教える アート史
https://www.youtube.com/watch?v=yxTF_8ihlgc
古代エジプト美術から現代アートまで。各時代のエポックメイキングなスタイルを取り入れた21匹のネコのイラストと解説で「さっくり」だけれどしっかりアート史がわかります。
ながめてうっとり、読んで納得、アート好き、ネコ好きにはたまらない一冊です! プレゼントにもぴったりです。
http://subarusya1.com/online/2019/06/17/postcard/
書籍詳細はこちら
http://www.subarusya.jp/book/b453986.html
『21匹のネコがさっくり教えるアート史』(ニア・グールド、上杉 隼人訳)、
にゃんと本日2019年9月22日の読売新聞の書評欄で宮部みゆきさん(大好きな作家!)にご紹介いただいたにゃ!
感涙ニャン!
https://www.bookbang.jp/review/article/587131
今日のGetUpEnglishも最近訳し終えた本にある表現から紹介する。
この本には美術の歴史も膨大に盛り込まれており、かなり昔の文献からの引用もあるので、慎重に訳さないといけない。
The value that is set on paintings depends not only on the name of the Master and the time of his age he drew them in, but likewise in a great measure on the scarcity of his works, and what is still more unreasonable, the quality of the persons, in whose possession they are, as well as the lengths of time they have been in great families; and if the Cartoons now at Hampton Court were done by a less famous hand than that of Raphael, and had a private person for their owner, who would be forced to sell them, they would never yield the tenth part of the money which with all their gross faults they are now esteemed to be worth.1
絵画の価値が何によって決まるかと言えば、オールドマスターの名前と、その絵は画家の何歳のときの作品であるかといったことだけではない。その大画家の作品がどれだけ希少であるかということに加えて、もっと不公平なことになるだろうが、所有者たちの社会的地位や、どんな人たちが所有していたかとか、どれだけの期間裕福な家に置かれていたとか、そういったことが大きな判断材料になることも多いのだ。もしハンプトンコートにあるその実物大の下絵がラファエロではなく、もっと名のない者の手によるもので、それもどこかの個人所有物で、その所有者が売りに出さざるを得なくなったとすれば、絵の傷も全部加味されて、現在の見積額の十分の一にもならないだろう。
in a great measureはこの場合は「もっと大きな基準、測定基準(measure)」とらえればよい。
what is still more unreasonableのunreasonableは「非合理」だが、この場合はOxford Advanced Learner’s Dictionaryにあるnot fairの定義と、次の用例から判断して訳語を充てるといいかもしれない。
● The fees they charge are not unreasonable.
they would never yield the tenth part of the moneyの動詞yieldは「(利益などを)もたらす、 …の利益を生む」の意味で使われている。
この意味の名詞とあわせて覚えておこう。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/be6094e1538a4adae90a0dc8d5dc3118
この英文は、Bernard de Mandeville, The Fable of the Bees, London, 1795からの引用だ。全編このくらいの難易度の英文で書かれているので翻訳は苦労したが、翻訳者にとってありがたいのは訳せば訳すほど知識も経験も積めることだ。幸いなことに、管理者がお付き合いさせていただいている編集者のみなさんはとてもすばらしい方ばかりなので(この本の編集者も美術に大変強い関心があって心強い)、安心して仕事に取り組める。
こちらの本は現在世界でもっとも話題な絵についてあらゆる方向から書かれたもので、大変読み応えがある。
春ごろには刊行したい。
out in the coldは「外の寒さの中で、寒いところで」であるが、leave someone out in the coldの形で「のけ者[仲間外れ]にされて、冷や飯を食わされて、帳(かや)の外で」の意味でよく使われる。
今日はこの表現を学習する。
○Practical Example
Take can't hit well, so when the kids play ball, they often leave him out in the cold.
「タケはバッティングがよくないから、野球をすると子どもたちから仲間外れにされることがよくある」
●Extra Point
Asahi Weekly January 26のSay it Rightのコーナー(和田明郎記者)にこの例文がある。
◎Extra Example
I had bad chemistry with Mr. Yamada. When he was the general affairs manager, I was left out in the cold for three years and never got promoted.
