蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

尖閣、中国は本気だ!―富国強兵、時代錯誤の国家戦略―

2013-02-06 23:36:28 | 時事所感
2月6日(水)雪の地曇。

 昨日の防衛大臣の発表に驚いた。中国海軍の軍艦が公海上において、日本の海上自衛艦に火器レーダーを照射したという。
 これは、ミサイルを発射する前提として標的艦艇に照準を合わせるためのものだという。
 尋常ならざる中国共産党解放軍の挑発行為だ。
 
 これに対して、日本政府は昨日、安倍総理の口からも国会で厳しく中国政府に抗議する発言があった。
 中国政府は、本日の記者会見で、事実を確認中だと発表し、現在のところ中国政府として行わせた行為ではないとしている。

 私は、この一連の経過をみて、昔、昭和6年(1931)、日本の満州国駐留の関東軍が、政府の方針に反して勝手に柳条溝事件をきっかけに満州事変を起こし、結果的に日本国家全体を第二次世界大戦へと破滅の淵に引っ張り込んだ史実を思った。

 おそらく今の中国は、中国人民解放軍の力が、政府の力に内部的に拮抗しているのではないか。いわば、国家として、二つの国家権力機関があるのではないか。
 しかも、その両者ともに、組織的に腐敗が進行し国民の怨嗟、批判が日に日に強まり、なんとかして国民の目を外に逸らすほか無い状況においこまれているのではないか。
 さらには、中国解放軍は、朝鮮戦争以来これといった華々しい功績がない。ここはなんとしても一発自らの力の程を示す場が喉から手が出るほど欲しいのではないか。

 このような状況において、尖閣問題は格好の手ごろな餌食なのだ。しかも尖閣は無人島だ。戦争ごっこをするには格好の場なのだ。中国軍にとっては、少々の人的損害なぞ物の数ではないのだ。
 今こそ、中国人民解放軍は、その昔、日清戦争に負けてのドサクサにまぎれて、にっくき日帝に掠め取られたと信じ込んでいる尖閣をなんとしても取り戻そうと、腹のそこから決意しているのではないか。

 それが証拠に、中国解放軍トップは、いまこそ中国は富国強兵策により中華人民の力らのほどを見せなければならないと時代錯誤も恥じることなく広言しているのだ。
 解放軍トップは、なんとしても尖閣奪還戦争を始めるため、内心は最終的には、アメリカまで出てくることとなる勝ち目のない戦争に消極的な中国政府を、何としても既成事実をでっちあげ、にっちさっちもいかなくして戦争にひっぱりこもうとの魂胆なのではないか。

 ひるがえって、日本はこれに対してどう対処しようとしているのだろうか。いざ、開戦となれば日本の20万足らずの自衛隊で、緒戦はともかく、長期戦になれば、どこまで抵抗できるというのだろうか。
 そんな事態に、アフガンでイラクで手一杯のアメリカが議会の議決まで経て、日本と一緒になって安保条約に定める義務の履行を果たすだろうか。

 どうみても、いざ戦争となれば、今の日本には、分が無いことは明らかではないのか。

 であるならば、日本はさっさと、中国との間で、紛争があることとして国際司法裁判所の判断に提訴するべきではないのか。
 海洋地下資源が豊富だとされ、それを狙っての中国の言いがかりだとはいえ、今の日本にとって、それを死守するために自衛隊の人々の一人一人の尊い命をかけてまで争う意味がどこまであるだろうか。

 ところで、日本政府は、再三、尖閣は、日本が明治28年(1895年)無主の島としてどこからの苦情も無く領有権を宣言した、日本固有の領土だと主張している。
 だが、素直な目でこの事実を再検討すれば、中国は6千年らいの歴史を有し、台湾やそのまわりの島嶼についても彼等の生活空間であり縄張りであったことは認めざるをえないのではないか。

 あまつさえ中国は明の時代、1405~1422年、永楽帝の命を受け鄭和が大艦隊を連ねてアフリカまで前後7回にも渡る大遠征航海をなしとげているのである。いわば、当時、世界一の一大海洋国家であったのだ。であれば、当然台湾付近の海域は明国の制海権下、支配下にあったとみるべきではないのか。

