いつまでも梅雨が明けないなと思っているうちに、雨と低温が続き、これはただごとではないと思い始めたら、案の定、記録的な日照不足になりそうな気配である。浜茶屋も大変だが、農家も大変だ。地震に次いで大不況、そして凶作となれば、柏崎は三連発の打撃を受けることになる。
夏の果物といえば、スイカ(正式には野菜)だが、スイカは梅雨が明けて猛暑にならなければ、あまり食べたいとは思わない。桃は嫌いではないが値段が高いので買わない。夏の果物で一番好きなのはマクワウリ(これも野菜のはず)の仲間で、高級メロンよりはるかにおいしいと思う。
昔母方の祖母が畑でいっぱい作っていて、遊びにいくと、いつも洗った鎌で切って食べさせてくれた。マクワウリといってもいろいろあり、緑色で細長い古典的な形のものを思い出すが、畑にはいろんな品種が交雑したおかしなマクワウリがあって、それがまたおいしかった。“ハイブリッド”は自動車に限らず強靱で、優秀なのである。
近頃では、黄色で果肉が白いマクワウリと、プリンスメロンの原型のような果肉が緑色のマクワウリしか手に入らない。どちらも好きだが、今年は黄色のマクワウリが異常に高い。例年、一個百円~百五十円くらいのものが、三百円~四百円もする。とても高くて買えない。
マクワウリ愛好家としての経験則から、暑い日の翌日に店頭に並んでいるものが甘くておいしいということを知っている。ところが、暑い日がやってこない。だから大好きなマクワウリも食べられない。食べてもまったく甘くなくて、おいしくないのだ。先日桃を買って食べた友人が、「まったく甘味がなくてまずかったので、口直しにアイスキャンディーを食べた」と言っていたが、さもあろうかと思う。
盆も間近である。夏も終わろうとしている。異常に多いアカトンボが市街地にまで飛び交っている。里山では、ヒグラシの“カナカナ”という鳴き声を聞いた。台所にキリギリスが侵入してきた。まるで晩夏のようなあり様である。
ようやく四日、梅雨明け宣言があったが、夏らしい猛暑はまだやってこない。
夏の果物といえば、スイカ(正式には野菜)だが、スイカは梅雨が明けて猛暑にならなければ、あまり食べたいとは思わない。桃は嫌いではないが値段が高いので買わない。夏の果物で一番好きなのはマクワウリ(これも野菜のはず)の仲間で、高級メロンよりはるかにおいしいと思う。
昔母方の祖母が畑でいっぱい作っていて、遊びにいくと、いつも洗った鎌で切って食べさせてくれた。マクワウリといってもいろいろあり、緑色で細長い古典的な形のものを思い出すが、畑にはいろんな品種が交雑したおかしなマクワウリがあって、それがまたおいしかった。“ハイブリッド”は自動車に限らず強靱で、優秀なのである。
近頃では、黄色で果肉が白いマクワウリと、プリンスメロンの原型のような果肉が緑色のマクワウリしか手に入らない。どちらも好きだが、今年は黄色のマクワウリが異常に高い。例年、一個百円~百五十円くらいのものが、三百円~四百円もする。とても高くて買えない。
マクワウリ愛好家としての経験則から、暑い日の翌日に店頭に並んでいるものが甘くておいしいということを知っている。ところが、暑い日がやってこない。だから大好きなマクワウリも食べられない。食べてもまったく甘くなくて、おいしくないのだ。先日桃を買って食べた友人が、「まったく甘味がなくてまずかったので、口直しにアイスキャンディーを食べた」と言っていたが、さもあろうかと思う。
盆も間近である。夏も終わろうとしている。異常に多いアカトンボが市街地にまで飛び交っている。里山では、ヒグラシの“カナカナ”という鳴き声を聞いた。台所にキリギリスが侵入してきた。まるで晩夏のようなあり様である。
ようやく四日、梅雨明け宣言があったが、夏らしい猛暑はまだやってこない。
(越後タイムス8月7日「週末点描」より)