玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

分子生物学のこと

2008年12月11日 | 日記
 先週の十一月二十五日、午後十二時三十分から柏高生が一中生に実験講座を行うというので、取材に一中の理科室に行ったら、どうしたわけか授業はもう終わろうとしていた。時間の変更があったようで、じっくり取材したいと思っていたのに残念だった。
 実験講座のテーマは「メダカの色は変わるのか?」というので、中学生の時、科学部生物班に属していた人間として、非常に興味があった。メダカの観察はしたことはなかったが、ヒキガエルの解剖を好んでやったし、佐藤が池の植物の植生研究もやるくらい熱心な理科系の少年だった。
 そんな少年は、母親の実家にあったある小説を読んで人生観が変わってしまい、それ以降、文科系の道へ進むことになる。それでも高校生時代「生物」の授業は、好きな授業のひとつだった。遺伝学や細胞学に特に興味があった。
 今でも、生物学の本はよく読んでいる。ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックがDNAの二重らせん構造を発見したのは一九五三年、私が生まれた二年後である。DNAの発見は二十世紀最大の発見のひとつと言われ、高校時代にDNAについての授業があってもおかしくはなかったと思うが、それはなかった。まだ日本の教育界でよく咀嚼される段階に達していなかったのだろう。
 DNAの発見はダーウィン進化論の“突然変異”や“自然淘汰”を完璧に裏付けるもので、いわゆる“分子生物学”の基本に位置づけられる。リチャード・ドーキンスの『利己的遺伝子』や『遺伝子の川』などの本は、大変スリリングで、面白い本なのでお薦めである。
 最近出た本では、福岡伸一の『生物と無生物のあいだ』(講談社)がいいと思う。生物学者の人間ドラマも含めて、最先端の分子生物学の課題を追求し、文学者らも唸らせる優れた文章で、レベルの高い内容となっている。

越後タイムス12月5日「週末点描」より)


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