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私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

フィッシャー=ディースカウのシューベルト/歌曲集「冬の旅」(1965年録音DG盤)

2011-10-01 23:09:18 | 声楽曲

 世紀のドイツの名バリトン歌手ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau/1925~ )は歌手活動を引退するまでにシューベルト/歌曲集「冬の旅」全曲録音を実に7回もスタジオ・レコーディングを行っている。その録音歴を年代順に整理してみると<( )内は伴奏ピアニスト>1)1955年ーEMI(ムーア)、2)1962年ーEMI(ムーア)、3)1965年ーDG(デムス)、4)1972年ーDG(ムーア)、5)1979年ーDG(バレンボイム)、6)1985年ーPh(ブレンデル)、7)1990年ーCBS(ペライア)となる。この内最初の1955年録音のみモノラルである。またジェラルド・ムーアとのコンビによる録音が3度にのぼりディースカウ自身も語っているように彼はよきパートナーであったようだ。
 写真のLPは3回目に当たる1965年5月ベルリン、Ufaスタジオ録音でムーアとのコンビでは2度目となるものでドイツ・グラモフォン国内初出盤ボックス・セット(3LP)で1966年に「フィッシャー=ディースカウ来日記念盤」として発売されたものである。{SMG9009(1~3)}「冬の旅」の他「6つの歌曲」が第4面に収録されている。またSMG9009-3には両面に渡りディースカウ自身による「我が生涯を語る」が収録されている。(右チャンネル=日本語吹き替え)これもなかなか興味深い。
 

オイゲン・ヨッフムの名盤 - ブルックナー「ミサ曲第1番ニ短調」

2011-09-30 20:22:54 | 声楽曲

 ブルックナー解釈の権威と言われたオイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum/1902~1987)は主要な宗教曲ジャンルもほとんどレコーディングしている。とりわけ本日取り上げるブルックナーが40歳の時に書いた「ミサ曲第1番ニ短調」(1864年)は彼の声楽曲作品の傑作として知られている。この作品は当初この年、時の「オーストリア皇帝=フランツ・ヨーゼフI世」の誕生日(8月18日)に演奏される予定だったが完成が間に合わず3ヶ月遅れの11月20日「リンツ大聖堂」でブルックナー自身の指揮で初演され大変好評であったと伝えれている。事実この宗教曲は和声が非常に美しい。
 写真のLPレコードはヨッフムが1972年にミュンヘンのヘルクレス・ザールでバイエルン放送交響楽団・合唱団と独唱陣にはエディット・マティス(ソプラノ)、マルガ・シムル(アルト)、ヴィエスワフ・オフマン(テノール)、カール・リーダーブッシュ(バス)といったメンバーで録音した名盤である。(ドイツ・グラモフォンー2530 314)因みにこのレコードでは1876年改訂版(第2稿)で演奏である。


オーマンディのオルフ「カルミナ・ブラーナ」

2011-09-11 12:43:55 | 声楽曲

 レコード棚の一番奥に長らく眠っていたユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団他によるカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」のLPに針をおろした。(写真)筆者自身も最近までこのレコードの存在をすっかり忘れていた。
 このLPの発売ももうかれこれ半世紀近く前になると思う。録音年代がジャケットに記載がないので調べたところ1960年と判明、ステレオ初期の録音である。音質は筆者の装置ではやや硬質で金属的な感じがする。また独唱陣はソプラノ=ジャニス・ハーサニー(Janice Harsanyi),テノール=ルドルフ・ペトラック(Rudolf Petrak),バリトン=ハーヴ・プレスネル(Harve Presnell)と言ったメンバーでちょっと馴染みが薄いが決して悪くない。バランスのとれた安定感ある声量である。バックの「ラトガース大学」の合唱団も特筆に値する。オーマンディはこの作品を再録音しなかったためこの録音が唯一のものとなった。
 尚、このLPの別冊対訳解説にこの録音と「同メンバー」によるコンサートがニューヨークの「カーネギー・ホール」で行われた時の「ニューヨーク・タイムス紙」ほかの「絶賛評」が紹介されているがこのレコードの演奏でもそれを頷けた。
(写真/国内盤初出盤、日本コロムビアOS-183/ステレオ)

ゲルギエフのヴェルディ「レクイエム」

2011-07-25 15:59:18 | 声楽曲

 ヴァレリー・ゲルギエフ/キーロフ(マリインスキー)劇場管弦楽団他によるヴェルディの「レクイエム」は2001年のリリース当時、その華やかな独唱陣で話題を呼んだ。(写真/Philips Classics-2CD/468 079-2)
 とにかく人気絶頂のアメリカのルネ・フレミング(ソプラノ)、ロシアのオリガ・ボロディナ(メゾ・ソプラノ)、イタリアのアンドレア・ボチェッリ(テノール)とイルデブランド・ダルカンジェロ(バス)といったゴージャスなメンバーである。しかもそれぞれの歌手の声量の豊かさ、バランスがとてもすばらしい。さらにゲルギエフのバイタリティーあふれる指揮ぶりがオーケストラのサウンドとともにバックの合唱を盛り上げている。発売当時、「カラヤン盤」、「アバド盤」以来の筆者が興奮した「ヴェルレク」の1枚だった。
 

