10月17日(土) 曇り。午後から肌寒き一日。
今、大阪府の橋本知事と職員の間で、知事が職員へ税金のコスト意識を呼びかけたメールへの職員からの反論のメールを巡り、大騒となっているようだ。
問題は、知事へ反論をした職員(40代の女性技術職員とのこと)の好い歳をしての社会人・組織人として社会常識にあるようだ。
その概要は、
『橋下知事に「『お前』メール」 府職員に100人もいる!10月9日18時55分配信 J-CASTニュース
発端は、2009年度末に完成する予定の「紀の川大堰」(和歌山市)の事業から、大阪府が撤退を決めたことにある。この事業は国が1987年に着手。当時の水需要予測では、大阪府で水不足が予想されていたことから、同大堰から1日2万トンを取水する計画になっていた。ところが、その後の需要予測では、需要が大幅減。同大堰を利用しなくても需要が容易にまかなえることが判明したことから、府は事業からの撤退を決めた。総事業費1028億円のうち、府がすでに負担した約380億円が無駄になる形だ。
橋下知事は、府の幹部が9月30日の府議会で、、2009年度末に完成する予定の「紀の川大堰」(和歌山市)の事業から 撤退の経緯について説明する様子が不満だったようで、10月1日夜、全職員に対して、公金に関する意識を改めるように求めるメールを送信。
これに対して、10月2日になって、女性職員がメールを知事に返信。文面では、
「このメール配信の意味がわかりません。愚痴はご自身のブログなどで行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください。また、文も論理的でなく、それなりの職についている人間の文章とも思えませんが」と、橋下知事を罵倒する一方、事業撤退の決定についても、 「380億の投資を行うことを決断したのは誰ですか?投資なら、損益を十分考えて行ったわけでしょうから、今回の責任は決断した人にあるべきです。『やめ逃げ』はずるいです」と、「やめ逃げ」と非難した。
それに続けて、知事に「お前の考えていることはおかしい」。
さらに、メールの最後には、知事からのメールの「何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです」とのくだりを引用し、「こんな感覚を持つ人が知事であることの方が私は恐ろしい」
と、再び知事を罵倒した。
この約7時間後、知事は女性職員に対して「まず、上司に対する物言いを考えること。私は、あなたの上司です。その非常識さを改めること。これはトップとして厳重に注意します。あなたの言い分があるのであれば、知事室に来るように。聞きましょう」と、メールで「警告」。このメールに対しても女性職員は反発し、「こんなにたくさんメールが送りつけられること自体、私には未知の経験で、恐怖に感じています」「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」などと返信。さすがに知事も堪忍袋の緒が切れた様子で、人事担当者に「彼女の仕事自身も、知事の指揮命令権の中に入っていることすら認識になさそうです。知事と職員の関係から、きちんと説かなければならないようです」などして、処分を検討するように指示。職員と直属の上司を、府の内規に基づく「厳重注意」にした。
知事の怒りは、処分を明らかにした10月8日の囲み取材の場でも爆発。「一般常識を逸脱している」「これはありえない」などとまくしたて、記者に対して「どうなんですかね。こんなもんなんですか?『愚痴はブログで言ってください』とか社長に言うことは。言えます?『メールを読むのは時間のムダだ』って(社長に)言えます?」などと問いかけた。また、「もっとひどいのも、いっぱいあるんですよ」と切り出すと、記者からは苦笑いが漏れていた。
「『お前』というのも頻繁にあります。『お前』って、社長とかに言えますかね?『お前の考えていることはおかしい』って」
今回処分された職員は反省しているというが、「『お前』メール」を送信する職員は100人程度いるとのことで、知事の怒りが収まることは当分はなさそうだ。』ということである。
