日本に来た外国人が、電話で「(ところで)失礼ですが……」と言われてしまうと、何のことかわからないし、驚いてしまうことがある。今電話で自分と話している人は、一体何に対して謝っているのだろうか? しかし、電話の向こうの相手は、一体誰が電話をかけてきたのか、何という名前なのか、それを尋ねているのだ。 この「失礼ですが(どちらさまですか?)」に当たる英語で、いちばんよく使われるのは、"May I ask who's calling?"だ。
○Practical Example
"Hello, may I please speak with Mr. Ishizuka in the sales department?"
"May I ask who's calling?" 「お世話になります。販売部の石塚さまはいらっしゃいますでしょうか?」「失礼ですが、どちらさまでしょうか?」
●Extra Point
この言い方にpleaseを付ければ、さらにていねいな言い方になる。
◎Extra Example
"Hello, may I please speak with Mr. Ishizuka in the sales department?"
"May I ask who's calling, please?"
「お世話になります。大変恐れ入りますが、販売部の石塚さまは出社されていらっしゃいますでしょうか?」
「失礼ですが、お客さまのお名前を頂戴できますでしょうか?」
そしてこの返事に「ただいま来客中です」という言い方もよくされると思うが、この「来客中」を英語で言うのはなかなかむずかしい。「××は、いま来客中です」をどう言えばいいか?
それは明日のGetUpEnglishでご紹介します。どうか明日のGetUpEnglishをお楽しみに!
疑問文にat allを付けると、ちょっと丁寧な感じになる。状況によるが、それによって、日本語の「もしかしたら」や「どうか」、あるいは「大変恐縮ですが」に近い意味を示すことができると思う。
○Practical Example
"Is it at all possible for you to correct my English essay for me? I'd be very grateful."
「大変恐縮ですが、英作文を添削していただけますと、とてもありがたいです」
●Extra Point
at allは、否定や疑問の意味をはっきり示すために用いられることもある。日本語の「少しも、全然、まったく、一切」(否定)とか、「一体……なのか?」(疑問)にあたると思う。
◎Extra Example
"In the beginning I was going to the fitness club twice a week, then once a week. Now I'm not going at all."
「最初はフィットネス・クラブに週二日は通っていたが、そのうち週一日になった。そして今はまったく行っていない」
AZさん、
メールをありがとうございます。
GetUpEnglishのUP/DOWN(2006/05/27)にコメントをありがとうございます。
to walk down the aisle, あるいはto walk up the aisleは、確かにちょっと古い言い方ですが、日本語の「お嫁に行く」のように、現在は使われなくなりつつあるということはありません。現在は、男女平等の時代ですから、「お嫁さん」とか、「お嫁に行く」という言い方はもはや時代遅れだと思います。
教会で結婚式を挙げなくても、「結婚する」の意味でto walk down the aisleという表現を使います。この場合、比喩的に用いられます。
GetUpEnglishを毎日読んでくださっているとのこと、ほんとうにありがとうございます!
With best wishes,
ロジャー
diceyはdice(ダイス、さいころ)から来ていて、「いちかばちかの、危険な」という意味。もちろん状況によるが、日本語の「やばい、危ない」という感じも表現できる。
○Practical Example
"I want to ask Noriko to move in with me, but it's a bit dicey. She's just broken up with Shimanaka and she's a bit fragile."
「紀子に、ぼくと一緒に住んでほしい、と言いたいんだけど、ちょっと慎重にいったほうがいいかもしれない。彼女、嶋中と別れたばかりで、ちょっとまだ傷が癒えてないんだ」
fragileは、「こわれやすい、もろい、脆弱(ぜいじやく)な」とか、「きゃしゃな、虚弱な、かよわい」という意味。何かを郵便や宅配で送るとき、その箱などにFRAGILEと書かれたラベルが貼られることがあるが、それは「こわれもの、取り扱い注意」の意味。この単語から、紀子の状態がおわかりだろう。
●Extra Point
diceyと似た意味を表現する語に、tricky([見かけや予想に反して]手際[注意]を要する、やりにくい)がある。
◎Extra Example
"I really love Noriko, but right now it's all a bit tricky. Shimanaka treated her very badly and I'm not sure she wants to get involved with another guy right now."
「紀子が本当に好きだけど、今はちょっと慎重にいったほうがいい。嶋中にほんとにひどいことをされたし、今はほかの男と付き合おうとは思わないんじゃないかな」
"I'm back!" は、「ただいま!」に当たる表現で、いちばんよく使われるもの。"I have come back."を縮めた言い方。
○Practical Example
"Mom, I'm back! I went down to the station and bought your magazine for you."
