蛾遊庵徒然草

おこがましくもかの兼好法師にならい、暇にまかせて日頃感じたよしなし事を何方様かのお目に止まればと書きしるしました。

大相撲が久々に少し面白くなったー琴奨菊大関昇進決まる!―

2011-09-25 18:58:40 | 日常雑感
9月25日(日)晴れ。

 結び前三番、稀勢里対豪栄道はあっけなく稀勢里の勝。関脇と前頭五前目では当然か。
 そして今日の大一番、琴奨菊対杷瑠都。立会い、勢い込んで琴奨菊が先につっかけて仕切り直し。この時点で勝負あったか。杷瑠都に双差しでくるだなと読まれてしまった。結果は案の定だった。琴奨菊はあっけなく杷瑠都の上手投げに土俵下にころがされてしまった。
 琴奨菊は来場所大関昇進は決まったものの初優勝は叶わなかった。
この結果を見てか、白鵬のよし優勝は戴きの決意硬くあっけなく日馬富士を土俵に転がした。そしてがっしり20回目の賜杯を手にした。

 それにしても琴奨菊にしろ稀勢里にしろ、せっかく好いところまでいっても、その勢いが二場所は続かなかったのが、今場所は何とか頑張った。
 プロは期待に応えられてこそ何ぼのものの世界だろう。

 ところでこのところいつもイラつかされるのは琴欧州の不甲斐なさだ。同じ佐渡ヶ嶽部屋には琴奨菊がいながら、どうしてこうも駄目なのか。
 今場所もみっともないフラフラ相撲の大粗末の結果、膝を痛めたとかで7日目から休場してしまった。来場所は又もカド番。よく恥ずかしくもないものだ。こんな怪我程度は力士ならみんな同じで我慢するとか。大関の特権で今場所休んでもまた来場所勝ち越せば、その身は安泰。
 こんなことで、必死になれるだろうか。
 大関昇進までの琴欧州は素晴らしかった。それが大関に昇進したとたん、せっかく日本郵船のコマーシャルに颯爽と登場した翌場所から低迷したまんまだ。

 琴欧州は今や、大関の日向湯の心地よさにすっかり好い気分になって、はるばるブルガリアから出てきたガッツ精神をどこかに忘れてしまったのではないか。
 
 これもまた人間、待遇が安泰となるととたんに怠けてしまう好例ではないだろうか。
 相撲協会は、大関のカド番制度を見直すべきではないだろうか。カド番は昇進した翌場所限りとすべきではないか。
 これまで大関在位長期者を陸続と出してきたが、カド番制度の悪しき結果ではないか。
九勝六敗、大関がゴロゴロしていたのでは相撲が面白くなるわけがないのではないか。

 まあ、ここは一番、来場所こそは不甲斐ない大関陣を尻目に琴奨菊、稀勢里に大いに頑張ってもらいたいものだ。

余りにもお粗末な政治やさん!―鉢呂経産相早々辞任―追記

2011-09-12 22:08:06 | 時事所感
 9月12日(月)
 晴れ、残暑厳しい一日。夕暮れて中秋の名月、薄の穂波、萩の花邑爽快な夜。

 

9月10日(土)の拙ブログで就任9日目で失言辞職した鉢呂経産相を揶揄する記事をアップした。
ところが、日頃、愛読している『まぶちすみおの「不易塾」日記、2011年(平成23年)9月12日 第1646号』に鉢呂氏について下記のような記事が出てているのが目に止まった。
それによれば、
『…鉢呂経産大臣の辞任は致し方なかったかもしれないが、個人的には残念、の一言。
鉢呂さんの党役員時代の選対委員長、国対委員長の誠実な仕事ぶり、温厚なお人柄を見てきただけに、本当に残念でしかたない。
 とりわけ鉢呂選対委員長の時には、僕は奈良県連代表として候補者選びや調整にあたっていたのだが、実に親身に対応いただいた。
人に対して、まっすぐで誠実。鉢呂選対委員長の対応に、当時の候補者になれなかった方がいまだに感謝の念を僕に語るくらいだ。…』とあった。

鉢呂先生が、馬渕議員がおっしゃるような方だったとすれば、私は、メディアの尻馬に乗って、とんだ野次馬のおっちょこちょいの能天気ぶりを満天下にご披露したわけである。

そこで遅ればせながらも我がどうでもいいような山家の隠居の名誉回復のため、時折参考のため見ている「ぶぶりすてら国会議員名鑑」を閲してみた。
と、こちらには、今回の事件が起きるまでは100点満点中の50点だったのが、今回の事件で急降下、現在は36.8点とあった。
つまり、鉢呂先生は、この事件が起きる前までは、衆目の見るところでは、可もなく不可もなくといったところだったらしい。

