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玄文社主人の書斎

玄文社主人日々の雑感もしくは読後ノート

凌雲閣の料理長

2013年06月13日 | 日記
 大型連休初日に、十日町市の松之山温泉に出掛けた。温泉街から少し離れた「鏡の湯」の凌雲閣にお世話になった。松之山温泉は大好きで、これまで十回以上泊まっているが、いつも温泉街の旅館ばかりで、凌雲閣は初めてだった。
 昭和十三年に建てられたという木造三階建ての凌雲閣は、国の有形文化財に登録されており、どっしりとしたおもむきのある旅館である。「日本秘湯を守る会」の会員でもあり、都会人の人気も高い。この日も首都圏からの泊まり客がほとんどであった。
 春の料理は山菜づくしである。十品以上あったが、そのほとんどが山菜料理。フキノトウやアケビの芽、ワラビやカタクリのほか、食べたことのないモミジガサなどの山菜もつかわれていた。山菜料理は味が似通っていて飽きやすいと思いきや、料理長の工夫でそれぞれに違った調理がなされていて、とてもおいしくいただいた。
 デザートの「岩梨のゼリー寄せ」にはびっくりした。ゼリーの中にウニの幼生のような直径数ミリの、小さくて可憐な果実がたくさん浮いている。食べるのがもったいないほどの美しさで、その上品な甘さと歯応えを堪能した。こんなものが松之山にはあるのか。
 というのは、食材のほとんどは料理長が山で採ってくるものだそうで、岩梨もそのひとつなのだ。カタクリなどは一度に十キロも担いでくるのだという。
 ここの料理長、実は柏崎きのこ研究会の会員でもあり、きのこ採りの名人としてよく知られている人だ。秋には料理長が採ってきたきのこを使った「きのこ鍋」が味わえるという。是非もう一度秋にも訪れてみたいものだ。

越後タイムス5月10日「週末点描」より)

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