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私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ブッフビンダー ピアノ&指揮 「ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番・第4番」

2012-01-01 20:22:44 | 協奏曲

 2012年の幕が明けた。元旦から関東・東北地方を中心にやや強い地震が発生しイヤな予感も感じる新年の幕開けとなった。しかし今年こそは少しでも前進する良い年になる希望を持ちたい。
 新年最初のライブラリー紹介はポーランドの新進レーベルとして最近注目される「CD ACCORD」からリリースされた写真の1枚を取り上げてみたい。(ACD-156-2)これはボヘミア出身のオーストリアの名ピアニスト、ルドルフ・ブッフビンダー弾き振りによるベートーヴェンの「第3番」・「第4番」の協奏曲である。この演奏は1997年よりポーランド南部の都市、17世紀初頭まで首都としても栄えたクラクフで毎年開催されている「ベートーヴェン・イースター音楽祭/2002」のコンサート・ライヴ録音ということでも魅力的だ。ベートーヴェンを大変得意としているブッフビンダーの管弦楽「シンフォニエッタ・クラコヴィア」との息の合った演奏、指揮ぶりがききものである。録音も大変良好で演奏後の聴衆の盛大な拍手も収録されておりライヴの雰囲気をひときわ盛り上げている。
 

エレーヌ・グリモーのブラームス/ピアノ協奏曲第1番(ライヴ盤)

2011-12-09 20:58:11 | 協奏曲

 南フランス、エクサン・プロヴァンス出身の世界的女流ピアニスト、エレーヌ・グリモーの生演奏に最初に接したのは2002年3月のことだった。これは彼女がチョン・ミョンフン率いる「フランス国立放送フィル」来日公演に客演した時のことである。因みにプログラムはベートーヴェンの協奏曲第4番だった。写真のCDはこれに遡る1997年10月、彼女がクルト・ザンデルリンク、ベルリン・シュターツカペレのコンサートに出演した際のブラームス「協奏曲第1番」のライヴ録音である。(原盤ー仏エラート)これはグリモーの初のブラームスのピアノ協奏曲録音でもあった。ライヴ録音ということもあり白熱した彼女の繊細で深みのある演奏が魅力的な1枚だ。現在のところ彼女の唯一のブラームスの協奏曲録音と思われるが次回はもちろん「第2番」を期待したいところである。

イェネ・ヤンドーのリスト「ピアノ協奏曲第2番」ほか

2011-11-28 14:41:13 | 協奏曲

 今年はリスト生誕200年の年にも当たる。写真のLPレコードもだいぶ以前にブダペストのレコード店で求めたハンガリー「フンガロトン・レーベル」の筆者にとっては懐かしい1枚である。LPには現在ハンガリーの世界的ピアニストのひとりイェネ・ヤンドー(1952年生まれ)が弾くリストの「ピアノ協奏曲第2番イ長調」・「ハンガリー民謡の主題による幻想曲」・「ハンガリー狂詩曲第8番」の3曲が収められている。管弦楽はヤーノシュ・フェレンチク指揮ハンガリー国立管弦楽団である。(Hungaroton-SLPX12024)ジャケットに録音年代の記載はないが当時20代はじめのヤンドーが1973年の「ハンガリー・ピアノ・コンクール」で優勝した直後のものかと思われる。若きヤンドーのフレッシュで生気に満ちたピアノがききもの1枚で録音も素晴らしい。
 尚、ヤンドーは現在、「ナクソス・レーベル」にも数多くのレコーディングを行っている。

イダ・ヘンデル&チェリビダッケ LSO、 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲

2011-11-26 15:58:14 | 協奏曲

 今日はポーランド出身の名女流ヴァイオリニスト、イダ・ヘンデルが1953年にセルジゥ・チェリビダッケ指揮ロンドン交響楽団とレコーディングした懐かしいLP盤についてふれてみたい。筆者が最初に彼女の演奏を聴いたのが今から35,6年前に発売されたこのレコードだった。(写真上ー国内盤/東芝EMI-EAC60044モノラル)
 若きイダ・ヘンデルと録音当時まだ41歳のチェリビダッケとの共演でこのころのチェリビダッケは「DECCA」や「EMI」にレコーディングを行っていた時代である。筆者はこのLPを聴いて彼女の生の演奏を聴きたくなった。ちょうどこのレコードと相前後して以前にも紹介したシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」のLP(パーヴォ・ベルグルンド/ボーンマス交響楽団との共演/EMI)もリリースされた。その後間もなく幸いにして「1978年香港芸術祭」でこのLPと同コンビによる彼女のシベリウスが聴けるというニュースを聴き筆者も香港へ飛び彼女の生演奏に接することができた。写真(下)は当時「香港芸術祭」の会場でプログラムに入れてもらった彼女の直筆サインである。
 ところでこのブラームスの協奏曲は演奏も申し分ないほど完成度が高いことは云うまでもないが録音も1953年のモノラルにしては驚くほど素晴らしいことも付け加えておきたい。