"Oh, thank you. What a sweetie you are!"
「お母さん、ただいま! ちょっと駅に行って、お母さんに雑誌を買ってきたよ」
「ああ、ありがとう。おまえはほんとにいい子だね」
愛し合っている人たちがたがいに使う愛称(pet name)はたくさんあるが、sweetieもそのうちの一つ。ここではsweet person(やさしい人)の意味で使われている。日本語の「なんてやさしいの」という感じだろうか。
to go downは、昨日(2006/05/27)のGetUpEnglishをご覧ください。
●Extra Point
"I'm back!"と同じように、"I'm home!"も使われる。
◎Extra Example
"Honey, I'm home! God, I'm tired. Had a big day."
「ただいま。ああ、疲れた。今日は忙しかったなあ」
honeyは好きな人同士がおたがいに使う言い方。"Had a big day."のbigは、「忙しい」(busy)の意味。
upとdownは、to go, to ride, to flyなどとともに非常によく用いられる。upやdownが使われているからといって、それを口にする人が必ずしも「上がっていく」わけでも「下がっていく」わけでもないことに注意。upとdownが使われていようがいまいが意味は同じ、と考えるのがいいかもしれない。to go up, to go downは、日本語の「ちょっと行く」とか「行ってくる」に近い。
○Practical Example
"I'm just going down to the bakery. I'll pick up some cake for our guests."
「ちょっとパン屋に行ってくる。お客さんに出すケーキを買ってくるよ」
このパン屋さんは、話し手の家から坂を下ったところにあるわけではない。"I'm just going down to the bakery.と言っても、"I'm just going up to the bakery."と言っても、意味はまったく同じ。
●Extra Point
to walk[go] down the aisleのaisleは「教会堂の側廊」のこと。よって、このイディオムは、口語表現で「結婚する」の意味。
◎Extra Example
"Well, Shiela walked down the aisle yesterday. She finally married Randy after all those years living together."
「うん、シーラは昨日結婚式を挙げた。ランディとずいぶん前から同棲していたけど、ついに結婚したんだ」
to pull offというイディオムは、その意味を推測するのがなかなかむずかしいかもしれない。これは、「取りはずす、もぎとる」「(衣服・靴などを)急いで脱ぐ」のほかに、口語表現で「うまくやってのける」という意味がある。
○Practical Example
"Gee, Yoshiko, you're amazing. You persuaded the president of Livewindow to advertise on your website."
"Yeah, Hiromi and I pulled it off, but it wasn't easy. The president of Livewindow, Mr. Sotobori, is a tough cookie."
「うわあ、義子、君はすごいよ。ライブウィンドウの社長と交渉して、君のサイトにライブウィンドウの広告を出してもらったなんて」
「そうよ、弘美とわたしはやったのよ。でも、大変だったわ。ライブウィンドウの外堀社長はかなりのやり手だから」
cookieは、「人、男」(guy)の意味。俗語で、「抜け目のないやつ」という意味もある。
●Extra Point
to pull offは、よく日本語の「やった!」とか「やったぞ!」と同じ意味で使われる。
◎Extra Example
"Boy, I pulled it off! I went for the interview and got the job."
「うわあ、やった! 面接を受けたら、採用されたよ」
"What gives?"は、元々アメリカの口語的な言い方。to giveが使われているが、何かを「与える」ということでない。これは「何があったんだ、どうしたの、どうなっているんだ」という意味で用いられる。
○Practical Example
"What gives with Dr. Takeshima? He's really acting weird lately."
"Oh, he's apparently pretty sick himself. I think he's worried that he might need an operation himself."
「武島医師はどうしたんだ? 最近、何だか様子が変だぞ」
「うん、武島先生は病気らしい。ご自身が手術を受けなければならないらしく、悩んでいるんだと思う」
●Extra Point
「何かがおかしい、何かが普通でない」と思うときに、この"What gives?"が用いられる。
◎Extra Example
"The plane's departure time has passed and there has been no announcement. What gives?"
"Oh, they're probably having some sort of technical problem. I'm sure everything is okay."
「飛行機の出発時間はすでに過ぎているのに、何のアナウンスもない。一体どうなっているんだ?」
「おそらく、技術的な問題が生じているんだ。大丈夫だよ」
このイディオムを、ネイティヴスピーカーでない人たちはよく誤解してしまうようだ。to get on somethingで、「(馬・バスなどに)乗る;出発する」のほかに、「取りかかる」「(仕事などを)どんどん進める」という意味がある。
○Practical Example
"Hey, Michiko, haven't you started work on the essay yet?"
