今回ニューヨークに来ているのは、国連本部で開催される、Commision of the Status of Women (CSW) 2015に参加するため。これまで政府代表のスピーチを準備したりいろいろ関わってきたけれど、自分が参加したことはなかったのだ。ちょっと無理してでも参加してみたいと思ったのは昨年下旬なんだけれど、あっという間に3月!!
国連ビルでグランドパスを得るのにちょっと手間取ったけれど、無事発行してもらって、国連ビルで開催される2週間の国際女性会議に参加。
最初に参加したセッションは、WHO hotested session on
Preventing and Responding to Violence against Women
オーストラリアの女性に対する暴力担当大使のスピーチでは、豪政府が支援した調査がザクッと紹介された。Initmate Parter Violence (IPV) のプリバレンスー世界的には、30%、太平洋40%、キリバツでは68%。予防の重要性が強調されるとともに、いまどんな対応がされているのか、不足しているのは何なのかも分析するのが重要という内容。
↓Ms Mary Ellsberg さんの発表は、明確でわかりやすかった。
The Lancet Series of VAWGを紹介した人は、予防に関する調査の重要性と、どういう調査がなされているかについての調査について紹介。どういった予防政策が効果的化を分析して、27の活動(レスポンス)が効果的だと判断。調査の発見は、8割は先進国の情報に基づいてる、レスポンスなのか予防なのかの問題(Primary preventionについてはかなり少ない)、IPVに焦点があたってる。例えば、先進国で、暴力予防のために、シェルターとホットラインがどの程度効果的かの評価がない、保健分野で情報が不足、暴力削減に直結しているレスポンスの証拠がない、被害者のアドボカシーは効果的という評価あり、ホームビジットは効果的。
面白いのは、啓発活動が効果的という(あるいは成果を上げている)証拠はない、トレーニングは効果がない・・・・・この2つはなかなか面白い発見で、カンボジアにとってはちょっと困ったものかも。他方、効果的なのは、コミュニティーの動員、エンパワーメント、女性の収入向上。ただ、予防のための介入がどの程度cost effectiveness だかの評価がないそう。
保健分野では、世界的に3割の女性が暴力の被害にあっている情報に基づいて、その結果、一番悪いシナリオを死亡として、細かく分析した調査も発表。Fear, shame, stigmaなどで女性は被害を訴え出ることが困難だけれど、保健分野のオフィシャルはそういった女性のコンプレックスな精神的な状況を理解する必要がある。保健分野は何をすべきかっていう問いには、他分野にわたっているサービスが可能だとしていて、他のサービスへのリファレンスや、統計を集めたりすることが可能。WHOは昨年GBV被害者への保健従事者のサービスガイドラインを発表していて、その内容も紹介。女性中心のサービス、IPVであるかどうかの判断(確認)、被害者へのサービス提供、などなど・・・・いろんな可能性を持っているのが保健分野なのだ。
↓さすがの組織力、見事なプレゼン
女性に対する暴力を減らすために、男性と男子を参画させていくっていうアプローチについても発表があって、これまで男性が加害者とばかりみられていたところから、男性がパートナーとして見られるように移ってきて、ジェンダーの観点から暴力に関するIntersecting discrimination やglobal injustice などなど、最近の議論が紹介された。男性がジェンダー規範のなかで被害者となり加害者となっていくというような複雑性も紹介された。暴力とMasculinity の関係を分析する必要や、「男であること」にどういう意味があるのかー権力を持つとか支配するとか?ーそしてそれが男女にどう理解され普遍化されているか、疎外化されている男性と暴力は・・・などなど。
男性と男子に働きかけていくことをつうじてGBVを削減する戦略については、コミュニティーをどう動員して参画させていくかについての情報や分析が少ない点が課題であるとともに、キェンペーンの活用はもっと効果を分析して実施する必要がある。「男であること」にどういう意義があるかを協議していきながら、Masculinityを暴力を削減する方向に変えていく必要がある点。同時に、職場の男性支配やスポーツの男性に集中している点を変えていく必要があるなどなど・・男性に働きかける必要があるっていう戦略と議論は、もっともっと進めていきたいし、より多くの男性が専門家として活躍してほしいなあ。
さすが国連本部で世界中から8000人以上が登録して参加している会議で、これまで参加してきた国際会議の発表とは全くレベルの違う。