ジェルヴァーズ・ド・ペイエの名盤からーウェーバー&シュポーアの「クラリネット協奏曲」

2011-09-07 10:59:34 | 協奏曲

 今日も懐かしいLPレコードから1枚を紹介したいと思う。写真のLPは英国のクラリネットの名手ジェルヴァーズ・ド・ペイエ(Gervase De Peyer/1926~ )のウェーバー(第2番変ホ長調作品74)とシュポーア(第1番ハ短調作品26)の「クラリネット協奏曲」が収録されたものである。彼は「ロンドン交響楽団」の首席クラリネット奏者を1955年から1972年まで務めた人でこのレコードの録音もその時代1961年にコリン・デーヴィスの指揮ロンドン交響楽団と共に行われた。このLPもペーター・マークと同楽団によるモーツアルトの「クラリネット協奏曲イ長調K.622」(1959年デッカ録音)と並ぶ名盤の一つである。
 ところでこの写真のLP(国内盤)の発売は筆者が高校時代の1965年頃だったと思う。当時は「フィリップス」の「オワゾ・リール」シリーズでリリースされている。「オワゾ・リール(L'OISEAU-LYRE)」レーベルと言えばすぐホグウッドやアーノンクール等の古楽器アンサンブルの録音を思い起こすが現在は「英デッカ」傘下でリリースされているようである。
 この演奏も「ドイツ・ロマン派」の作品を得意とするペイエだけに情趣たっぷりのしみじみとした味わいが聴ける。録音も良好でデイヴィス&ロンドン響との息も見事である。(写真/国内盤フィリップスーSFL7822ステレオ)


カール・リヒター、ミュンヘン・バッハ管の「ブランデンブルク協奏曲」全曲

2011-09-05 14:53:31 | 協奏曲

 今日はカール・リヒター/ミュンヘン・バッハ管弦楽団によるJ・S・バッハの「ブランデンブルク協奏曲」全曲のLPレコードに針をおろした。もちろん古楽器による演奏で聴く「ブランデンブルク」の演奏もいいのだがモダン楽器によるリヒターの演奏はまた格別な味わいがある。
 ところでバッハ解釈の世界的権威と言われたリヒターはこの「ブランデンブルク協奏曲」を生涯に2度全曲録音を行っている。一つが「テレフンケン」時代1956年の「カール・リヒター室内管弦楽団」との録音、そしてもう一つが今回紹介する1967年の「ミュンヘン・バッハ管弦楽団」との再録音である。どちらも誉れの高い名盤であるが前者は確か「第2番ヘ長調」と「第4番ト長調」のみがステレオ録音だったがその他はモノラル録音だった。筆者個人的にはやはり再録音の「ミュンヘン・バッハ盤」のステレオ録音は独奏者にフルートのオーレル・ニコレ、ホルンのヘルマン・バウマンをはじめとした当時の花形役者を揃えた艶やかな響きも魅力的である。録音も大変素晴らしい。
 写真は1976年に発売された「ミュンヘン・バッハ管弦楽団」との国内盤「アルヒーフ・レーベル」全集盤(2LP/MA5008/09)である。
 

クリュイタンスの「歴史的モノラル録音」から

2011-08-10 17:32:04 | 協奏曲

 昨年ドイツの「Membran/FABFOUR」から発売されたアンドレ・クリュイタンスの1950年代モノラル録音の名盤を集めた超廉価盤「4CDセット」(写真)中から筆者が興味をひいた1枚を取り上げてみたい。この「ボックス・セット」の内容は過去にも「TESTAMENT」シリーズ等を中心にリリースされた「EMI」音源からの「フランスもの」が主だが1枚だけモーツアルトとベートーヴェンの「ピアノ協奏曲」が含まれている。具体的にはモーツアルトがクララ・ハスキルが弾く「第24番ハ短調K.491」、管弦楽は「フランス国立放送管弦楽団」、ベートーヴェンはなんと今や「伝説のピアニスト」とも言われている英国出身の「ソロモン」が弾く「第2番変ロ長調作品19」でこれは「フィルハーモニア管弦楽団」とのものである。前者のモーツアルトは1955年のライヴ録音ということもあり大変興味深い演奏なのだが筆者はさらに後者のソロモンが弾くベートーヴェンに関心が湧いた。
 ソロモン(Solomon/1902~1988)、これは彼のファースト・ネームでファミリー・ネームをカットナー(Cutner)と呼び「ソロモン・カットナー」が彼のフル・ネームということになる。調べたところ10歳でヘンリー・ウッドの指揮でベートーヴェンの「協奏曲第3番」で「コンサート・デビュー」を飾り「神童ソロモン」と呼ばれたそうである。その後もファースト・ネームの「ソロモン」で活躍したとのことである。彼はベートーヴェンを大変得意とし「EMI」に「ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集録音」を1951年より開始したが全集録音中の1956年に突然「脳梗塞」を患い「全集録音」は未完に終わり引退するという悲運のピアニストでもあった。そのことからもこのクリュイタンスとの1952年録音の「第2番」は大変貴重な音源のひとつと言えると思う。録音当時50歳の実に彼の最高潮のベートーヴェンが聴ける。録音も1950年代のモノラルとしては最上の部類にランクされるだろう。

