蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

「晩春点描ー緑雨の譜ー」

2006-05-14 00:31:45 | フォート・拙句(俳句)
 5月13日(日)終日雨。気温10度前後。
 
  今、緑が一際美しい。晴れた日の、陽光に煌く青葉も生命感に溢れていていいが、今日のような走り梅雨と呼ばれる雨に濡れて、しっとりとした木々の緑も、またそれはそれで瑞々しく美しい。
  傘をさして、デジカメ片手にちょっと外へ出てみた。

  庭先の雑木林の赤松の一本が、枯れて隣の松に寄りかかってかろうじて立っている。その松に絡みついた山藤が、高い梢で淡い花房をつけている。

            

          「松ヶ枝に 咲く山藤の 淡きかな」ー蛾遊庵山人 駄句ー

  その山藤が、路傍の背の届きそうな高さに、美しい花房をつけていた。

             

    


  こちらは、この辺の雑木林のそこここに、今を盛りと咲く山つつじである。桜が空に咲く花なら、こちらは地に咲く花というところか。
  桜の花がお姫さまなら、こちらは地味だが健康で、溌剌とした、今では滅多にお目にかかれそうにない村娘と言った風情か。

              

              「藪陰に 誰をか待つや 山つつじ」 - 同上 -

 
  雨に濡れそぼれて、青々とした葉の重なり、それもまた生命の潤いそのものである。

               

               「走り梅雨 濡れし青葉の 静もりて」- 同上 -