蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

中国と日本、日本とアメリカについて思うこと

2010-10-24 18:35:18 | 時事所感
10月24日(日)曇り、薄ら寒い一日。

 今、中国では尖閣問題での反日デモが各地で荒れている。これに対して、日本でも先日、反中国デモが触発された形で起きている。
これは、尖閣漁船事件への日本政府の対応が軟弱とする一部政治外交評論家の言辞に煽られ踊らされた結果とも見られる。

 だが、軟弱と詰る方々は、一体日本政府にどう対応せよというのだろうか。最終的には力では力で、こういうときこそ、日米安保条約を背中にアメリカという「虎の威」を活用べきとでもいうのだろうか。

  日本と、中国。歴史を紐解けば日本は中国文明の恩恵無くして今日の日本がありえただろうか。
  この中国に対して日本は、何をしたか。清朝末期、西洋列強に食物にされて瀕死の中国に止めを刺す役割を果たした。さらにそのうえ、漸く立ち上がろうとする孫文らの中華民国と中国共産党との国共内戦のドサクサに紛れ他人の懐深く土足で踏み込んで満州国という傀儡国家まで作り上げた。
  まさに恩を仇で返すとはこのことではないか。
  この歴史的事実に対して、中国は事あるごとに、ほとんど主席が変わるつどに日本に繰り返し謝罪を求めてくるといっても過言ではない。
 我々日本人としては、これに対して、一体何時まで何回頭をさげればいいんだという国民的感情になりがちである。

  一般に人間は他者への加害行為には鈍感で忘れやすく、他者から受けた暴虐や侮蔑行為は許しがたいものとしてその怨念は消し難いのだ。
 全世界で唯一例外は我々日本人ぐらいではないだろうか。アメリカによる2発の異なる原爆の実験に供されて敗戦の憂き目をみながら、それを恨むどころか、8月15日手を上げた瞬間から牙を抜かれた子ウサギか子羊のごとく忠順無垢な属国同様になって半世紀を過ごすとは。

  こんな日本人には、現在の中国大衆の侵略者日本への恨みつらみの思いなど理解出来るはずもないということではなかろうか。

  それにしても惜しむらくは中国。今の共産党一党独裁の為政者の姿には、過去、日本人が憧れ続けた中国6千年の文明の香りのかけらもないように思えるのだが…。
  何時の日に、中国、韓国、日本はこれまでのいきさつを洗い流して、過去千年、二千年を同じ文明の中で涵養されてきたものを確かめ合い、真に兄弟国のごとく親しみあうことができるようになるのであろうか。

名古屋市議会リコール、阿久根市長リコールに見る地方自治革命!?

2010-10-15 18:57:04 | 時事所感
10月15日(金) 晴れなれど雲多し。やや暖かい一日。

 昨年4月に初当選した名古屋市の河村市長は、選挙で掲げた公約の実現を議会が阻んでいるとし、リコール運動に乗り出した。
その結果、去る10月4日、市議会解散の直接請求(リコール)の署名集めを主導した市長の支援団体「ネットワーク河村市長」がこの日、署名を選挙管理委員会に提出した。その数は46万5582人分で、リコール成立に必要な36万5795人分を大幅に上回った。選挙管理委員会による審査が行われているが、必要数の確保は確実。解散の是非を問う住民投票を待たずに、議会側が自主解散する可能性もあるとのこと。
名古屋市は、長年、市役所OBとそれに同調する多数与党との馴れ合いで市政が運営されてきたという。
 そして、市政はいつか市民感覚や市民要望とは遊離してしまったものとなった。

 他方、この間、鹿児島県の阿久根市では、一建設業者として市の担当窓口の横柄な態度に業を煮やした竹原氏が、それならと市議会議員に立候補して当選した。
そしていざ議員になってみれば驚くことばかり。視察旅行の名目が、実質は議員の慰安旅行だった。参加を拒否すると仲間はずれ、懲罰委員会に掛ける始末。
 そこでそれならと、今度は市長に立候補。接戦で当選。
竹原新市長は、市政、市議会の悪幣に大鉈を振るった。
市民の平均年収が、2百万そこそこというのに、市役所職員の平均給与は5、6百万とか。19億そこそこの市税収入の大半が人件費で食われてしまっている実態を、市民の前に明らかにした。
 その結果は、てんやわんやの大騒ぎだ。この間の市長と議会の全面戦争はいまや日本中に知れ渡ってしまった。
 そしてついに、こちらは市長のあまりにもの蛮勇ぶりに、それはやりすぎと、市長のリコール運動に有権者1万9936人(9月2日現在)の半数を超える1万197人の署名数が確定。これを受けて市選管は住民投票を11月15日告示、12月5日投開票と決めた。

