蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

歴史的瞬間を視た!―オバマ第44代アメリカ合衆国大統領当選―

2008-11-05 23:34:06 | 時事所感
歴史的瞬間を視た!―オバマ第44代アメリカ合衆国大統領当選―

11月5日(木)快晴。暖。

  夜のNHKニュースで、第44代アメリカ合衆国大統領に当選したオバマ氏のシカゴでの勝利宣言を視聴した。
  簡潔で力強く素晴らしい演説だった。演説を聴く黒人も白人も涙していた。アメリカの人種差別の根深さを日頃聞かされている中で何と感動的なできごとではないだろうか。私の目にも熱いものが吹き零れた。パリでもベルリンでも喝采する人々の姿があった。
  世界中に垂れ込めていた暗雲が晴れ渡る思いがするといったらおおげさだろうか。
  彼は人種間の融和を説く。力ではなく対話を説く。競争しあうことではなく助け合う事を説く。今、全世界の人々が一番必要としていることではないか。
  今回の事は、おそらくは今世紀初頭の最大の世界史的事象として記憶されることになるのではにだろうか。
 
  それにしてもついに黒人(混血)大統領を選ばざる得なくなったアメリカ国家の変容とは、一体どのようなものなのだろうか…。
  白人至上主義のアングロサクソン人主体国家において、このような選択が行われるとは…。そこまでアメリカ国民大衆の生活がギリギリまで窮迫していると言う事ではないのだろうか…。
  とはいえ、このような選択を行ったアメリカ大衆の勇気とアメリカ社会のダイナミックさに羨望を感じずにはいられない。
  これに反して我が日本社会のひ弱さ無気力さは、日本の歴史始まって以来ではないだろうか。
 今、党名は同じ民主党でもたとえ来る衆議院選挙で小沢民主党が勝利したところで、残念ながらオバマ民主党勝利の感動には遠く及ばないことは確かだろう。
   よれよれの黒か白かも判じ難い小沢代表には、現下の日本社会の閉塞状況を打開し、次代への希望の展望など何ひとつ期待させてくれるものがないからだ。
   民主党は、せめて岡田氏を代表とすることもできないのだろうか。岡田首相とオバマ大統領なら少しは話がかみあうのではないだろうか。

   とにかく今回のアメリカ大統領選挙の結果は、資本主義のあだ花新自由主義がいくつくところまでいき破錠した結果の歴史的必然としての、新たな世界的枠組みへの胎動ではないのか…。
  今回の金融恐慌については、機軸通貨制度の問題性が言われ、ノーベル賞受賞の経済学者までもが国際機軸通貨制度の必要性を主張し始めている。
  世界が同一の通貨を使用すれば、為替差益による馬鹿馬鹿しく不経済、不合理な問題も解消する。
  同一通貨が流通するためには、世界政府が必須となる。国際警察司法機構も必要となる。そうなれば、肌の色の違いでいがみ合っている暇は無い筈である。
  オバマ新大統領の出現は、そんな世界政府実現への予告ではないだろうか。

  これからの人類社会は、世界政府の実現無くしては、地球上の全ての人々が平和の内に幸福な未来ある人生を謳歌することはありえないのではないだろうか。


現下の不況対策は農林業再生によるべし!

2008-11-03 23:34:36 | 日常雑感
11月3日(月)曇り一時薄日射す。

  今、世界金融恐慌の真っ只中で、倒産、契約破棄、受注の大幅減、これに伴う突然の解雇、リストラ、派遣労働者の契約破棄等々我国戦後最悪の雇用情勢を来たしているように思える。
  この厳しい状況に対して、麻生政権は長期抜本的な対策をとろうとはせず、もっとも安易な国民一人当たり1万5千円とかの現金だかクーポン券を配ってお茶を濁そうとしている。
 これこそ、朝三暮四の譬えどおり、全国民を人間より毛が三本たりないさるに見立てのまさに国民を馬鹿にし、愚弄した何ものでもないではないか。

  しかも、この財源を麻生お坊ちゃま総理のポケットマネーで賄おうと言うのならなにおかいわんやである。
  ところがどっこいその原資は霞ヶ関の埋蔵金とか何とか。しかも三年後には消費税を上げますよとのご託宣。
  何のことはない目先目晦ましの飴をばらまいた後、たんまり民草の膏血を絞りとろうとのまさに猿知恵以外の何者でもないではないか。
   
  こんなはした金をばら撒くぐらいなら、もう少しまとまった将来に意義あるやりかたはないものだろうか。

  私は、その一案として、今、荒廃しつつある日本の農林業再生に使うべきだと考える。
  たとえば、都市部以外の市町村単位に農林業公社を設立し、ここに休耕田や耕作放棄地、或いは高齢化で耕作が困難になっている方々から、自己所有の耕作地の委託を受けるのである。
  そして、公社は、都会地で職を失っている若者を募集し10年契約雇用し、1,2年農業技術を教えて彼らにその受託農地を耕作させるのである。
  今、中国、ロシアの上層階級は、日本の農産物に目がないそうである。ロシアでは日本産のブドウ一房が2万円でも売れと言う。福岡のひとめぼれとかいういちごは、タイでは日本での10倍の価格で売れるとか。中国では日本産の米が日本での3倍の価格で売れるとか。

  今や、日本人の繊細で丁寧な栽培技術による農生産物は世界の垂涎のまととなりつつあるようである。こんな我国の特性を生かさない手はあるだろうか…。
  近い将来、日本の農業生産物はそのほとんどが輸出となり、代わりに日本人自身は外国産の粗悪な農生産物で我慢しなくてはならなくなるのでは…。
  若者の農業技術の取得には篤農家といわれるようなレベルを期待するのでなければ、私自身の経験からも1,2年の講習で相当のものとなるのではなかろうか。
  勿論この間有給とすべきはいうまでもない。1ヶ月2、30万円の給料とするのである。これだけあれば、夫婦子ども一人は食べていけるのではないか。ただし、給料は技術の取得具合で若干の差をつけることとすれば、なお一層効果的ではなかろうか。

  また、一方、こうした公社が受託した耕作地の整備統合には、今、不振の建設業者を活用することである。建設業者は、荒廃しつつある山林の整備にも活用できる。

  この施策の実行により、今進みつつある都市と地方の格差解消、地方の活性化にも大いに効果があるのではないかと思うのだが…。

と、山家の半隠居は空想してみるのだが、さて皆様はいかがお思もいでしょうか。