
ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)は単身来日(1954)、ウィーン・フィル(1959)との来日を含めると全部で11回の来日を果たしたが今回は手兵ベルリン・フィルとの来日に焦点を絞り私のエア・チェック、ライヴCD・映像コレクションを整理しながら振り返ってみたいと思う。
先ず最初の来日は1957年11月のことだった。当時小学校低学年の筆者にはリアル・タイムでの記憶はもちろんない。当時の記録資料等から得たものばかりあるが以下にまとめてみたい。公演は11月3日の内幸町にあった旧NHKホールでの招待制の公開演奏会から始まり11月22日の東京体育館でのNHK交響楽団との合同演奏会まで全国で15回の公演記録が残っている。このうち11月3日の公開演奏会(音声ステレオ)の模様は先頃DVD化され得典映像として名古屋市公会堂におけるアンコール曲バッハ管弦楽組曲第3番から「アリア」(モノラル)と当時のニュース映像(音声なし)がリリースされた。また昨年カラヤン生誕100年記念BOXの中に11月4日、日比谷公会堂ブラームス交響曲第2番ニ長調(モノラル)と11月6日、日比谷公会堂ベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調「英雄」の録音(音源はエア・チェックテープ)が初CD化で加わった。この当時の録画記録手法はキネスコープ・レコーデイング略してキネコと呼ばれる方法で16ミリ・フィルムに記録され交響曲第5番は冒頭に欠落があるため静止画像になっている。但し音声は映像に同調させステレオ同時録音音声に置き換えられている。当時の記録としては大変貴重なものである。
続く2回目の来日はそっれから9年後の1966年4月のことであった。この時私は高校2年生になっていた。初めて生のカラヤンの演奏会に足を運んだカラヤン・ファンの私にとって記念すべき年だった。東京会場は1961年に落成した上野の東京文化会館で行われた。この時は4月12日東京公演を皮切りに5月3日の東京最終公演まで全18回全国地方公演が展開された。カラヤンが地方公演を実施した最後の公演にもなったのがこの1966年の公演だった。東京公演のベートーヴェン交響曲全曲公演の模様は当時NHKFM放送で生中継(東京管内はステレオ)されたがまだFM放送が実験放送の段階で受信機の普及がいまいちだった。筆者もオープン・モノラルテレコで録音した記憶があるがそのテープは紛失してしまった。テレビ放映もされかなりの数の映像がNHKに保存されていると期待したが残念ながら初日4月12日の序曲「コリオラン」のみの映像しか残っておらず昨年発売された前述の記念BOXの中の収められている。これまた大変貴重な映像記録だ。音源も映像も来日当時の1年間の期限付きの放送権だったとのことで当時のVTR等は全てカラヤン側に返納されため「コリオラン」以外の記録はNHKにも保存されていない。誠に残念なことである。なぜ「コリオラン」序曲だけが残ったわけは年の「1966年音楽ハイライト」で放送のため別に編集されていたとのことだ。(NHKクラシカル/カラヤン生誕100年記念BOX解説から)
次回に続く
先ず最初の来日は1957年11月のことだった。当時小学校低学年の筆者にはリアル・タイムでの記憶はもちろんない。当時の記録資料等から得たものばかりあるが以下にまとめてみたい。公演は11月3日の内幸町にあった旧NHKホールでの招待制の公開演奏会から始まり11月22日の東京体育館でのNHK交響楽団との合同演奏会まで全国で15回の公演記録が残っている。このうち11月3日の公開演奏会(音声ステレオ)の模様は先頃DVD化され得典映像として名古屋市公会堂におけるアンコール曲バッハ管弦楽組曲第3番から「アリア」(モノラル)と当時のニュース映像(音声なし)がリリースされた。また昨年カラヤン生誕100年記念BOXの中に11月4日、日比谷公会堂ブラームス交響曲第2番ニ長調(モノラル)と11月6日、日比谷公会堂ベートーヴェン交響曲第3番変ホ長調「英雄」の録音(音源はエア・チェックテープ)が初CD化で加わった。この当時の録画記録手法はキネスコープ・レコーデイング略してキネコと呼ばれる方法で16ミリ・フィルムに記録され交響曲第5番は冒頭に欠落があるため静止画像になっている。但し音声は映像に同調させステレオ同時録音音声に置き換えられている。当時の記録としては大変貴重なものである。
続く2回目の来日はそっれから9年後の1966年4月のことであった。この時私は高校2年生になっていた。初めて生のカラヤンの演奏会に足を運んだカラヤン・ファンの私にとって記念すべき年だった。東京会場は1961年に落成した上野の東京文化会館で行われた。この時は4月12日東京公演を皮切りに5月3日の東京最終公演まで全18回全国地方公演が展開された。カラヤンが地方公演を実施した最後の公演にもなったのがこの1966年の公演だった。東京公演のベートーヴェン交響曲全曲公演の模様は当時NHKFM放送で生中継(東京管内はステレオ)されたがまだFM放送が実験放送の段階で受信機の普及がいまいちだった。筆者もオープン・モノラルテレコで録音した記憶があるがそのテープは紛失してしまった。テレビ放映もされかなりの数の映像がNHKに保存されていると期待したが残念ながら初日4月12日の序曲「コリオラン」のみの映像しか残っておらず昨年発売された前述の記念BOXの中の収められている。これまた大変貴重な映像記録だ。音源も映像も来日当時の1年間の期限付きの放送権だったとのことで当時のVTR等は全てカラヤン側に返納されため「コリオラン」以外の記録はNHKにも保存されていない。誠に残念なことである。なぜ「コリオラン」序曲だけが残ったわけは年の「1966年音楽ハイライト」で放送のため別に編集されていたとのことだ。(NHKクラシカル/カラヤン生誕100年記念BOX解説から)
次回に続く
来日公演回想、期待してます。
当時の放送事情も記載されて、大変参考になります。
続き 待ってます。
いつもコメントありがとうございます。
Herbert von Karajan/Berliner Philharmonikerの過去の来日公演を回顧しながらこの辺でまとめてみたいと思いました。また何かお気づきの事柄、補足事項等ございましたらご教示お願いします。