蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

春の憂鬱! ―安倍ノミクスと花粉症―

2013-03-20 18:58:49 | 時事所感
3月20日(水)薄曇り、夕方から小雨。気温17度。

 標高、約640mの我が家の庭の辛夷もようやくぽつぽつと白い花を咲かせ始めた。庭土の傾斜止めの置石のはざまにも、芝桜がピンクの小さな花をつけ始めた。捨て置きの花壇の枯れ草の間からは、水仙がこれも小さなトランペットを一斉に空に向かって春を告げているかのようだ。

 だが、私は、今、こんな結構な風景を目の前にしていながら、いささか憂鬱だ。目からは絶えず涙と目やにで痒くてたまらず、鼻水はとどまるときをしらない。花粉症!
 こんな辛い思いをしたことはこれまでなかった…。やはり、古希を僅かに過ぎた老躯、身体の免疫力が著しく低下したのだろうか…。

 そしてもっと憂鬱なことは、一時はあれほど期待させられた民主党の壊滅的な凋落の現状と、それに反比例するかの安倍政権のもてもて囃されぶりと当面のあまりにも調子のよさである。

 安倍ノミクス。日銀にお札をどんどん刷らせてばら撒いてインフレ率2%目標とか…。だが、そんなことで景気がよくなり皆がお金を使い出して生活がよくなるのだろうか…。
 そして、公共投資の大盤振る舞い。
 これでは、財政再建のために政権と引き換えに消費税率値上げ法案を成立ささせた野田民主党の捨て身はなんだったんだろうか…。
今や、大メディアをはじめ誰も顧みる者はいない有様…。

 本当に景気がよくなるためには、先ず、安心して多くの人が働ける職場が増えなければ不可能ではないのか…。
 ところが、大企業の工場閉鎖のニュースは聞かれても、それにかわる新たな職場が増えたという話はどこからも聞こえてこない。
 安心して働く場が増えなくてどうして景気がよくなるというのか…。
 私にはそんな有難いカラクリ、魔法の手品はとんと理解できないところだ。

 そして、今や3人に1人が非正規雇用だというのに、その比率が少しでも改善したなんて話もとんと聞こえてこない。

 給料やボーナスが上がるというのは、トヨタや大手のもともと使い切れないほど内部留保を溜め込んだ中から、安倍政権応援のご祝儀ではないのか…。
 しかもそれは散々リストラされてあとに残った恵まれた少数の正社員だけの話ではないか…。

 我が息子の会社は、大手企業の二次サプライだが、以前は10万mの製品を納入して100万円の利益があったものが、現在はコストを叩きに叩かれて千円の利益が出ればいいほうだとか…。今や、唯、唯、工場のラインがさびつかないように動かしているだけとか…。
 そして、数年前からカットされたままの給料は未だに元に戻る気配もしないとか…。

 こんな中で、我が息子は本人の性格もあってか、全く結婚する気も無くて、親の心配も他所に、40過ぎていまだに独身のままだ。
 その息子は、先日大学の同期会があって久々に旧友にあったところ、一部は独立起業して元気にやっている者たち、一部はやはり経済的に将来が不安で結婚も出来ずにいる仲間に二分していたと話して聞かせた。

 こんな不景気な話は、私の身近な足元だけなのだろうか…。

 そして、最後に一つ呆れた話。
 それは、大敗した民主党の野田、菅、前・元総理が政党助成金が大幅に削減され落選した仲間の議員が死屍累々と言う中で、月100万円とかの党差し回しの車で悠然ご活躍とか…。
 大手メディアは、どうしていつもこうした裏話を、役者が舞台を降りてからでないと伝えないのか…。
 こういう他人の痛みも分からない鈍感な思い上がった人格の持ち主と知っていたら、もう少し民主党の主張にも眉に唾して読めたのだが…。今になっては、これも後の祭りだ。

 こんなことを縷々書き綴ったところで、目下の私の花粉症は、いつになったら軽くなるのだろうか…。
 憂鬱な春はいつあけるのだろうか…!