私のレコード・ライブラリーから

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クレンペラー/ケルン放送響の1950年代の貴重なライヴ録音から

2009-08-15 09:54:55 | 交響曲
 今日はオットー・クレンペラー(Otto Klemperer/1885~1973)が戦後ヨーロッパに帰還しケルン放送交響楽団(現在、WDR交響楽団/WDR Sinfonie-Orchester)を振った貴重なライヴ録音を紹介したい。この写真のCD(2CDセット)はデジパック仕様で数年前に「Andante」レーベルからリリースされたものである。
 収録曲目はベートーヴェン/交響曲第4番変ロ長調作品60、ゲサ・アンダのソロを迎えたブラームス/ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83(以上CD1)、ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」、ヒンデミット/組曲「気高い幻想」(以上CD2)の4作品である。いずれも1954年のコンサート・ライヴで順にCD1が10/25、4/5、CD2は2/8のライヴである。音質はモノラルながらWDRに残されたマスター・テープを使用ですこぶる良好である。
 この中で筆者が特に注目したのは最後のパウル・ヒンデミットの作品である。この作品はヒンデミットが「アッシジの聖フランチェスコ」の宗教の目覚めをテーマとする同名の舞踊音楽が原曲だが同時に管弦楽用に3曲の組曲に改編されたものである。(原題:Suite"Nobilissima visione") 現在でも録音の数も少なくライヴ録音となればおそらくこのクレンペラー盤ぐらしかないのではないかと思われる。ヒンデミットらしいなかなか渋い作品だが聴きこむと興味深い曲である。
 ベートーヴェン、ブラームスはクレンペラーにしてはテンポを速めにとり硬質的だが引き締まった演奏になっている。
 尚、WDRは西部ドイツ放送協会=Westdeutschen Rundfunk)の略で頭文字をオーケストラ名につけたものである。





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