 これに反して、我が日本は、長く江戸幕府さえも琉球諸島(沖縄諸島)さえ、日本の領域とは明確に認識していたとは思えないではないか。
 江戸幕府は、薩摩を通じての間接的な支配領域の認識であったのではないか。しかも琉球王朝自身も、中国にも朝貢外交を通して半ば臣族し、長く大和朝廷やその後の徳川政権とは、一体の民族国家的な意識はもっていなかったのではないか。
 その琉球王朝にとっても台湾に近い尖閣諸島など自己の領域などとする意識はどれだけあったのだろうか。

 こうみてくれば、日本が、尖閣をわが国の固有の領土と強弁し固執することにどれだけの説得力があるだろうか。

 ここは、一旦、国際司法裁判所に提訴して、国際的に第三者の裁定を仰ぐのが賢明な策なのではないか。
 その結果、共同管理になればわが国にとってはもうけものであり、それを契機に日中の新たな絆をつよめることになるのではないか。

 尖閣は、地理的みても台湾に付属する島嶼みるのが自然ではないか。その島嶼をわが国固有の領土と強弁することは、どだい無理があるのではないか。
 それは、わが国の北方領土、分けても北海道の根室岬の目と鼻の先の国後、色丹、択捉をロシアが自国領だと主張することに対して、激しい怒りを覚えるのと同じではないか。
 今の中国政府、とにかく、日本が紛争ありとして話し合いの場に着くまでは決して振り上げた拳を下ろしはしないのではないか。
 それまでの間、お互いに角突きあうの愚、何と馬鹿馬鹿しいことではないか。

 今、わが国のメディアは決してこのような見解を示そうとはしない。うっかりいえばただちに国賊扱いされるからだろう。
 私の以上の主張見解に対しても、おそらくは今の世論からみれば少数派で、売国奴とか国賊の糾弾に値するのもでしかないのかもしれない。
 だが、いつの時代も自分の主張と違うものを、端から抹殺するような不寛容な社会になったらそれは、その社会集団の崩壊がちかいということでないのか。

 さて、みな様はいかがお考えでしょうか。

尖閣、中国は本気だ!―富国強兵、時代錯誤の国家戦略―

2013-02-06 23:36:28 | 時事所感
2月6日(水)雪の地曇。

 昨日の防衛大臣の発表に驚いた。中国海軍の軍艦が公海上において、日本の海上自衛艦に火器レーダーを照射したという。
 これは、ミサイルを発射する前提として標的艦艇に照準を合わせるためのものだという。
 尋常ならざる中国共産党解放軍の挑発行為だ。
 
 これに対して、日本政府は昨日、安倍総理の口からも国会で厳しく中国政府に抗議する発言があった。
 中国政府は、本日の記者会見で、事実を確認中だと発表し、現在のところ中国政府として行わせた行為ではないとしている。

 私は、この一連の経過をみて、昔、昭和6年(1931)、日本の満州国駐留の関東軍が、政府の方針に反して勝手に柳条溝事件をきっかけに満州事変を起こし、結果的に日本国家全体を第二次世界大戦へと破滅の淵に引っ張り込んだ史実を思った。

 おそらく今の中国は、中国人民解放軍の力が、政府の力に内部的に拮抗しているのではないか。いわば、国家として、二つの国家権力機関があるのではないか。
 しかも、その両者ともに、組織的に腐敗が進行し国民の怨嗟、批判が日に日に強まり、なんとかして国民の目を外に逸らすほか無い状況においこまれているのではないか。
 さらには、中国解放軍は、朝鮮戦争以来これといった華々しい功績がない。ここはなんとしても一発自らの力の程を示す場が喉から手が出るほど欲しいのではないか。

 このような状況において、尖閣問題は格好の手ごろな餌食なのだ。しかも尖閣は無人島だ。戦争ごっこをするには格好の場なのだ。中国軍にとっては、少々の人的損害なぞ物の数ではないのだ。
 今こそ、中国人民解放軍は、その昔、日清戦争に負けてのドサクサにまぎれて、にっくき日帝に掠め取られたと信じ込んでいる尖閣をなんとしても取り戻そうと、腹のそこから決意しているのではないか。