この記事を読んで、私は少しも驚かなかった。かって私が現役のころ所属していた職場(大規模地方公共企業体)で、少し極端に云えば、日常的に見てきた光景だったからだ。
公務員社会においては、上下関係を通常の社会常識的なレベルで意識するのは、主任とか何とか何らかの役職以上についているの職員に限るといっても過言ではないのだ。
その他大勢の一般平職員については、上司なんて怖くも恐れ多くも何でもないのだ。
平職員からみれば、役職を求めてクソ真面目に一生懸命上の奴の云う事を、へいこら聴いて、働く奴なんて何てくだらない出世主義者の嫌な奴といったところなのだ。
それは何故か。労働組合が滅法強かったからだ。公務員法が十重二十重にこれ以上無い身分保障をしているからだ。極端に言えば、刑法犯罪を犯して有罪とならない限り、懲戒免職となることはありえないからだ。さらに、一応、病気とか成績不良とか分限免職の規定があってもそれは有名無実にひとしいのだ。脳溢血で半身不随、記憶が定かで無くなっても、とにかく誰(家族等)かの手を借りても職場にでてきさえすれば、たとえ机に座って日がな一日ボーっと座りぱなしで過ごそうとも首にはならないのだ。
そして、給料表は一応職階制の形はしているものの、多年の組合の強力な闘争の成果で誰でも結構な「渡り」という仕組みで、一段上の給料に上っていけるのだ。どんなに成績の悪い職員だって数年に一度の特別昇給の査定では、組合のゴリ押しと、意気地なく根負けした管理職が人事査定を、その年に限っては、本来はDクラスの成績評価を、AとかBとか下駄を履かせて、恙無く特別昇給させるのである。
その結果が、定年退職時の退職金が、課長も平も2、3百万円の差しかないのだ。こんなことで、どうして管理職としてのそれなりの権威やリーダーシップが発揮できるだろうか。
遅刻の常習者、時間中の声高な無駄話。だらしない服装。生理休暇を土日に連続してとって、こっそり旅行に行く職員。こんな職員に対して、なりたての責任感に燃える管理職がうっかり注意しようものなら、たちまち職場の組合の分会長か何かが多数の職場委員を糾合して、職場団交となり、よってたかって新米管理職を糾弾するのである。
ここで窮した新米管理職が先輩上司に指導・指示を仰いだところで、「まあまあ、適当にあまり組合を刺激しないようにうまくおさめなさいよ…」てなところでおしまいである。
その指示に従わず、管理職試験で一生懸命記述したとおりに己が信念に殉じるならば、次はていよく「あんな融通の利かない石頭は使い物にならない…」とばかりに忽ち左遷されるのがおちである。
とにかく役所で一番偉いのは、天上天下唯我独尊の平職員なのである。彼らにとって、一目おくのは何かと日常的に面倒見てもらわなくてはならない身近な管理職ではない係長まで、それ以上は何を好んで面倒な仕事を背負い込む出世主義者の仲間を売った裏切り者でしかないのである。
まして知事や市長なんて、選挙で選ばれて、一度落ちれば唯の人。怖くも偉くも何でもないのである。
大阪府の件の女性職員はまさに今私がここに述べたような職員の多数典型に一人に過ぎないのだ。
新聞記者が、役所が配ってくれるお仕着情報のみを鵜呑みにせず、もっと日常的に役所の中を歩いて回れば、ここまで公務員職場が荒廃するのを多少は防げた筈である。
だから、今回のメールの往復遣り取りで、メディアが驚くのは、日頃の怠慢を示す何者でもないのだ。
社会保険庁の杜撰な年金管理問題でも、農林水産書の汚染米の杜撰な管理問題でも、根はこうした組織風土が放置されてきた多年の悪しき結果の仇花なのだ。
今を時めく民主党の何とか石大幹部は、このような労組系に君臨する大親分だ。こんな労組としっかり手を組んでいる民主党に果たしてどこまで公務員の意識改革が期待できるであろうか。
それにしても、大阪府は、へらへら顔で何百億もの欠損を議会に報告する幹部職員と云い、仮にも自らのトップである知事に対して「お前」呼ばわりする平職員と云い、まさにこれ以上思い上がった公務員天国は、この地球上にそうは滅多になさそうに思うのだが。