それはともかく、先生が福島の原発現場から戻ってきて、記者会見の後、ほっとした気分のところでか、日頃の顔見知りの記者に向かって、ご自分の防災服の袖をこすり付けて「ほら、放射能が付くぞ、とか移るぞとか」おっしゃったらしい事は確からしい。
(※ この時周囲に居た複数の記者が、鉢呂大臣の発言として「」付きで直接話法で報じている。)

問題は、今、日本中が、否世界中が、今回の原発事故で拡散された京とかテラとかの単位で計測される膨大な放射能汚染物質に多大な関心と神経を尖らせているときに、冗談にはせよ「ほら、放射能が付くぞ…」などと、当の問題の担当大臣が能天気に口走ってしまうそのデリカシーのなさと言うか、無神経さというか、事の重大さを認識していない無責任さにあるのではないか。

鉢呂先生のご自身のホームページを見たら、7つのポイントとして、「弱い人を守る民間出身の政治家」とあった。さらに「行動力のある現場のわかる政治家」ともあった。
今回の大臣の発言は、この日頃のご自身の売り文句にどうつながるのだろうか。まさに看板に偽りありではないか。

とはいえ、人間は完全無欠の人などどこにも居ないだろう。
しかし、公の場で公の責任を付託されている立場の人間には、付託した側の国民・市民に対して、少なくともたてまえとしてだけでも、演技としても、その付託を裏切るようなことがあってはならないのではないか。

その意味で、馬渕議員がいかにお褒めになろうとも、今回の件を拝見する限りでは、公の責任を担う公人としては、不適格でありつまりは馬脚を現したということではなかろうか。

それにしても、今朝のスパモニだったかで、この辞任について意見を求められた一主婦が、「わたしらには、大臣がどこからか献金を貰おうが、女がいようが関係ないのよ。要は仕事をしてくれたらいいの。こんなことでまた足の引っ張り合いをされて、ころころ大臣がかわって、復興が何も進まないのが一番困るのよ」と発言していた。

まさにその通りではないか。
私たちは、七百五十人だかの国会議員に屁もひらないような聖人君子を求めているのではないのだから。

なでしこジャパン、ロンドンオリンピック、アジア予選一位突破、万歳!

2011-09-11 23:37:08 | 時事所感
9月11日(日)晴れ。

 7月17日(日)アメリカを破り劇的なワールドカップ優勝の偉業を成し遂げた女子サッカーなでしこジャパン。
 それは、日本史上未曾有の東日本大震災、それに対する民主党菅政権の無策とそれを巡る与野党の足の引っ張り合いの陰鬱な日々に久々の快挙、朗報をもたらし日本中が沸いた。

 彼女たちはたちまちヒーローとなり、メディアにもみくちゃにされた。
 そんな日々に一息つく暇も無く、今回のロンドンオリンピックアジア予選。9月1日(木)のタイとの対戦を皮切りに、今日までの5連戦。過酷なスケジュールである。
 私は、この五試合全てを見た。見ていてハラハラドキドキの連続だった。私は、あのフィーヴァーに揉みくちゃにされたのでは、さすがの彼女たちも今回は、危ないのではないかと予想した。
 そして醒めやすい世論はたちまち、「まー、あの優勝は、たまたまのまぐれだったか」と潮が引くように忘れ去っていくのではないかと思った。

 だが、その予想は本日ただ今、最終戦の相手、地元中国を、日本は57分、ゴール前のこぼれ球を田中がけり込んで決め、1―0と先制し勝利した。私の予想は見事に外れた。そして見事、4勝1引き分けの無敗で難関の関門を突破した。

 これは何んと凄いことではないだろうか。勝って奢らず見事なものだ。
 今日の最終戦は烈しい雨降りの中。他の4試合の時は広大なスタンドに影も形も見せなかった中国のサポーターが、今日は相当数姿を見せ中国チームのプレイにさかんに喚声を上げる。後半、途中選手交代で入った丸山選手は最後にころんで立ち上がれないほどだった。それでも勝った。

