10月12日(金)晴れ。
昨夕のNHK,クローズアップ現代「相次ぐ餓死・続発の謎 真相は」を視た。北九州市で56歳だかの独り暮らしの男性が餓死しているのが発見された。そばに日記帳があった。最後の一行が、『腹減った。お握りがたべたい…』、だったという。
この男性、身体が弱くて生活保護を受けていた。
しかし、福祉事務所の担当者の生活保護事務のマニュアルに基づく執拗な追求に音をあげて今年4月、仕事を見つけて自立しますと書いてサインしたという。餓死はそれから三ヶ月目のことだという。
医師の診断では、軽作業なら行えるということだったという。だが彼はうつ病気味だったという。医師はそこにはとんじゃくしなかったのだ。
うつ病は難しい。本人以外傍から見ていたのでは、怠けているのか、本当に心の病なのかは見分けがつきそうにない。
私は、今の精神医学を信用できない。母が認知症になったとき、何箇所もの精神科の医師を尋ねたが、素人の私が考えたって分かりきった答えしか反ってこなかった。
母の譫妄にどう対処したら良いかさえ、何も、適切な助言が得られなかった。
今、犯罪が起きると、弁護団はすぐ精神鑑定を求める。そんなもので何がわかるというのだ。真の精神科医であるためには、優れた私小説作家の感受性や、人間性に対する深い洞察力や想像力が必要だとおもう。だが精神科医を名乗る方々のうち一体何人そんな優秀な方がいらしゃるだろうか。
話がそれてしまった。それぐらい人の心の闇を忖度することは難しいということである。だから一概に医者が働けるとしたものをさらに庇うのは、担当者としても難しい事だっただろうと思う。
しかし、行政は何でこうも極端なんだろうか。
北九州市、京都市等、相当以前週刊新潮だったかが、これらの市では、暴力団員までが不正受給していると、そのずさんな事務処理ぶりを盛んに糾弾したことがあった。
ところが、今回の番組で示されたグラフでは、確かに北九州市など、数年前に比べて生活保護受給者が5分の1にも激減しているのである。これはあまりにも不自然ではないか。
その陰には、北九州市方式と称する独自のマニュアルがあるそうだ。このマニュアルどおり進めると、いやでも生活保護受給を辞退せざるを得ない仕組みになっているという。
担当者が明言していた.この通りやろうとすれば,必ずこのような事態が生じると。
厚生労働省は、この北九州市方式にお墨付きを与え今や全国に喧伝しているという。今問題の社会保険庁の体たらくには何十年も頬被りを決め込んでおいて、こういうことになると迅速果敢な行動力を発揮するのだ。
ところで、厚生労働省と言う役所。私は、昔、国民に一番優しい国民の幸せを一番考えてくれる役所、いわば鞍馬天狗のおじさんのような役所だと思っていたが、これはとんだ見当外れのようであった。
今の非正規労働者の増大。年金問題。薬害エイズ。水俣病。ゴールドプラン。等々この役所が係わってきたことでろくなことはないではないか。
またまた脱線してしまった。
厚生労働省は、本当に困って憲法25条が真に必要とする人々を、生活保護から締め出して、それでは明日の米も買う事のできなくなった者はどうせよというのか。
私なら、いっそうのこと、コンビに行って、店員さんに見つかるように万引きをする。そして捕まえてもらう。
しかし、初犯ではこれぐらいでは執行猶予つきだろう。それでは困るのでまたやる。今度はもっと高価なものを狙う。これでやっと念願の刑務所行きが叶う。
日本の刑務所、今や世界一の好待遇とか。ここへ入れば飢えて死ぬことは先ず無いらしい。健康管理もしていただける。しかも作業報酬までわずかとはいえ戴けるとか。
一銭の所持金も無くなった者にとって今や刑務所は天国のようらしい。
「国家の罠」で一躍、外務省のラスプーチンの悪名を脱皮されて、一躍著名人になられた佐藤優氏によれば、東京拘置所の食事内容はもとよりその味付けは、外務所の食堂よりもはるかに良いとか。
厚生労働省は、生活保護予算は余らして、真っ当な人間を前科者に追い込んでも、法務省の予算がヒートアップしても我関せずなのだろうか。
何しろこの国には省あって国無しとか。
世界第何位とかの経済大国ともてはやされる陰で、思いやりや優しさなんて、GDPに顕れない人間にとってかけがえのないものは、一顧だに値しないのだろうか。
私もお握りは大好きだ。だが、これからは、そのお握りを手にするたびに、何処かの物陰からじっと私の手元を窺がう誰かの視線を、当分は感じずにはいられないだろ…。
嗚呼!
