
世紀のドイツの名バリトン歌手ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau/1925~ )は歌手活動を引退するまでにシューベルト/歌曲集「冬の旅」全曲録音を実に7回もスタジオ・レコーディングを行っている。その録音歴を年代順に整理してみると<( )内は伴奏ピアニスト>1)1955年ーEMI(ムーア)、2)1962年ーEMI(ムーア)、3)1965年ーDG(デムス)、4)1972年ーDG(ムーア)、5)1979年ーDG(バレンボイム)、6)1985年ーPh(ブレンデル)、7)1990年ーCBS(ペライア)となる。この内最初の1955年録音のみモノラルである。またジェラルド・ムーアとのコンビによる録音が3度にのぼりディースカウ自身も語っているように彼はよきパートナーであったようだ。
写真のLPは3回目に当たる1965年5月ベルリン、Ufaスタジオ録音でムーアとのコンビでは2度目となるものでドイツ・グラモフォン国内初出盤ボックス・セット(3LP)で1966年に「フィッシャー=ディースカウ来日記念盤」として発売されたものである。{SMG9009(1~3)}「冬の旅」の他「6つの歌曲」が第4面に収録されている。またSMG9009-3には両面に渡りディースカウ自身による「我が生涯を語る」が収録されている。(右チャンネル=日本語吹き替え)これもなかなか興味深い。