蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

「沓掛国家公安委員長」は警察の傀儡か、バンソウ膏か?

2006-05-24 19:57:06 | 時事所感
 5月24日(水)晴れ後曇り。

 今朝、例のとおり「スーパーモーニング」を見ていたら、どうしたわけか画面に沓掛国家公安委員長が、どこかの玄関ホールを歩む姿がアップで写り、秋田県藤里町での畠山彩香ちゃん(9歳)の死亡事件について、「今、県警は事故と事件性の両面で当初から懸命に捜査している」と、コメントしているのを垣間見た。

  そのあと、カメラは彩香ちゃんの祖母のコメントを求める場面を写した。インタビュアーが「今のコメントについてどう思いますか?」と、マイクを向けた。
 
 「私たちは最初から、これはおかしい?、あの子は決して川で死ぬような子じゃあない。もっとよく調べてくださいと、何度もお願いしてきたが少しも聞いちゃくれない。私たちじゃあどうしていいか分からない。それで、とにかくあっちこっちお願いしてビラ貼らしてもらたっりしてきたが、何にも分かりゃしない。今だって警察に電話したって、『まだ何も言われて(上から?か)いない』って言ってた。」と、答えられていた。

 これを見ていて、沓掛国家公安委員長とは一体なんだ!と聞いていてはらがたった。これでは、単なる警察の不作為を糊塗し、粉飾代弁するバンソウコウではないか?。
 一体何故こんな発言をするのかと不審に思い、国家公安委員会のホームページにアクセスしてみた。そこに5月19日開かれた記者会見でのやりとりが、下記のように出ていた。

『(沓掛国家公安委員長発言)…政府におきましても、子供を犯罪から守る対策等を決めまして実施しているところでございますが、なお一層この問題には、本当に国を挙げて積極的に取り組んで行かなければならない、極めて重要な課題だと思っております。
 国民の側から見ても、不安を持って生活を送るということは、政治としてもっとも避けなければならないことでございますので、国民が自分の子供、家族と生命を守れる、そのような社会づくりを国を挙げて対応していかなければならないと思っております。
 もちろん、これを取り締まる警察官、警察等におきましても、この問題には積極的に対策を打ちつつやっていきたいと思っております。

問(記者) 今の質問に関連して、現場では、昨日殺害されているのが見つかった男の子のすぐ近くに住む女の子の事故がありましたが、住民や遺族からは、警察が事故として捜査を打ち切ったのではないかといった疑問の声が一部では出ています。
 秋田県警の捜査に関しまして何か御所見がございますか。

答 テレビやその他で私も今言われたことはよく見ております。秋田県警にどのような状況か更に再質問をして、その状況等を確認させていただいておりますが、秋田県警におきましては、この問題については、事故と事件の両面で継続捜査中であるということでございます。
 この辺りは、能代市の昔は二ツ井村といった所で、米代川の支流であるのですが、静かな寒村的な所でございまして、このような所でこのような事件が相次いで起きるというようなことは、大変重要な問題だと思っております。
 秋田県警としては、この問題が起きてから事故と事件の両面で今もずっと継続捜査中であるということでございます。

問 今の確認ですけれども、事故と事件両面でというのは、先に起こった女の子のケースに関してもということですか。

答 そうです。女の子に関してです。今申し上げた事故、事件両面でというのは、前の亡くなられた女の子のことでございます。

問 女の子の事案が発生してからの対策については、秋田県警に特段不手際があったということではないということでよろしいでしょうか。

答 そうでございます。』

 記者会見での応答はここで終わってる。
 何か、事前に、事務方が用意した答弁書のまま、他人事のような回答ぶりではないか?
 また質問する記者は、一度でも現場へ跳んで行ってきての質問だろうか?。
 先ずそんな手間はかけていまい。
 支局に、ちょいと電話して、そこで聞いた話しか材料がないのだ。だから耐震偽造追求の馬渕議員の質問振りのような迫力のかけらもないのだ。
 これでは、おざなりの国民目くらましの茶番劇、定例のセレモニーでしかないではないか?。
 本来なら、「亡くなった彩香ちゃんの母親や祖母が納得するよう、とことんちゃんとやれ!。お前らやってます、やってますって言うが、誰も納得していないじゃないか?。
 きれいごと言うな!」と、警察庁・秋田県警を一喝するのが、国民の代表として警察機構を監視するのが、あんたの仕事ではないのか?。
(※法のたてまえでは、直接具体的事件について指揮監督することはできない、ことは百も承知の上で、委員長としてどっちをむいているかの姿勢を言っているのだ。)

  ここで話はそれるが、たまたまgoogleで「国家公安委員会」をクリックしていたら、「忍び寄る警察国家の影」として、元国家公安委員長(平成8~9年)を勤められた白川勝彦元議員の実に痛快な水戸黄門漫遊記まがいの話が出ていた。