昨夕のNHK,クローズアップ現代「相次ぐ餓死・続発の謎 真相は」を視た。北九州市で56歳だかの独り暮らしの男性が餓死しているのが発見された。そばに日記帳があった。最後の一行が、『腹減った。お握りがたべたい…』、だったという。
この男性、身体が弱くて生活保護を受けていた。
しかし、福祉事務所の担当者の生活保護事務のマニュアルに基づく執拗な追求に音をあげて今年4月、仕事を見つけて自立しますと書いてサインしたという。餓死はそれから三ヶ月目のことだという。
医師の診断では、軽作業なら行えるということだったという。だが彼はうつ病気味だったという。医師はそこにはとんじゃくしなかったのだ。
うつ病は難しい。本人以外傍から見ていたのでは、怠けているのか、本当に心の病なのかは見分けがつきそうにない。
私は、今の精神医学を信用できない。母が認知症になったとき、何箇所もの精神科の医師を尋ねたが、素人の私が考えたって分かりきった答えしか反ってこなかった。
母の譫妄にどう対処したら良いかさえ、何も、適切な助言が得られなかった。
今、犯罪が起きると、弁護団はすぐ精神鑑定を求める。そんなもので何がわかるというのだ。真の精神科医であるためには、優れた私小説作家の感受性や、人間性に対する深い洞察力や想像力が必要だとおもう。だが精神科医を名乗る方々のうち一体何人そんな優秀な方がいらしゃるだろうか。
話がそれてしまった。それぐらい人の心の闇を忖度することは難しいということである。だから一概に医者が働けるとしたものをさらに庇うのは、担当者としても難しい事だっただろうと思う。
しかし、行政は何でこうも極端なんだろうか。
北九州市、京都市等、相当以前週刊新潮だったかが、これらの市では、暴力団員までが不正受給していると、そのずさんな事務処理ぶりを盛んに糾弾したことがあった。
ところが、今回の番組で示されたグラフでは、確かに北九州市など、数年前に比べて生活保護受給者が5分の1にも激減しているのである。これはあまりにも不自然ではないか。
その陰には、北九州市方式と称する独自のマニュアルがあるそうだ。このマニュアルどおり進めると、いやでも生活保護受給を辞退せざるを得ない仕組みになっているという。
担当者が明言していた.この通りやろうとすれば,必ずこのような事態が生じると。
厚生労働省は、この北九州市方式にお墨付きを与え今や全国に喧伝しているという。今問題の社会保険庁の体たらくには何十年も頬被りを決め込んでおいて、こういうことになると迅速果敢な行動力を発揮するのだ。
ところで、厚生労働省と言う役所。私は、昔、国民に一番優しい国民の幸せを一番考えてくれる役所、いわば鞍馬天狗のおじさんのような役所だと思っていたが、これはとんだ見当外れのようであった。
今の非正規労働者の増大。年金問題。薬害エイズ。水俣病。ゴールドプラン。等々この役所が係わってきたことでろくなことはないではないか。
またまた脱線してしまった。
厚生労働省は、本当に困って憲法25条が真に必要とする人々を、生活保護から締め出して、それでは明日の米も買う事のできなくなった者はどうせよというのか。
私なら、いっそうのこと、コンビに行って、店員さんに見つかるように万引きをする。そして捕まえてもらう。
しかし、初犯ではこれぐらいでは執行猶予つきだろう。それでは困るのでまたやる。今度はもっと高価なものを狙う。これでやっと念願の刑務所行きが叶う。
日本の刑務所、今や世界一の好待遇とか。ここへ入れば飢えて死ぬことは先ず無いらしい。健康管理もしていただける。しかも作業報酬までわずかとはいえ戴けるとか。
一銭の所持金も無くなった者にとって今や刑務所は天国のようらしい。
「国家の罠」で一躍、外務省のラスプーチンの悪名を脱皮されて、一躍著名人になられた佐藤優氏によれば、東京拘置所の食事内容はもとよりその味付けは、外務所の食堂よりもはるかに良いとか。
厚生労働省は、生活保護予算は余らして、真っ当な人間を前科者に追い込んでも、法務省の予算がヒートアップしても我関せずなのだろうか。
何しろこの国には省あって国無しとか。
世界第何位とかの経済大国ともてはやされる陰で、思いやりや優しさなんて、GDPに顕れない人間にとってかけがえのないものは、一顧だに値しないのだろうか。
私もお握りは大好きだ。だが、これからは、そのお握りを手にするたびに、何処かの物陰からじっと私の手元を窺がう誰かの視線を、当分は感じずにはいられないだろ…。
嗚呼!