ヘルベルト・フォン・カラヤンはオットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi/1879~1935)傑作・交響詩「ローマ三部作」のうち「ローマの噴水(1916)」をベルリン・フィルと1977年、「ローマの松(1925)」をフィルハーモニア管弦楽団と1958年、ベルリン・フィルと1977年に録音している。残念ながら最後の「ローマの祭り(1928)」の録音はない。レスピーギは有名なサンタ・チェチリーア音楽院の教授でもあった彼のこれらの作品は旋律美と色彩感豊かなオーケストレーションが聴きどころでまさにカラヤンに打ってつけの作品ではないかと思う。各作品は永遠の都ローマの情景描写を音楽に表現したものでローマを訪れた人なら目をつぶって聴けばその標題の情景が頭に浮かんでくるはずである。カラヤンの上品な作品に対するアプローチが聴き手を古都ローマに誘う。また「ローマの松」は1984年10月、8回目のベルリン・フィルとの来日公演のプログラムにも取り上げている。大阪公演の演奏が映像化されているが私は10月21日の東京文化会館の公演を生で実感した。終曲、「アッピア街道の松」で執政官の軍隊が行進してくるクライマックスではベルリン・フィルの強烈な響きに圧倒させられた。(写真はカラヤン/ベルリン・フィル盤(1977年DG盤と1984年来日公演プログラム)
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