蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

「共謀罪法案は、どこへいった?」-平塚殺害事件報道の影でー

2006-05-12 00:52:41 | 時事所感
 5月11日(木)雨のち曇り、夕方近く薄日射す。気温16~20度。

 このところ、朝の「スーパーモーニング」、チャンネル回せば平塚事件一色である。毎日毎日、飽きもせず同じ事件を針でつつくように、何を食べたとか、買ったとか、タクシー乗り放題とかを追っかけ取材でやっている。

 まるで他に重要なニュースが、何も無いとばかりに。何故なんだ?。

 こんな事件、猟奇的というか、それこそ何千万人に1人の性格異常者の特殊犯罪と見るべきで、被害者も親族の範囲であり、今のところ赤の他人にまでは及んでおらず、近頃の青少年による無軌道・無差別殺人事件ほどの一般性は極めて薄いとみるべきではないか?

 ならばそんなものをいくら突っついたって、今後の犯罪抑止のためにいったい何がでてくるというのだろう。

 それよりも、性懲りも無く今になってもいたちの最後っ屁のごとく、まるで親の敵を打たん執念で、今年こそは8月15日の終戦記念日に靖国参拝を果たさんとの大宰相閣下の目論見の如何。

 耐震偽装の捜査の動向?。或いは、今国会ででこそと、二年がかりの「共謀罪法案」を成立させようとの動きについて、またその法案の中身や多くの各界の人々の懸念について、一言も取り上げようとしないのは何故なのか?。

 この法案が通ると、ある人々は「日本が北朝鮮のような暗黒独裁国家になる」とおっしゃる。電話や、メール通信のやりとりが盗聴、検索されるようになるという。
 どこまで真実何だ?。それが知りたい!。日本弁護士会では反対のパンフレットまで作っている。自民党と今やどっちがどっちだかわからない民主党も反対している。

 その疑問に、法務省はQ&Aのホームページまで開設して、燃え上がる国民の疑念の炎の消火に躍起の有様。どうも怪しい?。その真意は?

 私(山家の隠居)のにわか勉強では、よく理解できないが、この法案の骨子を読んでみると、犯罪が現実に実行される以前に、二人以上で「あいつ、気に食わないから殺っちゃおうか?」という段階で、捜査機関の知るところとなれば、即逮捕できる、ことになる恐れのある法案らしい。

 まあ、そんな法律できたところで、今でさえ、栃木のリンチ殺人事件に見られるように、現実に拉致されて引きづり回されて、両親が必死に何とか捜査してくれと頼み込んでも、のらりくらりと動かなかった警察が、とても法律の意図する通りなんか動きっこないと見るのは、楽観すぎようか?

 こんな法律無くったって、国家権力は今でさえ、鈴木宗夫氏や佐藤優氏を、そしてライブドアのホリエモン氏と、いくらでも思いのままに、微罪をもっともらしく厚化粧させての国策捜査という手があるではないか?。

 そんな怪しげ訳の分からない猛犬ブッシュに尻尾振っての、「共謀罪法案」成立にうつつをぬかすより、何より現下の急務は、子供だろうと大人だろうと、精神障害者だろうと何だろうと、「一度殺意を持って故意に人を死に至らしめたら、原則、死刑の刑法改正」が真っ先ではないのか?。

 超大国・先進国(?)中国では、年間8000人も処刑されるとか。
 これによって少しは殺人罪が抑止されれば、警察官や刑務官も減らせ、今やすし詰めと聞く刑務所の過密も少しは緩和されるのでは?。
 そして、可愛い子供たちだって少しは安心して、登下校でき、昔のように道草を楽しむことだってできる世の中になるのでは?。

と、思うこの頃、さて皆様はいかがお思いでしょうか?。