 北朝鮮は、一本は百万円とかのドリンク剤を選手に特別給与しているとか。それに反して、なでしこジャパンの選手の中には、この間まで昼間は温泉旅館の風呂場掃除をして体を鍛え、生活費を得ての境遇。なんと言う違いだろうか。
 そんな中から掴んだ栄冠。
 日本男子サッカーチームとの天と地の待遇の違い。
 佐々木監督は、勝利インタヴューで、東日本大震災から半年目の今日と震災被害者へのエールと気遣いを語った。
 それに比べて昨日7日天下で辞任した馬鹿大臣の「放射能を移してやろう」というのと、これまたなんと言う違いだろうか。

 なでしこジャパンの皆さん。どうか、この姿勢を、そしてチームカラーを大切にして、今度こそ念願のロンドンオリンピック金メダルの栄冠を勝ち得るよう心からエールをおくります。
 頑張れ!頑張れ!「なでしこジャパン!」

―追記―
 なでしこジャパンの快挙、選手の姿勢、監督の態度に日ごろ日本のことにはことごとく眇めで見る中国のメディアさえもが次のように賞賛している。

『なでしこはグラウンドの中でも外でも凄かった!中国代表との違い歴然―中国紙
2011年9月6日(火)23時7分配信 Record China
2011年9月6日、サッカー女子のロンドン五輪アジア最終予選で、なでしこジャパンと中国代表はともに対戦相手に勝利した。だが、なでしこたちが満面の笑顔だったのとは対照的に、中国選手たちの顔は終始曇ったままだった。新民晩報が伝えた。
 試合終了のホイッスルが鳴っても、中国代表の李霄鵬(リー・シャオポン)監督はベンチに座ったまま動かなかった。試合内容は満足いくものではなかったとはいえ、2-0で勝利したのだ。一方、選手たちも簡単に観客席に挨拶しただけで、うつむいたまま更衣室へと去っていった。勝利の喜びは微塵も感じられない。

 だが、なでしこたちは全く違った。アジアで最も厄介な相手、オーストラリアを1-0でかろうじて破り、ついにロンドンに片足を突っ込んだ。試合終了後は全員でゆっくりと競技場をランニング。誰もがリラックスしている。11日間に5試合というハードな日程を乗り切るには、この切り替えが最も大事だと彼女たちは知っている。

 試合後の監督インタビューでも違いは明らかだった。中国がタイに勝てたのも、実は相手のゴールキーパーのミスのおかげ。もし、ミスがなかったら引き分けていたかもしれない。それなのに李監督は「チャンスがきたら確実につかむ。これが強いチームと弱いチームの違いだ」と胸を張った。監督のこの“空威張り”にその場にいた記者たちはやるせない気持ちになった。

 これに対し、佐々木則夫監督は3勝全勝という好成績にもかかわらず、これを自慢するようなことはなかった。それどころか、「まだあと2試合残っています。とにかく次の試合で良い結果を残すことしか考えていません」とあくまでも謙虚だった。

 ミックスゾーンにおける選手の振る舞いも違っていた。会見終了後、記者たちは選手にインタビューしようと詰めかけたが、中国代表は馬暁旭(マー・シャオシュー)しか残っておらず、他の選手は早々にホテルに戻ってしまっていた。一応、試合に勝ったのだからもう少し話を聞かせてくれても良さそうなのだが。

 一方のなでしこたちは、さすがは世界レベルのチームだとうならされた。澤穂希を除く15、6人の選手が一列に並び、メディアの取材を受けている。外国メディアのために通訳までつけていた。そのプロ意識に中国人記者たちも感心しきりだった。(翻訳・編集/NN)




余りにもお粗末な政治やさん!―鉢呂経産相早々辞任―

2011-09-11 00:10:31 | 時事所感
9月10日(土)晴、暑し。

 夕方、PCを開いてみたら、こんな記事を見た。

 『「ほら、放射能」厳しい状況共有のため…鉢呂氏

 辞任会見する鉢呂経産相(10日午後9時25分、経産省で)=源幸正倫撮影 [ 拡大 ]
 東京電力福島第一原子力発電所周辺自治体を視察後の不適切な言動の責任をとって辞任した鉢呂経済産業相は10日夜、経産省で緊急記者会見を行い、「私の一連の発言で国民の皆様、とりわけ福島県民の皆様に多大な不信の念を抱かせ、心からおわびしたい」と謝罪した。
 鉢呂経産相は、視察から帰京した8日夜、防災服の袖を取材記者にこすりつけるしぐさをし、「ほら、放射能」と発言したことについて、「(被曝の)大変厳しい状況を共有していただくためだった」と釈明した。』