「わたしと山田さんは相性が悪かったです。彼が総務長だった時、3年間干されてしまい、昇給もまったくありませんでした」
change one’s tuneは「がらりと意見[態度]を変える」で、10年以上前にGetUpEnglishで学習した。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/50d1c2922645f4a3701efede31aa6ca0
これと同様の意味で使われる言い方に、sing a different [another] songなどがある。
今日のGetUpEnglishはこの表現を学習する。
○Practical Example
"My wife was angry at my wanting to become a novelist Now that I am a success, she's singing a different song."
"Good for you, Sasaki-san."
「ぼくが小説家をめざしていることを妻は快く思っていなかった。ぼくが成功した今、妻の態度はがらりと変わった」
「やったじゃん、笹木さん」
●Extra Point
見出し語に書いたように、いくつか異なるバージョンがあるので注意しよう。そして状況によっては次のような日本語にしてもよい。
◎Extra Example
People laughed at Shinnosuke's dream of being a football player. Soon they began to sing another song.
「サッカー選手になりたいという信之助の夢を人々は嘲笑した。やがて彼らは態度を180度変えた」
invidiousは「(言動などが)しゃくに触る、いまいましい、いやな」
今日のGetUpEnglishはこの語を学習する。
○Practical Example
It would be invidious to associate normally with those who mistreated me.
「ひどいことをされた人たちと普通に付き合うのは気持ちよくないかも」
●Extra Point
もう一例。
◎Extra Example
He had one further invidious task: ‘I was the one who always got sent down to the front counter to tell people that their van Dyck was really not what they thought it was, and thank you for coming.’
「もうひとつ嫌な仕事もこなさなければなかった。「いつも正面カウンターに突き出されて来てくれた人たちに『お持ちのものはヴァン・ダイクの絵と思われているかもしれませんが、そうではありません。ご足労いただき、ありがとうございます』というようなことを言わなければなりませんでした」
drawing powerは「客を呼ぶ力、関心を引き起こす力、集客力」。
今日のGetUpEnglshはこの語を学習する。
〇Practical Example
The translator is quite popular among us. His drawing power is enormous, and a full house is the norm at all his talk shows in each bookstore.
「あの翻訳者はわたしたちのあいだでとても人気があります。集客力がすごくて、どこの書店でトークショーを開いても常に満席になります」
●Extra Point
動詞drawに「(観客を)集める、…の人気を呼ぶ」という意味があるので合わせて覚えておこう。
◎Extra Example
The workshop drew a great many students.
「その講座はたくさんの受講生を集めた」
400ページを超える本だが、(まだ調整に時間がかかりそうだが)どうにか3か月で訳了できた。
本日のGetUpEnglishはこの本にあった気になる表現を紹介する。
Martin Kemp and Margaret Dalivalle have researched the painting for almost a decade without taking a penny in payment for their labour, a remarkable commitment. Dianne Modestini’s restoration was elegant and necessary: the painting was in such poor condition that the alternative would have been the dustbin. For all of these individuals there was no certainty of success, and time and again victory eluded them. In the end they got their picture over the surprisingly thin line that divides the masterpiece from the mediocre. If the attribution of the painting to Leonardo is at the moment based more on feelings than on facts, then so be it – this is a Leonardo for our age, a post-truth Leonardo.
マーティン・ケンプとマーガレット・ダリヴァレはほぼ十年間、一銭の報酬を得ることなく『サルバトール・ムンディ』の調査をつづけたのであり、誠に立派だ。ダイアン・モデスティニの修復作業はすばらしいものだったし、必要であった。絵はあのような劣悪な状態にあったし、彼女がそれをしなければ破棄されていただろう。こうした者たちは誰ひとり成功を約束されていなかったし、その手から何度も勝利がこぼれ落ちた。最終的に彼らがその絵を置くことができたのは驚くべき薄い線の上で、左に転がれば傑作、右に転がればまがい物と見なされるようなところだった。もし各種の事実ではなくさまざまな感情に基づいてこの絵がレオナルドのものと判断されれば――それはそれで仕方ないが――、われらの時代のレオナルドとして、事実ではなく感情に訴えるポスト真実(注)のレオナルドになる。
the alternative would have been the dustbinだが、alternativeはこの場合は「どちらか選択すべき二つのもの(のうちの一つ)、 […の代わりに]他に取りうる[残った]方法」とうこと。次のように使われる。
信頼できるKOD(研究社オンライン辞典)の「英和大」辞典に次の例分がある。
The alternative to death was surrender. (死を選ばないとするなら降伏するよりなかった.)