"No, but I'm going to get on it now. I've done all the research. I just need to write it all out."
「ねえ、道子、作文はまだ書き始めてないの?」
「そうだけど、これから手をつけるわ。リサーチは終わったんだけどね。あとは書くだけよ」
●Extra Point
"get on it"は、"get going on it"とも言える。意味は同じ。
◎Extra Example
"Hey, Michiko, when are you going to get going on the essay?"
"I'm getting going on it as soon as you leave me alone, Darryl!"
「ねえ、道子、結局いつ作文を書くつもり?」
「ダリル、あなたがわたしを一人にしてくれたら、すぐに書き始めるわよ」
Mostafaさん、
GetUpEnglishの BIG ON(2006/05/20)にコメントをありがとうございます。
big on somethingは、「何かを非常に好きである」(You like it a lot.)という意味です。「何かが得意である」(You are good at it.)の意味はありません。
例を挙げます。
"Helmut is really big on tennis. He plays every week, but he's absolutely hopeless."
「ヘルムートは、テニスが大好きだ。毎週やっているよ。でも、全然うまくない」
気の毒なヘルムート! やっぱり「好きこそ物の上手なれ」といきたいところですね。
Mostafaさん、ありがとうございます。
All the best to you,
ロジャー
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AZさん、
GetUpEnglishのGUY(2006/05/21)にコメントをありがとうございます。
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Boy, yesterday's football game was fantastic!
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AZさんが書いてくださったこの用例のboyには、「少年」という意味はありません。これはその意味では使われていません。このboyは、愉快・驚き・落胆などを表わす発声です。(“Oh, boy.”という表現もよく使われます。)
日本語の「よう、ほんとに、無論、やれやれ、あーあ、おっ、すごい、ワー、ワーイ、すてき、うまいぞ」といった意味を示します。
例を挙げます。
"Boy, it's hot in here. Will somebody please turn on the air conditioner?"
「ああ、暑いね。誰かエアコン入れてくれない?」
でも、もしある部屋にいる男の人たちに呼びかけたいときは、boysで呼びかけることができます。boyは普通は15歳以下ぐらいの男性を指しますが、大人の男性を指すときも使われます。
しかし、AZさんが用例に示してくれたboyは男性をさしているわけではありませんので、どうかご注意ください。
Warm wishes,
ロジャー
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AZさん、
またGetUpEnglish(GUY[2006/05/21])にコメントをありがとうございます。
AZさん、一人の大人の男性に呼びかけるときは、boyを使わないほうがいいです。boyを大人の人に対して使うときは、あくまでちょっとふざけた感じで、そして複数の人に呼びかけるときだけしか使えませんから、どうかご注意ください。昔は人種差別的な意識を持った人たちが、白人以外の人種・民族の男性をさして、boyと言ったりしました。
しかし、これは軽蔑的な言い方ですし、今では絶対に使われるべきではありません。でも、複数の、いろんな男性に対してであれば、boyと呼びかけてもOKですよ。
ああ、英語って、やっぱり複雑ですね。(Boy, that's complicated, no?)
Yours,
ロジャー
昨日(2006/05/22)のExtra Exampleで、to stinkの用法を紹介した。動詞 stinkには二つの意味がある。もちろん一つは「いやな匂いがする、悪臭を放つ」である。
○Practical Example
"Oh, God, this room really stinks. I think someone has been doing some kind of chemistry experiment here."
「ああ、この部屋はとても臭い。誰かがここで科学か何かの実験をしたんだ」
●Extra Point
to stinkはもう一つの意味でも大変よく使われる。何かに対する不快感や強い嫌悪感を表現するときに用いられる。「不快である、おぞましい」「最低である」、あるいは「いやだ、ぞっとする」という意味になる。
◎Extra Example
"I saw the new 'Mission Impossible' yesterday. Gee, it stunk. When are they going to stop making those stupid movies?"
