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バルトーク/「カンタータ・プロファーナ」

2012-06-24 22:13:03 | 声楽曲

 今日はバルトークの「カンタータ・プロファーナ」という声楽作品を紹介したい。この作品は1930年、彼が49歳の時に作曲された世俗的カンタータで「魔法にかけられた牡鹿たち」という副題がついている。内容は当時のハンガリーの独裁政権ミクローシュ・ホルティに対する抗議を表現したものと解されている。 テキストはルーマニア、ハンガリーを中心に民間伝承された叙事詩を元に作曲者自身がまとめあげている。副題のとおり魔法にかけられ鹿に変えられた9人の兄弟の物語である。

 全体は3部構成からなり切れ目なく続けて演奏される。三管編成のオーケストラに混声四部の合唱、それにテノールとバス(バリトン)の独唱が加わる。演奏時間は約20分と短い作品だが全体を通じて調性的な旋律が美しい。写真のLPはハンガリーの名指揮者ジョルジ・レヘル(1926~1990)が当時、首席指揮者をつとめていた「ハンガリー放送交響楽団」と1963年に録音したものである。また合唱には「ハンガリー放送合唱団、ふたりの独唱者は当時の「ブダペスト国立歌劇場」の専属歌手、ヨーシェフ・レーティ(テノール)、アンドラーシュ・ファラゴー(バス)があたっている。

 尚、このLPの第1面及び第2面(Band-1)には同じくバルトークの舞踊音楽「中国の不思議な役人」(全曲)がヤーノシュ・フェレンチク指揮ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー放送合唱団の演奏(1962年録音)が収められている。 因みにハンガリー出身のこの二人の指揮による録音はハンガリー・レーベル、「フンガロトン」に数多く遺されているが「ドイツ・グラモフォン」にはこの1960年代初頭の録音がわずかにあるのみである。(写真/DG国内盤1966年発売SLGM1281/ステレオ)

 

 



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