おだやかな正月だった。三カ日に初詣に出掛けた人が一億人もいたそうであるが、残りの二千万人の一人として、じっと家に籠もって本を読んだり料理を楽しんだりしていた。帰省した娘も料理に凝っているので、今まで食べたこともない料理を何品か食べさせてもらった。おいしかった。
近頃は、つくったことがない料理をつくるのに、料理本なんかいらない。インターネットで調べれば、ありとあらゆる料理のレシピが揃っている。しかも写真付きで。レシピをプリントして材料を用意し、台所でプリントを見ながら、未知の料理に挑戦することができる。
本屋に行くと、いろんな料理本が売っているが、インターネットの影響で売れ行きは落ちていることだろう。しかし絶対お薦めの一冊がある。大阪あべの辻調理師専門学校編の『中国料理プロの隠し技』という本で、光文社のカッパシリーズの一冊である。
この本、料理本なのに写真が一点も載っていない。時々イラストがある程度。モノクロでほとんど文字ばかりの本だ。今どきこんな料理本は珍しい。平成五年発行だから、今手に入るかどうか分からない。
大切なことは、すべて文字で書いてある。じっくり読まないと理解できないから、本を見ながら料理をするという訳にはいかない。あらかじめきちんと読んで、段取りを立ててかからなければならない。中華料理店の企業秘密に属するようなことがいっぱい書いてある。
プロの味のチャーハンの作り方をこの本で学んだ。麻婆豆腐も麻婆茄子もこの本で覚えた。東坡肉(豚バラ肉の煮込み)をこの本に書いてあるとおりにつくると、本物の中華料理店の味になる。嘘みたいだが本当だ。ただし、調理に四時間くらいかかるので、めったにつくることはない。
中華饅頭が食べたくて、参照しようと思ったが、この本には載っておらず、やむなくインターネットに頼ることにした。意外と簡単でうまくいった。市販の“肉まん”なんか食べられなくなりますよ。
近頃は、つくったことがない料理をつくるのに、料理本なんかいらない。インターネットで調べれば、ありとあらゆる料理のレシピが揃っている。しかも写真付きで。レシピをプリントして材料を用意し、台所でプリントを見ながら、未知の料理に挑戦することができる。
本屋に行くと、いろんな料理本が売っているが、インターネットの影響で売れ行きは落ちていることだろう。しかし絶対お薦めの一冊がある。大阪あべの辻調理師専門学校編の『中国料理プロの隠し技』という本で、光文社のカッパシリーズの一冊である。
この本、料理本なのに写真が一点も載っていない。時々イラストがある程度。モノクロでほとんど文字ばかりの本だ。今どきこんな料理本は珍しい。平成五年発行だから、今手に入るかどうか分からない。
大切なことは、すべて文字で書いてある。じっくり読まないと理解できないから、本を見ながら料理をするという訳にはいかない。あらかじめきちんと読んで、段取りを立ててかからなければならない。中華料理店の企業秘密に属するようなことがいっぱい書いてある。
プロの味のチャーハンの作り方をこの本で学んだ。麻婆豆腐も麻婆茄子もこの本で覚えた。東坡肉(豚バラ肉の煮込み)をこの本に書いてあるとおりにつくると、本物の中華料理店の味になる。嘘みたいだが本当だ。ただし、調理に四時間くらいかかるので、めったにつくることはない。
中華饅頭が食べたくて、参照しようと思ったが、この本には載っておらず、やむなくインターネットに頼ることにした。意外と簡単でうまくいった。市販の“肉まん”なんか食べられなくなりますよ。
(越後タイムス1月12日「週末点描」より)
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