  白川元議員が2004年11月11日、普段着で渋谷の駅前付近を歩いていたら、いきなり4人の屈強な制服警官に取り囲まれて、ポケットの中を見せろとズボンの上から手でさぐってくるという違法な職質を受けたのだそうだ。
  それに怒りを覚え、署長に抗議すべく渋谷警察署に4人を引きつれ、一件落着に至る経過が詳細にでていた。そして、国民が職質への対応に無知なことをいいことに、違法を承知で行う、警察官の職質を通して垣間見える、警察権力の独善的なありかたに、警告を発している。

 これを読むと現行刑法においてさえ、これだけのことを平気で行う警察に、共謀罪などという玩具をもたせたらと思うと、ぞっとして背筋が寒くなる思いがする。
 
 とにかく、また脱線してしまったが、渋谷署では幸い白川元議員が、国家公安委員長についていたことを直接知っていた副署長が応対に出てきて、穏やかに話が収まるのだが、その際の副署長の前に対応した課長の言葉が、現行の国家公安委員長(公安委員会制度というもの)に対する警察の舐めた姿勢がよく出ていることである。

 それは、「もし、あなたが国家公安委員長をした人ならば警察官をくるしめるようなこんなことはしないはずだ」と平然とのたまうのである。
 おまけにこの何とか課長殿は、白川先生に向かって「国家公安委員長は、どうやって任命されるのですか?。どういう仕事をするんですか?」と、白川先生に口頭試問をしたつもりか、ほんとに無知なのか、臆面も無く質問する始末である。
 
  言い方は悪いが、地方の田舎警察の話ではない。天下の首都の渋谷署のいやしくも課長である。それがこんなことも知らないとは、そんな頭で刑事訴訟法をもてあそばれた日にゃ、主権者たる国民はたまったものではない。
  謂わばこずるい使用人に、お人よしでおめでたい旦那が、いいように小突き回されているようなものではないか?。

  件の沓掛委員長殿、ぶぶりすてら国会議員名鑑で調べたら、ぶぶりすてら点数:47.7で平均以下、さもありなんだ。東大工学部卒、建設官僚、参議院当選4回。76歳とあった。
  建設官僚として、国民と直に触れ合う機会もなく、内部でぬくぬくと長年、計算と線引きやってきたしかないであろう人物に、人権や犯罪被害者の痛みなどわかろうはずもないことぐらい、お天道様が西から出て東に沈むようなものではないか?。
 
  以前に、ろくにまともな国会答弁もできない、法曹とは無関係の世界に生きてきた看護師の大親分上がりを、平気で法務大臣に任命(本人もよくもまあ、大臣と名がつきゃありがたがっての、何でもぱくつく無責任、無知蒙昧のどしがたさだが)して、てんと恥じない小泉大宰相の国民を舐めきった本性をよく示しているではないか。

  まあ、少なくとも、白川先生が時を違えて現内閣の国家公安委員長なら、沓掛時次郎ならぬ沓掛アホ次郎と呼んでみたくなるような、このようなお答えはなさるまいに。
  先生は、委員長のとき、口をすっぱくして国民のための警察をめざして、”はぐれ刑事純情派”の藤田まことのような刑事を大切にして欲しいと、言い続けられたそうな。
  それにしても、この白川先生、改めて調べてみたら、公明党との連立をよくないとして離党されるなど、何事も筋を通される立派な政治家のようである。選挙区新潟の有権者はどうしてこのような真の政治化を選ばずして、まがい者(?)ばかりを買いたがるのか不思議なことではある。

と、思うこの頃さて皆様はいかがお思いでしょうか?。

    <参考:白川勝彦氏のサイト.www.liberal-shirakawa.net/

ー追記ー

 秋田県にも秋田県公安委員会があります、ここもクリックしてみたら、お三方の立派な経歴をお持ちの委員様が鎮座ましましていられます。
 毎週1回水曜日に、定期会合をもたれているようですが、今回、足元でこれだけ全国の注目を浴びているというのに、うんともすんともおっしゃらないご様子。
 一体これで、水曜日とかの定例会議では、どんなお話をされているのだろうか?。
 伊藤園のペットボトル緑茶”伊衛門”のお茶でものんびり飲んでお茶を濁してでもいられるのでしょうか?。
 それとも、畠山彩香ちゃんのお母さんが、せっかく「警察官の職務執行に対する苦情申し出制度」という立派なものがあるのに、何も言ってこないから、こちらからは、どうすることもできないないのだ。
 とお決まりの逃げセリフを用意して、誰か来てドアをノックするのを、今か今かとビクビクしながらお待ちになっているのだろうかと、
 これは、山家の隠居の下司の勘ぐりでしょうか?。