一件一枚厳守の京大カードは、“知的生産の技術”の極意(2007.12.27)

2007-12-27 18:14:54 | Weblog

*右;知的生産の技術;岩波新書だから今でも買えるでしょう。

昨日(26日)に銀座・伊東屋にノートを買いに出かけて、“京大カード”が目に付いて買いました。このB6版のカードを、ちょこちょこと買っていて、今、不要不急のものではありませんが、京大式と書かれているのが目に入って買ったのです。原稿を書くことは少なくなったけど、京大カードは、いくらあっても邪魔になりません。

人生に、生き方に影響を与えた本、というほどではありませんが、岩波新書“知的生産の技術(梅棹忠夫/京都大学)”は、私にとって、それに近いのです。
カバーのハトロン紙がボロボロの“知的生産の技術”を出してみると、第1刷発行は69年7月21日です。私の持っている本は、70年3月30日発行の10刷です。“1970.4.19 from Kan” とペンで書き込んであります。岡山に住む次兄に“役立つよ”と、もらったのです。

まさに、私には、目から鱗の本でした。一気に読めました。その頃何度も読みました。私が思っていて、少しだけ実践していたことが書かれていました。

だいたいハウツー(How to)本が役立つことは、まずありません。<愛の手紙の書き方>、<結婚式のスピーチ>なんて、全く役立たない。それでも、お葬式のやり方、離婚の進め方、となると、私の経験と知識を越えるから・・・・、バカには、できません。

知的生産って、原稿の書き方です。ただし原稿用紙の使い方ではなく、原稿を書くことへの持っていき方です。ビジネス・レポートの書き方も同じです。当時、ベスト・セラーになったようです。

切り抜き、整理、読書、日記と記録・・・などの“やり方”です。一件一枚の厳守を説いています。新聞スクラップにしても、メモにしても、一件一枚を守るのです。学習のためには、ノートからカードへの変更を勧めたのです。カードはB6版、これが京大カードといわれたのです。
私も、B6版カードとA4レポート用紙の併用に統一しました。一件一枚は、後で、同じ内容、関連項目が出てくると探し出し、同じカードに書き込んだり貼ったりするのです。一件一枚に作っていくことが大事なのです。

*私のカードも一件一枚です。

*歩き回る旅には、カードは使い難いのでB6版のノートを使っています。

と、偉そうに言っても、お母さんは、とっくにお料理カード、ケーキのレシピ・カードで、実践済みです。

こうすることで、原稿にしても、人前でしゃべることがあっても、カードを重ねて、順番を考えれば、骨格は容易にできあがります。なんて、さらさらとは、うまくいきませんが、やってないより、はるかに効率的です。
ただ、一度作ったB6判カードやA4用紙は、貯まる一方で、捨てがたいのです。紙の山の中に暮らすことになります。私には、“捨てる技術”が必要です。

*藤本ますみさんは、京都大学人文科学研究所梅棹忠夫研究室の秘書さんだった人。84年2月6日講談社発行。実に楽しい本、研究の進め方はこちらの方が役立つ。今、入手は不可能でしょう。

パソコン、データベースの今、ツールは変わっても、30年前の、この古い本の思想は、まだ色あせないのです。

    【おまけ】

*ウチの家族アルバム。1年1冊です。

* 写真アルバムでも、同じ形式のアルバムを何年も、買い足し、増やしていきながら使っている人は多いでしょう。そして、ファイル式のファイルを加減ができるアルバムが人気です。出産祝いに“豪華アルバム”をもらっても使わないのです。

* とはいえ、10年を越えて、同じ形式のアルバムを使っていると、追加補充用紙の製造中止を宣告され、立ち往生することがでてきます。

* そもそも、デジタル・カメラ時代になって、アルバムそのものが消えつつあります。結局、過去の写真を見ること自体がなくなりそうです。アルバムは、古い友人、成長した子どもらと会話に不可欠なツールだったのですが、ここでも、親子の会話の足がかりを失うのです。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (せーや)
2007-12-29 14:30:15
「知的生産の技術」私も読んでみようかな・・・
今年もお世話になりました。良いお年を!
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今、論文を書くために (f (セーヤさんへ))
2007-12-30 19:43:57
今、ネットにあらゆる情報があふれています。
どう自分のものにするかでしょう。
情報が多すぎるからこそ、整理術が必要です。
今も、色あせないないと思います。
(f)
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迎春 (せーや)
2008-01-03 23:51:47
今年もよろしくお願い致します。
今の時代情報があふれています。その情報が有益なものか?そうでないのか?またただ情報を集めて満足しているだけなのか?難しいです。最近、こんな本を読みました。「3時間で専門家になる私の方法」佐々木俊尚。
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2月の山中湖で (f (せーやさんへ))
2008-01-06 23:28:46
この頃、ネットでちょこちょこっと検索して、30分で評論家している人がいます。・・・私です。
(f)
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