スミ・ジョーのソロ・アルバム「ドイツ名歌曲集 - 君を愛す」

2011-07-08 20:32:29 | 声楽曲

 韓国の世界的名ソプラノ歌手、スミ・ジョー(Sumi Jo)の「ドイツ・グラモフォン」への2枚目となるソロ・アルバム「ドイツ名歌曲集ー”君を愛す”」を取り上げてみたい。このCDアルバムも今回韓国で求めた1枚だがリリースされたのは昨年の6月ごろだったと思う。因みに彼女のDGへの初ソロ・アルバムのタイトルは2008年の「世界のラヴ・ソング」だった。
 さてこのアルバムにはタイトルの通りモーツアルト、ベートーヴェン、シューベルト、ブラームス等々の日頃よく耳にする「ドイツ歌曲」が収録されており前作同様に彼女の美声が気軽に楽しめる1枚である。ただし収録全20曲のうち第3曲モーツアルト「春へのあこがれK.596」、第6曲シューベルト「魔王」、第16曲シューマン「くるみの木」、最後の第20曲R.シュトラウス「明日には」の4曲は「器楽演奏」のみとなっている。バックの器楽アンサンブルはヴァイオリン=キム・スーヤン、クララ・ユミ・カン、ヴィオラ=ウェン・シャオ・ツェン、チェロ=クラウス=ディーター・ブラント、コントラバス=ソン・ミンジェ、ピアノ=エフゲニー・ボザノフ、クリストファー・パルク、ギター=ユン・ミン・リーの8人があたっている。今回の録音には伴奏をピアノのほかに弦楽アンサンブルを加えた編曲版が用いられている。録音は2010年2月に「ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団練習場」で行われている。
 写真のCDは「韓国ユニバーサル盤ーDG7597」でジャケットは豊富な彼女の写真を掲載した82ページにも及ぶ豪華ブック・レットになっている。
 
 

オルフ「カルミナ・ブラーナ」 - 忘れ得ぬもう1枚

2011-06-14 15:16:30 | 声楽曲

 カール・オルフ(Carl Orff/1895~1982)の代表作「カルミナ・ブラーナ(CARMINA BURANA)」については過去に本命盤のオイゲン・ヨッフム盤(ドイツ・グラモフォン盤)を取り上げたと思うが今日は筆者の忘れ得ぬもう1枚のLPを紹介したい。それは写真のLP、ブルゴス盤である。ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスは1970年代から日本でも読売日響の客演指揮者、その後常任指揮者、首席客演指揮者を務め御馴染みの巾広いレパートーリーを持った名指揮者だが特に声楽曲は得意としている。
 彼が「英EMI」に1965年頃に当時の「ニュー・フィルハーモニア管弦楽団(現、フィルハーモニア管弦楽団」他と録音した「カルミナ・ブラーナ」は現在でも名盤の1枚に数えられている。彼のリズム感ある切れ味の良い棒さばきと優れた独唱陣との見事なアンサンブルが聴きものだ。因みにソリストはソプラノ=ルチア・ポップ、テノール=ゲルハルト・ウンガー、バリトン=レイモンド・ヴォランスキーとジョン・ノーブル、合唱にはニュー・フィルハーモニア合唱団、ワンズワース・スクール少年合唱団が加わわっている。写真のLPは筆者が所有している「独EMI・エレクトローラ盤」だが国内盤でもリリースされその後CD化もされたが最近は残念ながら廃盤になっているようだ。

若きマゼールのバッハ初録音 - 「ミサ曲ロ短調」

2011-02-27 21:08:44 | 声楽曲

 J.S.バッハ「ミサ曲ロ短調」の名盤と言えばカール・リヒター指揮ミュンヘン・バッハ管弦楽団他による1961年録音ー「アルヒーフ盤」が先ず思い浮かぶ。この録音は「不滅の名盤」としてこれからも永遠に語り継がれていくことであろうが筆者がもうひとつ好んで昔よく聴いたレコードに若きロリン・マゼールが「ベルリン放送交響楽団(現、ベルリン・ドイツ交響楽団)」他と録音した盤がある。写真はその国内初出盤(1967年発売/日本フィリップスSFL7909~10)である。しかもこのLPはマゼール35歳、ベルリン放送響音楽監督就任の翌年ー1965年9月にベルリンのヨハネススティフト聖堂で行われたもので彼の初のバッハ録音でもあった。
 ソリストにはソプラノ、テレサ・シュティヒ=ランダルほかコントラルト、アンナ・レイノルズ、テノール、エルンスト・ヘフリガー、バス、ジョン・シャーリー=カークと往年の名歌手を揃えている。さらに「RIAS室内合唱団」のアンサンブルも冴え録音も良好で残響の余韻が心地よくさわやかなバッハを聴かせている。
 