He was given the alternatives of going and [or] remaining. (行くか残るかのどちらかにせよと言われた.)
The alternative is (to) compromise. もう一つの手段は妥協(すること)だ.
なので、ここでは上のように訳せばいいだろう。
time and againはtime and (time) againで、「何度も、再三」。これもKODにあたれば、いろんな辞書の定義がヒットするのでありがたい。
In the end they got their picture over the surprisingly thin line that divides the masterpiece from the mediocre.は英語のイメージがわかるような日本語にしたい。
so be itにも注意。KODの「ルミナス」には、「それならそれでしかたがない《不本意な承諾などを表わす》」とある。
post-truth(ポスト真実)は「客観的な事実が重視されず、感情的な訴えが(政治的に)影響を与える状況」のことで、2016年にオックスフォード大学出版局の辞典部はこの語を「今年の流行語」に選んでいる。
以上、これだけの英文のなかにも学ぶことはたくさんあるし、日本語に翻訳するとなると注意すべきこともたくさん出てくる。大切なのは、日頃から英文をできる限りたくさん読んでおいて「この表現はどういうことだろうか?」と注意する気持ちを常にもつこと。英語が完璧に読めていなければ、満足できる翻訳はできない。
そして辞書をよく引くことももちろん大切だ。そしてこのように翻訳や英語学習をしながら辞書を引くことが大切だ。
管理人は翻訳を専業とすることができず、翻訳の作業期間はかなり限られている。だが、毎日訳せる分量は限られているので、日々家でどうにかその時間を取って、作業を進めている。
play it by earはGetUpEnglish1年目の2006年7月11日に紹介している。
https://blog.goo.ne.jp/getupenglish/e/6c6bca1c8d9c3a8c7dc4df8caa46b993
状況によっては、「出たとこ勝負(でいく)」「ぶっつけ本番でいく」と訳すといいこともあるので、今日のGetUpEnglishは13年半ぶりにこの表現を再学習する。
○Practical Example
Doing this job you don't know what's going to come up even an hour ahead, so you have to be able to play it by ear, Yuki.
「この仕事は1時間前になっても何が起こるかわからないから、出たとこ勝負でやるしかないよ、由木」
●Extra Point
「ぶっつけ本番」としたほうがいい場合もある。
◎Extra Example
"I don't know what the audience'll want when they arrive, Azami."
"We'll have to play it by ear, Sugaya."
「来る客は何を聞きたいかわからないな、生明」
「ぶっつけ本番でいくしかないぞ、菅谷」
play by earは「楽譜なしで演奏する」の意。これにitを入れてplay it by earとすると「出たとこ勝負」になる。
countは自動詞、他動詞どちらでも使われ、「数える」ほかたくさんの意味があるが、「物の数にはいる、重きをなす、重要である」の意味でも自動詞として用いられるので注意しよう。
今日のGetUpEnglishはこの語のこの意味の使い方を学習する。
○Practical Example
It's quality, not quantity, that counts.
「重要なのは質であって、量ではない」
●Extra Example
もう一例。
◎Extra Example
It's experience that counts in this job.
「この仕事は経験がものを言う」
☆Extra Extra Point
Tomohiko is a reliable player on our team because he always scores when it counts. At the last match, he netted the game-winner in a 1-0 overtime victory against the opponent.
「智彦はここぞというときに得点してくれるチームの頼りになる選手だ。この間の試合でも、 延長戦で1-0となる決勝ゴールを決めてくれた」