 それが証拠に、中国解放軍トップは、いまこそ中国は富国強兵策により中華人民の力らのほどを見せなければならないと時代錯誤も恥じることなく広言しているのだ。
 解放軍トップは、なんとしても尖閣奪還戦争を始めるため、内心は最終的には、アメリカまで出てくることとなる勝ち目のない戦争に消極的な中国政府を、何としても既成事実をでっちあげ、にっちさっちもいかなくして戦争にひっぱりこもうとの魂胆なのではないか。

 ひるがえって、日本はこれに対してどう対処しようとしているのだろうか。いざ、開戦となれば日本の20万足らずの自衛隊で、緒戦はともかく、長期戦になれば、どこまで抵抗できるというのだろうか。
 そんな事態に、アフガンでイラクで手一杯のアメリカが議会の議決まで経て、日本と一緒になって安保条約に定める義務の履行を果たすだろうか。

 どうみても、いざ戦争となれば、今の日本には、分が無いことは明らかではないのか。

 であるならば、日本はさっさと、中国との間で、紛争があることとして国際司法裁判所の判断に提訴するべきではないのか。
 海洋地下資源が豊富だとされ、それを狙っての中国の言いがかりだとはいえ、今の日本にとって、それを死守するために自衛隊の人々の一人一人の尊い命をかけてまで争う意味がどこまであるだろうか。

 ところで、日本政府は、再三、尖閣は、日本が明治28年(1895年)無主の島としてどこからの苦情も無く領有権を宣言した、日本固有の領土だと主張している。
 だが、素直な目でこの事実を再検討すれば、中国は6千年らいの歴史を有し、台湾やそのまわりの島嶼についても彼等の生活空間であり縄張りであったことは認めざるをえないのではないか。

 あまつさえ中国は明の時代、1405~1422年、永楽帝の命を受け鄭和が大艦隊を連ねてアフリカまで前後7回にも渡る大遠征航海をなしとげているのである。いわば、当時、世界一の一大海洋国家であったのだ。であれば、当然台湾付近の海域は明国の制海権下、支配下にあったとみるべきではないのか。
これに反して、我が日本は、長く江戸幕府さえも琉球諸島(沖縄諸島)さえ、日本の領域とは明確に認識していたとは思えない。
江戸幕府は、薩摩を通じての間接的な支配領域の認識であったのではないか。しかも琉球王朝自身も、中国にも朝貢外交を通して半ば臣族し、長く大和朝廷やその後の徳川政権とは一体の民族国家的な意識はもっていなかったのではないか。
その琉球王朝にとっても台湾に近い尖閣諸島など自己の領域などとする意識はどれだけあったのだろうか。
こうみてくれば、日本が、尖閣をわが国の領土強弁し固執することにどれだけの説得力があるだろうか。
ここは、一旦、国際司法裁判所に提訴して、国際的に第三者の裁定を仰ぐのが賢明な策なのではないか。
その結果、共同管理になればわが国にとってはもうけものであり、それを契機に日中の新たな絆をつよめることになるのではないか。
尖閣は、地理的みても台湾に付属する島嶼みるのが自然ではないか。その島嶼をわが国固有の領土と強弁することは、どだい無理があるのではないか。

翻って、わが国の北方領土、分けても北海道の根室岬の目と鼻の先の国後、色丹、択捉をロシアが自国領だと主張することに対して、激しい怒りを覚えるのと同じではないか。
今の中国政府、とにかく、日本が紛争ありとして話し合いの場に着くまでは決して振り上げた拳を下ろしはしないのではないか。
それまでの間、お互いに角突きあうの愚、何と馬鹿馬鹿しいことではないか。

今、わが国のメディアは決してこのような見解を示そうとはしない。うっかりいえばただちに国賊扱いされるからだろう。
私の以上の主張見解に対しても、おそらくは今世論からみれば少数派で、売国奴とか国賊の糾弾に値するのもでしかないのかもしれない。
だが、いつの時代も自分の主張と違うものを、端から抹殺するような不寛容な社会になったらそれは、その社会集団の崩壊がちかいというこ