プレートル、ベルリオーズ/劇的物語「ファウストの劫罰」

2011-02-13 20:35:53 | 声楽曲

 今日はジョルジュ・プレートル(Georges Prêtre/1924~ )のベルリオーズ/劇的物語「ファウストの劫罰」全曲盤(写真/EMI盤/2CD)を聴いてみた。このCD全曲盤は1969年に録音された巨匠プレートルの名盤のひとつである。またベルリオーズの作品としても4人のソロ歌手、児童合唱を含む大合唱、4管編成の大オーケストラで演奏される大作なので最近は全体を一度に通して聴くことがなかった。日頃聴くのは管弦楽のみでよく独立してコンサートで演奏される有名な「ハンガリー行進曲」、「妖精の踊り」、「鬼火のメヌエット」ぐらいだろうか。
 この作品の題材は言うまでもなくドイツの文豪ゲーテの大戯曲「ファウスト」からとられている。ベルリオーズはこのフランス語訳を愛読しこの作品の基となった「ファウストの8景」(1828-29)を作曲したようだ。その後約17,8年の歳月を経てこの大作が誕生することになる。作曲当初は「コンサート形式のオペラ」と掲げられていたようで現在でも「コンサート・オペラ」としても上演されることがある。全体で4部構成からなっており演奏時間も全曲で約2時間20分前後を要する。このプレートル盤はジャネット・ベーカー(メゾ・ソプラノ)、ニコライ・ゲッタ(テノール)など歌手陣が充実しており特に筆者はメフィストフェレスのガブリエル・バキエ(バリトン)の素晴らしさを再認識した次第である。管弦楽はパリ管弦楽団、合唱はパリ国立オペラ座合唱団。
 尚。このCD盤には余白にアレクサンダー・ギブソン指揮ロンドン交響楽団、ジャネット・ベーカー(メゾ・ソプラノ)による「クレオパトラの死」(1969年録音)が収録されている。

「ドン・コサック合唱団」の懐かしいEPレコード

2011-02-06 11:35:18 | 声楽曲

 今日は17cmEP/LPレコード・コレクションから懐かしい「ドン・コサック合唱団」の写真の1枚を取り上げてみたい。このレコードは今から約半世紀も前に「日本コロムビア」から発売されたモノラル45回転EP盤(EM-102)であるが筆者愛聴の1枚である。「ドン・コサック合唱団」は今から約1世紀近く前に「ドン河」流域を拠点とする「コザック兵士」の優秀な合唱隊で指揮者セルゲイ・ジャーロフ(Sergei Jaroff)のもとで結成されて合唱団でその後世界各地で大好評を得てその活働の拠点をアメリカに移した。
 このレコードには彼らの「十八番」ー「ロシア民謡」を中心に「ヴォルガの舟歌」、「ステンカ・ラージン」など全4曲が収められている。録音の古さこそ感じさせるが「ステンカ・ラージン」の底からこみ上げてくる低音の歌いこみの凄みなどこの合唱団の底力をうかがい知ることができる貴重な1枚である。後にカラヤンがベルリン・フィルとのチャイコフスキー/大序曲「1812年」のレコーディングの際(1966年)この「ドン・コサック合唱団」の声楽を加えた意も充分に頷ける。

ドミンゴの「ウィーンのクリスマス・コンサート」

2010-12-21 02:30:46 | 声楽曲
 
 今日は1990年代にプラシド・ドミンゴがホストを務め開催された「ウィーンのクリスマス・コンサート」のライヴ盤シリーズから1枚紹介したい。写真のCDは1994年12月22日、ウィーンのメッセ・パラストでゲストにシャンソン歌手ーシャルル・アズナーブル、ノルウェーの名ポピュラー女性シンガー、シセル・シルシェブーを迎えてのコンサート・ライヴ(シリーズ第3集)である。(Sony Classical/Austira,SK66 846)ヴジェコスラフ・ステージュ指揮、管弦楽はウィーン交響楽団、バックのコーラスにウィーン国立歌劇少年少女合唱団が加わり楽しいクリスマス・コンサート・ライヴになっている。またこの模様は後日映像でNHKBSで放送されビデオ・ソフトでもリリースされた。
 コンサートのラストは前回話題に取りあげたグルーバーの「きよしこの夜」を全員でしっとりと歌いあげ印象的にコンサートを締めくくっている。