仕事はひとつずつ、そしてわたしの場合、迅速に片づけていくしかない。
すでに刊行を待つだけの本が2点、訳稿を提出してゲラ待ちの本が3点、そして今週月曜日に大きな仕事の訳稿を1点提出した。
そして今は自閉症の作家が書いた小説を1冊訳しているが、これがかなりすごい上に、おそらくヴァージニア・ウルフの語りに強い影響を受けていると思われ、随所に美しい、格調ある文体が出てきて、知識もなければ格調も高くないこの訳者は毎日苦しみながら翻訳を進めている。
たとえば、こんなフレーズが主人公の語りとして出てくる。
I felt then as if I had inadvertently banned that which I wanted from my home, and, for the first time ever, Dolly no longer felt like all there was or even like enough.
わたしは自分が望んでいたものを迂闊にも家から締め出してしまったように感じた。そしてそんなことはこれまでなかったけど、わたしにとってドリーがすべてではないと思えたし、ドリーがいればそれで十分というわけではなくなった気もした。
問題はthat whichだろう。これは『リーダーズ』に次のように定義されている。例文とあわせてご覧いただきたい。
…するもの《これはかたくるしい表現で, 今は通例 what を用いる》.
・That which (=What) you say is true. きみの言うことは本当だ.
これは関係代名詞の thatとwhich を組み合わせて、「〜するもの」や「〜であるもの」といった意味を表す。
今日のGetUpEnglishはこのthat whichを使った例文をいくつかご紹介する。
○Practical Example
"He lost that which was most precious to him.!
「彼は自分にとっていちばん大切なものを失った」
"That which you fear the most often never happens."
「いちばん恐れることは、たいてい起こらない」
●Extra Point
もう2例。うまく使えば格調高い言い方になる。
◎Extra Example
"Junko strives to achieve that which others deem impossible."
「純子はほかの人が不可能だと思うことを成し遂げようとしている」
"I am grateful for that which I have learned from my mistakes."
「自分の過ちから学んだことに感謝している」