「昨日、『ミッション・インポッシブル』の最新作を観たよ。まったくひどい映画だね。一体いつまであんなくだらない映画が作られるんだ?」
動詞stinkの過去形は、stunk, あるいはstankである。“It stunk.”, “It stank.”で、「ひどい、ひどかった」となる。これは「最低」と訳すこともできると思う。(to stinkで、誰かに対する意見を示すことができるのだ。でも、どうかご注意いただきたい。これは大変意味が強いのだ。"You stink!"で、「あんたなんか、サイテーよ!」「あんたなんか、大嫌い!」となってしまう。)
「映画を観る」(to see the movie)については、GetUpEnglishの2006/05/18の"WATCH" OR "SEE"?をご覧ください。
このoffという短い語には、意味がたくさんある。ここでは、大変よく使われる二つの意味を紹介する。まずは、どこかに行こうとしているときに用いられるto be offの用法について説明する。これは日本語では、「出発して、(……に向かう)途上にあって、これから……に向かうところで」といった意味になる。
○Practical Example
"When are you off to India, Yumiko?"
"I'm off tomorrow, and I haven't even begun to pack!"
「由美子、いつインドに行くの?」
「明日出発の予定よ。なのにまだ荷造りもしてない!」
●Extra Point
二つ目に紹介するto be offは、食べ物などが新鮮ではない、あるいは腐っていると指摘するときに用いられる。日本語では、食べ物の種類によるだろうが、「鮮度が落ちて、いたんで」という感じになる。
◎Extra Example
"Oh, this cheese stinks! I think it's off."
"No, Pete, it's not off. It's just a very smelly blue cheese. It's seriously delicious."
「ああ、このチーズ、臭いよ。腐ってるんじゃないか」
「いいえ、ピート、そんなことないわ。それは臭いの強いブルーチーズよ。とてもおいしいよ」
明日のGetUpEnglishでは、ピートが言ったto stinkの用法を説明します。
25年前ぐらいまでは、guyは常に男性をさした。今は女性もguysと呼ばれることがある。しかし、女性をさすときは、常にguysと複数形で表現される。a guyはいまも「一人の男性」を意味する。まずは、男性だけをさす言い方を見てみよう。
○Practical Example
"Kurt is a really nice guy. He looked after me when I got the flu last month and brought great meals to my place."
「カートはほんとにいいやつだ。先月ぼくがインフルエンザにかかってしまったときは、いろいろ世話をしてくれて、おいしい食事も持ってきてくれたんだ」
●Extra Point
では、今度は女性をさすguysの使い方を見てみよう。ある部屋に女性たちがいたとする。そこには男性もいるかもしれないが、よくわからない。その部屋に入ったときは、次のように言うのではないだろうか。
◎Extra Example
"Hey, guys. I think it's time to stop work and listen to some music. How about some Dylan? I'm big on Dylan."
「やあ、みなさん。もう仕事はやめて音楽でも聴きましょう。ディランなどはどうですか? わたしはディランが大好きです」
big onについては、昨日(2006/05/20)のGetUpEnglishをご覧くださいね。
big on…で、「………に熱心[夢中]で、……がとても好きで」という意味。日本語の「……が大好き」とか、あるいは「……に目がない」に近いかもしれない。
○Practical Example
"Sue's really big on yoga an' things. Every time I visit her apartment she's sitting in the middle of the room with her legs crossed."
「スーはほんとにヨガとかに熱心だ。彼女のマンションを訪れると、いつも部屋の真ん中で足を組んで座っているよ」
an’ thingsは、昨日(2006/05/19)のGetUpEnglishをご覧下さい。
●Extra Point
big on doing something(何かすることに熱心[夢中]で、とても好きで)という言い方もできる。to love doing somethingと意味はまったく同じ。
◎Extra Example
"Sue is really big on doing yoga and things. She wants me to try it too, but I'm not really big on that sort of thing."
「スーはヨガとかにほんとに熱心だ。わたしもやったらどうと言ってくれるんだけど、わたしはそういうのはあんまり興味がない」
stuffは「材料、原料、資料、素材」のことだが、「(漠然と)もの、代物、物事、問題」という意味も示す。そして"Good stuff."という表現がある、これは日本語の「いいもんだ」「よくやった」という意味。and stuffという言い方をすると、日本語の「……など」や「……とか」にあたる意味が表現できる。
○Practical Example
"I like baseball and J-League and stuff. I watch the games whenever I can."
「野球やJリーグが好きだ。いつも試合は観ている」
●Extra Point
and stuffの代わりに、and thingsと言うこともできる。意味はまったく同じ。 どちらの場合も、よくandの短縮形an’が使われる。
◎Extra Example
"I bought skin cream, new shoes and a handbag an' things. I must've spent over 50,000 yen today."
「スキンクリームのほかに、新しい靴やハンドバックなどを買ったわ。今日は5万円以上使っちゃたよ」