さて、皆様はいかがお思いでしょうか。
今、大阪府の橋本知事と職員の間で、知事が職員へ税金のコスト意識を呼びかけたメールへの職員からの反論のメールを巡り、大騒となっているようだ。
問題は、知事へ反論をした職員(40代の女性技術職員とのこと)の好い歳をしての社会人・組織人として社会常識にあるようだ。
その概要は、
『橋下知事に「『お前』メール」 府職員に100人もいる!10月9日18時55分配信 J-CASTニュース
発端は、2009年度末に完成する予定の「紀の川大堰」(和歌山市)の事業から、大阪府が撤退を決めたことにある。この事業は国が1987年に着手。当時の水需要予測では、大阪府で水不足が予想されていたことから、同大堰から1日2万トンを取水する計画になっていた。ところが、その後の需要予測では、需要が大幅減。同大堰を利用しなくても需要が容易にまかなえることが判明したことから、府は事業からの撤退を決めた。総事業費1028億円のうち、府がすでに負担した約380億円が無駄になる形だ。
橋下知事は、府の幹部が9月30日の府議会で、、2009年度末に完成する予定の「紀の川大堰」(和歌山市)の事業から 撤退の経緯について説明する様子が不満だったようで、10月1日夜、全職員に対して、公金に関する意識を改めるように求めるメールを送信。
これに対して、10月2日になって、女性職員がメールを知事に返信。文面では、
「このメール配信の意味がわかりません。愚痴はご自身のブログなどで行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください。また、文も論理的でなく、それなりの職についている人間の文章とも思えませんが」と、橋下知事を罵倒する一方、事業撤退の決定についても、 「380億の投資を行うことを決断したのは誰ですか?投資なら、損益を十分考えて行ったわけでしょうから、今回の責任は決断した人にあるべきです。『やめ逃げ』はずるいです」と、「やめ逃げ」と非難した。
それに続けて、知事に「お前の考えていることはおかしい」。
さらに、メールの最後には、知事からのメールの「何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです」とのくだりを引用し、「こんな感覚を持つ人が知事であることの方が私は恐ろしい」
と、再び知事を罵倒した。
この約7時間後、知事は女性職員に対して「まず、上司に対する物言いを考えること。私は、あなたの上司です。その非常識さを改めること。これはトップとして厳重に注意します。あなたの言い分があるのであれば、知事室に来るように。聞きましょう」と、メールで「警告」。このメールに対しても女性職員は反発し、「こんなにたくさんメールが送りつけられること自体、私には未知の経験で、恐怖に感じています」「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」などと返信。さすがに知事も堪忍袋の緒が切れた様子で、人事担当者に「彼女の仕事自身も、知事の指揮命令権の中に入っていることすら認識になさそうです。知事と職員の関係から、きちんと説かなければならないようです」などして、処分を検討するように指示。職員と直属の上司を、府の内規に基づく「厳重注意」にした。
知事の怒りは、処分を明らかにした10月8日の囲み取材の場でも爆発。「一般常識を逸脱している」「これはありえない」などとまくしたて、記者に対して「どうなんですかね。こんなもんなんですか?『愚痴はブログで言ってください』とか社長に言うことは。言えます?『メールを読むのは時間のムダだ』って(社長に)言えます?」などと問いかけた。また、「もっとひどいのも、いっぱいあるんですよ」と切り出すと、記者からは苦笑いが漏れていた。
「『お前』というのも頻繁にあります。『お前』って、社長とかに言えますかね?『お前の考えていることはおかしい』って」
今回処分された職員は反省しているというが、「『お前』メール」を送信する職員は100人程度いるとのことで、知事の怒りが収まることは当分はなさそうだ。』ということである。
