民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

拉致問題の解決

2018-06-07 16:33:59 | 政治

米朝がそれぞれの思惑で接近し、日本だけ置いてきぼりを食わされた状態です。トランプにとっては、大陸間弾道弾さえなくなって、アメリカが攻撃されなくなれば条件は満たされるのでしょう。安部との友情で、あたかも加計氏を表舞台には絶対出さなかったように、友情で日本を守ってくれるとでも考えているのでしょうか。とんでもない考え違いですね。

日本にとって拉致問題が喉に刺さったトゲとなって、北朝鮮との関係は進展しません。いったいどうして北朝鮮は拉致被害者を日本に帰国させないのか、何を考えているのかさっぱりわからん、というのが大方の皆さんの思っていることでしょうし、自分もそう思います。ですが、立場を変えて北朝鮮になって考えてみると、また別の見方もできます。

日本と北朝鮮は国交がありません。ということは、日本の植民地状態が日本の敗戦によって終わった状態が今も続いているということです。北朝鮮にしてみれば、拉致被害者を返せという前に戦争中に強制連行していった多数の朝鮮人で今だ帰国していない人々の消息を示し、謝罪して相応の補償をすることが先ではないか。拉致は戦争状態が今も日本とは続いている以上、あったとしても人権侵害を言われる筋合いはない、という主張ができるのではないでしょうか。第2次世界大戦をどう終わらせるかという問題が先にあると主張されれば、なかなか問題は進展しません。安部の言うような圧力一辺倒の政策では、少しも前に進みません。拉致を認めるわけではありませんが、その前の問題をまず解決しないと、被害者はいつまでたっても取り戻せないと私は思います。