*右は、吉田ルイ子さんの一冊目、サブタイトルは、ブラック イズ ビューティフル。
ブログは、出稿原稿ではありませんから、何を書いても、どんな書き方をしても問われないようですが、世間の目にふれるものです。日頃いいかげんな私も多少は、気をつけています。
“黒人”と書きながら、まずいだろうなと思うのです。
肌の色が黒いように見える人の意味なのです。もちろん完全なアメリカ人です。アフリカ系アメリカ人と書くのが、ほんとにいいのかなあと思うのです。
公民権運動もそうです。英語では、Civil Rights Movementです。黒人解放運動と書くのは、おかしいし、無礼な話かもしれません。
短く判りやすいかなという気持ちが働いていたのです。
*アメリカ黒人解放史(1971年)、右を持っているのに、埼玉県立熊谷図書館の廃棄本(左)を出かけて拾ってきた。
日本には、女性解放運動なんて、言い方もありました。今、女性解放と書くと、女性たちの“総スカン”に会いそうですが。
このあたりの、私の意識は、1960,70年代のままなのかもしれません。
さて、アメリカは、United States of America だから、アメリカ合衆国でなくアメリカ合州国と、こだわった本多勝一(元朝日新聞記者)さんは、最近の著書では、普通に、白人・黒人と使われています。
私は、本多さんの本はほとんど買っていません。それ以上に買って読んでいたのが、吉田ルイ子さんの写真とエッセイです。70年代にニューヨーク・ハーレムに住み、黒人社会の実情を書いて来られました。<黒いアメリカ人>と書かれることがあります。たくさんはでてきませんが、黒人と書くことに慎重だとは感じません。逆に、<ブラック イズ ビューティフル>の自信さえ示されています。
ここで、思い出すのが、子ども向けの本<チビクロ・サンボ>です。
正確にいつごろのことだったのか覚えていないのですが、人種差別だといって、図書館などから排斥されました。そして、かなりの年月がたって、その排斥行きすぎ論や勇気ある復刊が話題になりました。
(ちらっとみただけですが、今もブログやWebにその痕跡が残っています)
私のうちにも、<チビクロ・サンボ>が一冊あります。私が買った覚えはありません。たぶん、ご近所からもらったものでしょう。
2,3日前に、4歳の孫に読んでみました。私は、<読みながら、おもしろくないなあ>と思ったから、熱がはいりません。
トラがグルグルまわって、バターになるなんて、面白くもなんともありません。小学生のあたりの感性は、違うのかもしれません。
この絵には、差別を感じました。しかし、黒いサンボと、お父さん・お母さんら家族は登場しますが、白人との対比が出てくるわけではありません。
アフリカ?トラが出てくるからインド?椰子の実が出てくるから東南アジア? の人たちがどう感じるかでしょうね。
私は、子・孫には、読ませたくないと思いました。
【おまけ】
* ウチにある<ちびくろ・さんぼ>は、岩波子どもの本(岩波書店)の一冊で、1953年第1刷、1978年第23刷です。原本は、Little Black Sambo by Helen Bannerman and Frank Dobias, 1927。
* カルピスのこの広告(マーク)を覚えていますか。最近見かけません。使われないのは懸命でしょうね。
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