 戦後、自民党一党支配の下、その傘の下で各地方自治体の首長、議会、職員団体が三位一体となって、ぬくぬくと甘い汁の吸い放題。その挙句が、国、地方合わせて800兆円ものこれから何時まで続くとも先の見えない大赤字を、国民・住民の背に背負わせることになったのだ。

 これに対して、漸く市民・住民の反撃が始まったのだ。それはこれから日本中に燎原の火の如く吹き荒れるのではなかろうか。

 阿久根市の竹原市長、確かに誰が見ても大分手荒で乱暴そうには見える。だが、そのことをご自分が一番よく承知されているのではないか?
此のぐらい、手荒に問題提起しない限り誰も惰眠からさめないからではないか。ここまでやってやっとメディアも無視できなくなって報じ始めたというところではないか。

 今日、私も少々の用があって、近くの市の出先へいったら、事務所の中で所長か係長かは知らぬが、ともかくその所の責任者らしきお方は、机に座ったまま、ひたすら午後の惰眠をお楽しみようすだった。
 このお方の年収も、恐らくはご年配から察して、7、8百万はくだらないのではないかと、とっくりお見受けしてきた。
 それに反して、わが身は少々の年金が、今回は馬鹿に少ない。なぜかと問い合わせたら、住民税の特別配偶者控除が、妻の昨年の年収が76万円の限度を僅か512円出たばかりに、受けられず、3万円の追加徴収となったしだい。
訊いて吃驚、大きな口をあんぐりあだった。
 この三万円も、あの居眠り所長のよだれの口に美味しくのみこまれてしまうのだろうかと、アキアカネ乱れ飛ぶ空を見上げて嘆息するばかりだった。


天網恢恢疎にして漏らさず!FD改ざん事件、小沢氏土地購入資金疑惑起訴、

2010-10-05 12:31:32 | 時事所感
10月4日(月)曇り時々雨。木犀の香が漂う。田んぼには稲架の列。

 今夕、検察審査会が小沢氏の政治資金管理団体の土地購入資金を巡る疑惑について、検察当局の不起訴処分に疑念ありとし強制起訴を決めた。
 検察当局があれほど執念を燃やして二回も捜査しても、起訴するに足る証拠が掴めなかったとして起訴を断念した事件である。

 それを、あらたな証拠もなく検察審査会が強制起訴するということは、結果として黒となるのは相当に難しいのではなかろうか。
 それを承知で、裁判所の判断を仰ごうというのはそれはそれで、意味或る事だろう。結果はどうあれ、そこまですればある程度、国民のこの事件に対するもやもやした気分に一定の収まりがつくのではないか。

 この結果をみれば、なんだかんだといわれながらも小沢氏を代表に選ばなかったことで、満身傷だらけの民主党にとってもからくも止めを刺されることだけは避けえたわけだ。

 そうして、もう一件の、特捜検事の証拠改ざん隠蔽事件。こちらも当のご本人たちはまさかばれるまいと高をくくっていたのが、ふとした弾みから、明るみに出てのっぴきならない体たらく。

 こうして眺めると、昔の人がおっしゃった、「天網恢恢疎にして漏らさず」ということは人類の長年の経験から得た真実のようだ。
 つまりは、人間の浅知恵なんて高が知れたものだということではなかろうか。

中国漁船、巡視艇衝突事件―弱腰外交で何故悪い?―

2010-10-05 00:30:59 | 時事所感
10月5日(火)
 
  中国漁船、巡視艇衝突事件を巡って、世の識者は、日本の弱腰外交を慨嘆し、政府を叱咤し慨嘆している。

  中には、尖閣諸島に自衛隊1万5千を常駐させろかの主張も見られる。だが、相手は13億の国、国土は我が国の26倍。どうやって力で対抗できるのだろうか。
領土は、国家の要。寸土たりとも侵されてはならぬと。だが、どう頑張ったところで10倍の敵にどうやって立ち向かうというのだろうか。

  地下資源の領有と叫ぶ方もあるが、どうせ地下にあるもの、ただでは採れない。手間隙掛けなくては使えはしないのだ。
だとすれば、相手さんが掘ったものを買えばすむことではないか。それでも人には売れぬ。全部自分で使うのだとおっしゃるのなら、他を当たるよりしょうがないのではないか。

  とにかく、この世は、まだまだ国際正義なんてものは、机上の空論で西部の荒野、OK牧場の力の世界だということだ。
こんな世の中で、丸腰で皆さんよろしくなんていっていては、弱腰でいるよりほかどんな方法があるというのだろうか。
  ただひたすら、思いやり予算とかのみかじめ金をたっぷりみついで、アメリカ兄ちゃんの腰にしがみついて、助けを請うしかないのだろうか。

  要は、この世界を法と秩序で統治される仕組みを、何年、何十年、何百年かかろうともつくるほかないのではないか。
  その旗振り役を我が日本がどこまでやれるかということではないのだろうか。その意思を何処まで持ちえるかと言う事ではなかろうか。