蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

竹島・尖閣、北方領土…国境紛争の愚!=愛国心に踊らされるの愚!

2012-08-21 22:25:20 | 時事所感
8月21日(火)晴れ。

 このところ、朝、TVを点ければ、新聞を開けば、竹島、尖閣で騒がしい。そしてこの間、オリンピック前には北方領土を、プーチン大統領が視察したとかどうとかで喧々諤々だった。

 しかし、これら皆、日本とロシア、韓国、中国、台湾との間の国境争いだ。
そしてこれらは皆、明治維新・日清、日露の大軍(おおいくさ)に乾坤(けんこん)一擲(いってき)大勝し、以来、国運隆々、世界の帝国主義国家の驥尾(きび)を拝して、我もまた満州にシベリアに大東亜共栄圏の大帝国の建設を目指して、一路突き進もうとした世界に冠たる大日本帝国が、その進路を米・英・欄の先進帝国主義諸国に阻まれたところ、昭和天皇を元首といただくその股肱の忠臣の献言止み難く1941年12月8日、対米・英・欄に宣戦布告し、一か八か国運を賭して太平洋をも狭しとばかりに、東に南に波濤を蹴立てて猪突猛進、結果、時に戦いに利あらず、1945年8月15日、広島・長崎に人類史上初の原発を二発くらわされて、赤子たる一億国民の命運はともかく、 現人神(あらひとがみ)たる天皇陛下ご一身・国体の護持の保障を最後の最後まで求めつつ、この間の躊躇にさらぬだに失わなくてもすんだ百万以上の国民の生命財産を積み上げて、泣く泣く連合国軍側に無条件降伏したことによって、もたらされた結果ではないのか。
 
 一度、相手国に向って宣戦布告するということは、負ければ全てを失い、死を覚悟してのことではないか。その覚悟がなくて何の宣戦布告だろうか。
 こうして日本は負けたのである。その結果、北方領土はロシアに占領されたのである。ロシアの参戦については、日本の敗戦間近、どさくさに紛れての火事場泥棒の観あることは承知の上である。だがそれを招いたのは、当時の我国の戦争指導者の読み間違えの結果でしかない。
 
 そして、竹島についても、日本が連合国の占領下にあって手も足も出ない間に、大日本帝国の頚木から自由となり1948年、独立した大韓民国・李承晩大統領が38度線を勝手に引いて、それまでは明確に日本の領土だったものを、取り込んだとされている。
 それを、わが国は今になって不当だと主張する。
 だが、これとて、そんな勝手なことをされても当時、我国の手も足もでないようにしたのは一体誰の責任だというのか。
 全ては負けると分かっていながら戦争をはじめてしまった当時の我国の為政者にあるのではないか。
 さらに云えば、我国は大日本帝国の天皇陛下の命の下に、韓国にどのような仕打ちをしてきたか。李氏朝鮮王国を併呑し、民族としての独立と自尊を奪い、その民を日本臣民とし、内心はこれを属国の民として様々に蔑視し、差別し、戦時には都合よく日本国天皇陛下の忠良なる兵士たることを求め幾多の犠牲を強いたのである。
 
 かかる扱い、民族としての誇りを長く踏みにじられながら、その怨恨は、戦後半世紀もたってから、「痛惜の思い…」ぐらいの一言で糊塗されたぐらいで、果たして収まるだろうか…。こんなことは、彼我の立場を変えてみれば、子供にだって直ぐに想像できることではないか。

 中国についても同様である。日清戦争に勝利して以降、病み衰えた巨象に噛み付いた狼のように、満州を侵略し、対支21か条を突きつけ、遂には、中国大陸深奥を蹂躙したのである。
 
 こうした近々この一世紀の我国近代史の経過を振り返れば、我国はいかほどの正当性をもって声高に、現在の韓国、中国、ロシアの不当をなじられるだろうか。
 遠因は、皆、我国にあるのだ。
 
 そして、今、一番の問題は、21世紀に入った我々が、いつまで窮屈な国家という概念で我が身をお互いにがんじがらめにして、本来は誰のものでもない地球表面を、それぞれが勝手にその占有権を主張して、区々たる国境なるものを限って、角突き合う愚を、今後いつまでかさねればならいのか。

 今こそ、人類は、かかる国家・民族の争いを調停するために、武力、腕力にものいわせるのではなく、何事もお互いの話し合いによる解決を可能とする国際紛争処理機関を設置し、その調停案に実行力をもたせる国際警察機構の確立を期すべき時にきているのではないか。

 我国のような中小国が、ふりかかる国際紛争の火の粉を振り払うには、如上のような国際機関の設立に向けて、他の中小国と連携して、その魁となることが、一見は迂遠にみえながらも、もっとも妥当な策ではないのだろうか。
 それまでは、いたずらに中・韓、ロシアの挑発にのることなく静観しつつ、こちらに理ありとするところを静かに世界世論に向けて主張していくことではないか。

 なお、一歩譲ってみて、これら国境線上の資源を云々したところで、それらは只で手に入れられるものなど何一つ無いのだ。漁業資源にしろ、海底鉱物資源にしろ、それらは所詮資本を、労力を投じなければ得られないのだ。投じた資源を回収するためには、それを売却しなければならないのだ。その資源が必要ならば貿易をとおして買えばいいのだ。
 その場合、その資源が自国の領域だとて、いくばくの価格の相違があるだろうか。資源は市場化価格で決まるのではないか。さすれば、その資源の所在が、自国領、他国領ということでいくばくの相違があるというのだろうか。
 最も、先年問題になったレアメタルのようなものであれば別かもしれないが。しかし、それはよほど特殊な事例ではないか。そんな稀有な事例のために、国境紛争のために、たった一度しかない人生、僅か7、80年の貴重な国民一人ひとり人命をかけてまで相争う意味がどこにあろうか。