 野田内閣発足早々、臨時国会の大臣お披露目も終わらないうちのお粗末辞任。福島の原発現場を視察した後の記者会見で「死の町だった」とか発言して物議をかもしただけでは事足りず、記者会見を終えたあとも、そばにいた記者に自分の防災服の袖をこすり付けて「ほら、放射能わけてやるよ」と言ったとか言わないとか。

 なんともお粗末な大臣ではないか。これで北大出の当選7回とか。どんな頭脳の持ち主なんだろうか。その脳みそはあかすりのへちまのようにスカスカではないのか。
 それとも大臣になったのがよほど嬉しくてうっ頂点になっての物の弾みのうっかり発言だったのだろうか。
 
 こんな程度のおっさんが大臣閣下で衆議院議員で歳費そのほか何千万円をかけて国民は養う必要がどこにあるのだろうか。 
 今や、国家の借金1千兆円にもなろうかというときにである。

 しかし、こんなお粗末大臣を党内融和金科玉条でお選びになった野田総理大臣閣下。この方もまた、お父上の経歴誇大吹聴とか。自衛隊屈指の精鋭部隊員だったはずが、自衛隊関係者がそんな人居たかなと鳩首OB名簿を目をさらにしてもそんな名前はなかったとか。
 なんのことはない、ご自慢のお父上は業務隊とかの後方支援に所属ざれていたとか。

 何でこんな一寸調べられればすぐに化けの皮の剥がれるような目くらましをおっしゃるのか。父も母も「貧乏百姓の末っ子同士で、トランクの上で二人だけで三々九度の杯をかわした」というお話だけで庶民を泣かすには十分ではなかったでしょうか。

 そして、最大のお粗末は、安住氏を自らの後任の財務大臣に任命したことである。この人事には安住氏本人がまったくのお門違いで面食らったとのこと。
 財務大臣とは経済学も財政学も勉強したことの無い方にも明日からでも勤まるポストなのだろうか。

 もっとも、戦前、名大蔵大臣だった高橋是清さんも大学は愚か学歴らしいものはほとんどなく独学自習の大天才だったとか。
 さぞや安住氏も高橋是清さんなみの大天才なのだろうか。

 勘ぐるに、財務省の優等生といわれた野田総理大臣閣下、育ての親の恩ある財務省の顔を見い見い古巣の財務省がキリキリ舞い舞いすることのないよう、なんにも分からぬ盆暗大臣をお供えたてまつったのではないかというのは、これ下種の勘ぐりだろうか。

 いやはや次から次へとこれでもかと言うぐらいのお粗末大臣のオンパレードだ。
 国会議員にしろ、都道府県市町村議員にしろ、それは皆、国民の膏血たる税金で養われる身分だ。

 どうして、その選良の下で働く国・地方公務員には一応厳しい試験があり、一定の知的水準を検査されるにも拘らず、議員にはそれが免責されているのだろうか。
 議員といえども特別公務員として大枚の高給をお食みなる立場なら、しかも現在のように複雑高度の社会となっている今、一定の資格審査があってしかるべきではないのか。
 そのレベルは市町村、都道府県、国の行政範囲のレベルに応じた資格試験を経させるべきではないのか。

 そうすれば、TVお笑い番組でスポーツの分野で、一寸名前がうれたぐらいで、票さえ取れば天下の国会議員にどっかの県の知事に大変身なんて月光仮面も真っ青になるよう奇妙奇天烈なお馬鹿な珍風景は見ないで済むというべきではなかろうか。

 そして、ここで唐突な例を引けば、いつかNHKのドキュメンタリー番組で航空自衛隊のFファントム戦闘機のパイロットを選抜するために、すさまじい過程をを経なければならない事を知って驚いた。
 防衛大学を出ても、高卒で航空自衛隊に入った者でも対等に厳しく選別されていく。しかもその過程は三年間にも及ぶのである。

 戦闘機一機操縦するのにさえこれだけの資質と訓練が求められるというのに、国家国民の生殺与奪の権を握り、国家の命運を左右する立場にある選良たる議員が、現行のような安易な有権者の投票結果によってのみ決まるとというのは、一寸まともになって考えてみれば、なんと間の抜けたはなしであり、否それ以上に空恐ろしいことでは…。
と、思うのは、山家の隠居の半呆け妄想のしからしむるところだろうか。