この記事を読んで、私は少しも驚かなかった。かって私が現役のころ所属していた職場(大規模地方公共企業体)で、少し極端に云えば、日常的に見てきた光景だったからだ。
公務員社会においては、上下関係を通常の社会常識的なレベルで意識するのは、主任とか何とか何らかの役職以上についているの職員に限るといっても過言ではないのだ。
その他大勢の一般平職員については、上司なんて怖くも恐れ多くも何でもないのだ。
平職員からみれば、役職を求めてクソ真面目に一生懸命上の奴の云う事を、へいこら聴いて、働く奴なんて何てくだらない出世主義者の嫌な奴といったところなのだ。
それは何故か。労働組合が滅法強かったからだ。公務員法が十重二十重にこれ以上無い身分保障をしているからだ。極端に言えば、刑法犯罪を犯して有罪とならない限り、懲戒免職となることはありえないからだ。さらに、一応、病気とか成績不良とか分限免職の規定があってもそれは有名無実にひとしいのだ。脳溢血で半身不随、記憶が定かで無くなっても、とにかく誰(家族等)かの手を借りても職場にでてきさえすれば、たとえ机に座って日がな一日ボーっと座りぱなしで過ごそうとも首にはならないのだ。
そして、給料表は一応職階制の形はしているものの、多年の組合の強力な闘争の成果で誰でも結構な「渡り」という仕組みで、一段上の給料に上っていけるのだ。どんなに成績の悪い職員だって数年に一度の特別昇給の査定では、組合のゴリ押しと、意気地なく根負けした管理職が人事査定を、その年に限っては、本来はDクラスの成績評価を、AとかBとか下駄を履かせて、恙無く特別昇給させるのである。
その結果が、定年退職時の退職金が、課長も平も2、3百万円の差しかないのだ。こんなことで、どうして管理職としてのそれなりの権威やリーダーシップが発揮できるだろうか。
遅刻の常習者、時間中の声高な無駄話。だらしない服装。生理休暇を土日に連続してとって、こっそり旅行に行く職員。こんな職員に対して、なりたての責任感に燃える管理職がうっかり注意しようものなら、たちまち職場の組合の分会長か何かが多数の職場委員を糾合して、職場団交となり、よってたかって新米管理職を糾弾するのである。
ここで窮した新米管理職が先輩上司に指導・指示を仰いだところで、「まあまあ、適当にあまり組合を刺激しないようにうまくおさめなさいよ…」てなところでおしまいである。
その指示に従わず、管理職試験で一生懸命記述したとおりに己が信念に殉じるならば、次はていよく「あんな融通の利かない石頭は使い物にならない…」とばかりに忽ち左遷されるのがおちである。
とにかく役所で一番偉いのは、天上天下唯我独尊の平職員なのである。彼らにとって、一目おくのは何かと日常的に面倒見てもらわなくてはならない身近な管理職ではない係長まで、それ以上は何を好んで面倒な仕事を背負い込む出世主義者の仲間を売った裏切り者でしかないのである。
まして知事や市長なんて、選挙で選ばれて、一度落ちれば唯の人。怖くも偉くも何でもないのである。
大阪府の件の女性職員はまさに今私がここに述べたような職員の多数典型に一人に過ぎないのだ。
新聞記者が、役所が配ってくれるお仕着情報のみを鵜呑みにせず、もっと日常的に役所の中を歩いて回れば、ここまで公務員職場が荒廃するのを多少は防げた筈である。
だから、今回のメールの往復遣り取りで、メディアが驚くのは、日頃の怠慢を示す何者でもないのだ。
社会保険庁の杜撰な年金管理問題でも、農林水産書の汚染米の杜撰な管理問題でも、根はこうした組織風土が放置されてきた多年の悪しき結果の仇花なのだ。
今を時めく民主党の何とか石大幹部は、このような労組系に君臨する大親分だ。こんな労組としっかり手を組んでいる民主党に果たしてどこまで公務員の意識改革が期待できるであろうか。
それにしても、大阪府は、へらへら顔で何百億もの欠損を議会に報告する幹部職員と云い、仮にも自らのトップである知事に対して「お前」呼ばわりする平職員と云い、まさにこれ以上思い上がった公務員天国は、この地球上にそうは滅多になさそうに思うのだが。
さて、皆様はいかがお思いでしょうか。