 今や、愛国心などは百害あって一利なしの時代にきているのではないか。それよりも心広くして、地球人類皆同胞の心もちで愛人類・愛地球心こそが求められる時代にきているのではないか。
 ちなみに私の弟の妻は、上海人。そして今、日本人の若い女性で農家の嫁を望むものは皆無に近いのだ。その結果、近所には、ヴェトナムやフイリッピンからの愛妻と夫婦仲良く農作業に励み、暮らしている家族がたくさんあるのだ。 かって、50年前にこんな日常風景が直ぐ近所にあったであろうか。

 そして、最近、読んだ、水上勉の最晩年のエッセイ風の作品、「花畑」に出てくる信州佐久に住む75歳の左官屋さんは、実の親子でありながら、情薄く打算しかない我が子や孫よりも、独り暮らしのいきつけの近くのスナックへ出稼ぎにきたタイ人の歳若い女性の真実さに惚れて、自宅の松の大木に鳥の巣箱のような家を建てて、彼女の仲間と一緒に住まわせ、それを横から静かに眺めるのを生き甲斐としているのだ。
 人間同士が、真に人間同士として向かい合えば、そこに国境なんてものはなんと虚しく無意味なものではないか。

 にも拘らず、現実の国境は、それあるが故に、いかにそれを巡って多くの紛争と悲劇をもたらしてきたことか。
 国境なるものは、各、国家の支配者たる親分衆・既得権益絶対保持集団が自分たちのそれを守らんがために、愛国心なぞと一見耳障りの好い猫なで声で無垢で弱者の被支配民たる多数国民を韜晦しつつ、所詮は己が領域、縄張りを自分は安全な場所に座しながら、多数国民の血と汗で守らせんがためのものでしかないのではないか。

 そんなものを守るために、我々国民は愛国心の笛の音に乗り、騙されるべきではないのだ。踊らされるべきではないのだ。

桐光学園、松井投手敗退を惜しむ!

2012-08-20 19:08:24 | 時事所感
8月20日(月)残暑厳しい一日。

 昨日、今日と珍しく高校野球を視た。
 昨日は、午前中、桐光学園と沖縄、浦添商業との試合。22三振も奪ったと聞く桐光学園の松井裕樹投手の投げっぷりを視てみたくなったからだ。

 残念ながらこの日は、少し疲れきみだったのか三振は12個とまりだった。それでも相手の浦添商業の粘りもあり最後まで目の離せない好ゲームだった。
 一息ついて、午後からの第四試合、地元山梨代表東海大甲府対山口県代表宇部鴻城戦を視た。こちらも何とか東海大甲府が勝った。地元とはいえ誰一人知った選手がいるわけではないが、やはり地元が勝つというのは気分のいいものだ。

 そして今日、朝一番、昨日勝った桐光学園と準決勝進出をかけた青森県代表光星学院との試合を視た。さすがの怪物君、松井裕樹投手。最初は悪くなかったが、味方の再三の出塁にもかかわらず得点に結びつかないなかで、三振は毎回とりつつも、肩で大きく息を継ぐ仕草がめだってきた。これは危ないなと視ていた。

 案の上だった。8回ついにつかまり3打点を奪われて涙をのんだ。
 なぜか吾がことのように残念だった。試合後、整列して天を仰いで泣く姿があった。その彼を捕手の宇川選手が一生懸命背中に手を回して慰める姿があった。彼は試合中も、松井投手がピンチになると、そばへ駆け寄り、微笑みかけながら松井選手の両頬を軽くチョンチョンとタッチするのだった。優しい兄気が弟を気遣うかのようにみえた。

 そして、松井選手はピンチをしのぎ、0点におさえると、毎回、何故か全力疾走してダックアウトに駆け込むのだった。
 その姿が、実に子供っぽくて好感がもてた。
 彼は、家族はもとよりチームメイトからも学友からも皆から愛され信頼されているように見えた。そのことが彼を伸び伸びとその天性を発揮させているのではないだろうか。
 彼は、まだ2年生。桐光学園はその2年生が中心のチーム。来年は、松井投手が、涙で誓うよう、必ずや、その優勝旗に輝く笑顔をみたいものだ。

<参照>

松井「気力だけ」で15Kも涙/甲子園

2012年8月20日(月)13時51分配信 日刊スポーツ
<全国高校野球選手権:光星学院3-0桐光学園>◇20日◇準々決勝
 桐光学園(神奈川)のドクターK、松井裕樹投手(2年)が準々決勝で涙をのんだ。投手戦となり、互いに無得点のまま迎えた8回。2死一、三塁から、光星学院(青森)・田村龍弘捕手(3年)に左前打、続く4番北條史也内野手(3年)に左中間二塁打を許し、3点を失った。
 今大会初の連投で「朝から体が重くて腕が振れなかった。気力だけだった」。疲労が残る状態で、2日間で296球を投げた。それでも2季連続甲子園準優勝の光星学院から毎回の15奪三振。出場した10人全員から三振を取った。4試合連続の2ケタKで、通算68奪三振は板東英二(徳島商)、斎藤佑樹(早実)に次ぐ歴代3位。涙で目を真っ赤にしながら「来年はレベルアップして甲子園で優勝したい」と話した。