蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

―NHKスペシャル「新映像の世紀」時代は独裁者を求めた―を視た

2015-12-20 23:45:11 | 時事所感
12月20日(日)快晴。寒気強し。
 夕食後、なにげなく視た。視終わった今、やりきれない心持になった。人間てなんだろう…。この地上で、全生物の中でなんという恐ろしくもおぞましい生き物であることか…。憎悪の連鎖。復讐の連鎖。ちょっとした弾みで正気を失い狂気に陥って、そのことに気付かないのだ…。集団ヒステリー…。

 最初はちょっとした弾みでの相手への嫌悪感、そして蔑視…。それが個々の段階のままですんでいれば大した事態にはならない…。が、どうしたはずみかで、誰かが声高にその個々の憎しみをあおり、囃しだすと、それはたちまち集団的狂気となって、メガ台風となって世界中を焼き尽くし蹂躙してまわるのだ。

 その狂気の結果、この世の破滅の寸前までいかないと、人々は正気にもどらないのだ…。
 この映像の世紀、狂気の第二次世界大戦が終わって、70年。
 今、また世界のあちこちで相互憎悪の連鎖の狂気が、この地上をめらめらと燃え上がらせようとしているのではないか…。IS.テロ。イスラム。難民。国境閉鎖…。

 その中でも隣国、中国の習政権による力の誇示による周辺支配への野望は、独裁者ヒットラーの再来をおもわせはしないか…。
 そしてそれに煽られるかのようにアメリカの力に縋ろうとする安倍自民党政権の集団的自衛権行使への踏込。

 それにこだまする橋本維新一派。冷静な議論をきらい、「お前らごちゃごちゃ言うな。敵を目の前にして、ごちゃごちゃ言うててらちあくかいな…。そんな間にわが光輝ある大日本帝国・世界に冠たる我ら大和民族が、〇〇〇〇〇の属国にされてええんかい…」と言いたいのが本音ではないのか…。

 そして今、あの戦争の惨禍を他人ごとでしか知らない若い人たちほどその声高な勇ましい声に「そうだ、そうだ」と共鳴しつつあるのではないか…。
 それは太平洋の彼方の次期大統領候補のトランプさんとかも同様の大声を、はり上げて拍手喝采を浴びているのだから…。

 だがそれにしても、全能であるはずのこの宇宙の創造神は、なぜに自らが創造した人間と云う生き物に、いつまで同じ愚をくりかえすことを許していられるのだろうか…。