蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

夏場所千秋楽<蛾遊庵ピックアップ>ー優勝、やっぱり白鳳だったか!

2006-05-22 03:08:25 | フォート・エッセイ
 5月21日(日)晴れ。夏日。

 大相撲夏場所、早くも千秋楽。朝青龍の休場にも関わらず、新入幕・怪力無双の把瑠都、復調著しい昔平成の怪物といわれた雅山の活躍で大いに盛り上がった。

 優勝は、ぎりぎりまで雅山か、あるいはひょとして把瑠都とかと思っていたら、やはり大方の下馬評どおり、三度目の正直で白鳳が初優勝した。

 それにしても、相撲を見ていると、つくづくと、そこもやはり人の世の定めというか、人生の縮図を眼前に見る思いがする。

 というのは、大関までいって、次は横綱と期待される力士のうち、期待通りに綱の取れる力士がいかに希少かということである。

 そして、上がる者は、若いうちに一気呵成に上がりきってしまうということである。

 最近の例でも昨年あたりの魁皇しかり、今場所こそはと期待された栃東が、横綱どころかと序番早々怪我して休場のありさま。

 今日の雅山も、入幕したての頃は平成の怪物と異名をとったというのに、その後怪我に苦しんでいたのが、漸くの先々場所以来復調著しく、今場所こそはと期待したがやはり今一歩に泣いた。

 28歳の雅山と21歳の白鳳。若い勢いには勝てないのだ。

 特にスポーツの世界は肉体が勝負だけに余計体力の如何、若さがものをいうようだ。

 そんなことを思いつつ今日、気に留めた一番を、以下にアップしてみた。

■ 高見盛対露鵬

 いつもいつも、自らに渾身の気合を入れて勝負に向かう姿勢がすばらしい。今日は崖っぷちの勝ち越しをかけての大一番。重い露鵬を何とか寄り切り、地位を守った。

   

■ 琴奨菊対岩木山

 岩木山ももくもくと一生懸命な相撲をとる。だが、先日、把瑠都に一掴みされて土俵の外へ投げ出されたショックがまだ癒えないかのようだ。寄り切りで負け越してしまった。

  
 

■ 稀勢の里対黒海
 
  稀勢の里、19歳。しかし、少しも臆したり遠慮したりの風情はみじんもない。
  少々はらはらしたが、今日勝ち越して、来場所三役はかたいという。

  

■ 玉乃島対安馬

  取り直しの一番。最初、行事軍配は安馬にあがった。が、物言いがついて取り直し。体力のない安馬にもう余力はなかった。惜しかった。安馬は満身創痍にみえる。来場所はもう少し身体をつくってきてほしいものだ。

   

■ 朝赤龍対雅山

 本日の大一番の一つだ。堂々と危なげなく押し出した。これなら、優勝決定戦もいけると思ったのだが…。

   

■ 把瑠都対白鳳

 この一番も、本日期待の大一番だった。把瑠都が怖いもの知らずで一気にいくかと思ったが、さすが大関である。軽く土俵に這わした。

 
  
■ 白鳳対雅山 優勝決定戦
 
 そして、優勝決定戦。固唾を呑んだ。だが、雅山の突き押しが朝赤龍のときのような鋭さがない。スタミナ不足か。ずるずると押されて寄り切られてしまった。残念無念!

 白鵬はまだ若い。雅山には後が無い。ここは雅山にと念じたが通じなかった。
 白鵬はよほど嬉しかったらしい。優勝インタビューを受ける顔のアップに汗とともに光る一粒の涙をみた。

  

    

 そして思ったのは、洋の東西を問わず子を思う親心である。モンゴルから応援に駆け付けているモンゴル相撲大横綱であったというお父さんがこの日も、我が子白鵬の傍に寄り添うように片時も目を離さないのだ。

 と、思うこの頃さて皆様はいかがお思いでしょうか?