“計画的廃業”のために、この一カ月ほど、さまざまな整理を進めてきた。“物”の整理は簡単だが、電話回線のこととか、カードのことなどは複雑でさっぱり分からない。毎週新聞を発行しながら、特に三月は市議会があるので忙しくて、とても頭が廻らない。
かなり重要な部分を家人がやってくれたので負担が軽くなり感謝している。“物”の整理についても家人は大得意で、あちこちから必要のないものを引っぱり出してきては捨てていった。“物”を整理して、何がどこにあるのかを明確にするには、捨てるのが一番だという。
しかし私は、あまり捨てることが好きな方ではない。コレクションの趣味はないし、昔のものを懐かしがる気持ちもあまりないが、“いつか何かの役に立つのでは”という思いがあり、この十年間ほとんど物を捨ててこなかった。
だから、いろんなものが出てくる。十年前に借りた友人の本も出てきたし、この二十年間くらいにたまったファイルも出てきた。しまったまま忘れていた絵も出てきたし、目を通す余裕もなく、ほったらかしておいた保険関係の重要書類も出てきた。
まだ整理しきれない部分もあるが、お陰で三月三十一日をもって、かなり身辺の整理をすることができ、身軽になった。新年度からはこの「越後タイムス」に専念することができそうだ。
ところで、家人の整理に対する執念を見ていて、いささか怖くなった。いつか自分が整理され、捨てられることになるのではないかという恐怖を感じたのである。
かなり重要な部分を家人がやってくれたので負担が軽くなり感謝している。“物”の整理についても家人は大得意で、あちこちから必要のないものを引っぱり出してきては捨てていった。“物”を整理して、何がどこにあるのかを明確にするには、捨てるのが一番だという。
しかし私は、あまり捨てることが好きな方ではない。コレクションの趣味はないし、昔のものを懐かしがる気持ちもあまりないが、“いつか何かの役に立つのでは”という思いがあり、この十年間ほとんど物を捨ててこなかった。
だから、いろんなものが出てくる。十年前に借りた友人の本も出てきたし、この二十年間くらいにたまったファイルも出てきた。しまったまま忘れていた絵も出てきたし、目を通す余裕もなく、ほったらかしておいた保険関係の重要書類も出てきた。
まだ整理しきれない部分もあるが、お陰で三月三十一日をもって、かなり身辺の整理をすることができ、身軽になった。新年度からはこの「越後タイムス」に専念することができそうだ。
ところで、家人の整理に対する執念を見ていて、いささか怖くなった。いつか自分が整理され、捨てられることになるのではないかという恐怖を感じたのである。
(越後タイムス4月2日「週末点描」より)