 

米DG盤 - ケンプ、ライトナー指揮ベルリン・フィル ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番・第4番

2011-07-23 18:28:43 | 協奏曲

 ウィルヘルム・ケンプが弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲のレコードについてはケンペンとの最初の全集録音(モノラル盤)や再録音のステレオによるこのライトナーとの全集についても過去に取り上げてきた。そこで今回は1970年代初頭に求めた今となっては懐かしい米国ドイツ・グラモフォン盤のライトナーとのステレオ録音による「第2番・第4番」(写真)のLPについてふれてみたい。(米DG/SLPM138 775)
 そもそもケンプとドイツのマイスター的指揮者フェルディナント・ライトナー(Ferdinand Leitner/1912~1996)ベルリン・フィルとのステレオによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全集録音は1961年に行われた。筆者は1970年ケンプ来日時にNHK交響楽団との「ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全曲演奏会」に足を運び彼の演奏にはまってしまい早速この「第2番」・「第4番」の国内盤LPを買い求めた記憶がある。そしてその後ジャケットが気に入り写真の「米DG盤」も手に入れた。米国盤と言っても中身のレコード盤は独グラモフォン盤そのもので当然レコード番号も同じ「138 775」である。つまり当時の米グラモフォン盤はレコード盤はドイツ原盤を輸入しジャケットは米国仕様のものを使用していたようである。ジャケット仕様は大変頑丈な作りで当時のドイツ盤や国内盤に比較してもかなり分厚いものになっている。
 ところでケンプはこの「第2番」・「第4番」でもカデンツァは自身のオリジナルを弾いておりこのあたりも新鮮味を感じ魅力的な演奏である。最近、「CDショプ」でこの全集盤や分け売りも見かけなくなったので聴いてみたところ現在は廃盤とのことで残念なことである。
 
 

シュナーベルのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番<皇帝>」(1947年録音)

2011-07-13 19:46:42 | 協奏曲

 アルトゥール・シュナーベル(Artur Schnabel/1882~1951)は「ベートーヴェン弾き」の権威として知られた偉大なピアニストの一人だが今の若い世代のクラシック・ファンにはバックハウスやケンプといったステレオ時代にまたがって活躍した名ピアニストたちの影に隠れた存在になってしまった。シュナーベルは世界初のベートーヴェン「ピアノ・ソナタ全集」並びに「ピアノ協奏曲全集」録音を1930年代に完成、しかも「ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ研究者」として彼が校訂した全集版は世界的に彼の偉業として知られている。
 今回紹介する彼の1947年5月録音、アルチェオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団による「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73<皇帝>」は「HMV」への1932年録音「サージェント/ロンドン・フィル」に次ぐ再録音で代表盤のひとつでもある。演奏スタイルはバックハウスやケンプとはまた一味違う彼独特のテンポの動きを持った個性的なもので興味深い。写真のLP盤は1983年に発売された国内盤EMIの「エンジェルGRシリーズ」の1枚である。(GR-70079/モノラル) 

ゲルバーのEMIデビュー盤、ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」

2011-07-09 22:06:40 | 協奏曲

 アルゼンチンの首都ブエノサイレス出身世界的ピアニスト、ブルーノ=レオナルド・ゲルバーの懐かしい「EMI」デビュー盤LP(写真/国内初出盤ー東芝音楽工業AA8175)ブラームス「ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15」に久しぶりに針をおろした。今聴いてもスケールが大きいブラームスである。この録音は確か1966年だったと思うが当時25歳の若きゲルバーの才能がフルに発揮されたダイナミックで洗練された演奏と言っていいだろう。バックのフランツ=パウル・デッカー指揮ミュンヘン・フィルとの息も見事の一言につきる。
 彼はこの録音の7年後(1973年)には「第2番」をルドルフ・ケンペ/ロイヤル・フィルと行っておりこちらも以前に紹介済みだが名盤に輝いている。しかし彼はその後現在に至るまでこれら二つの協奏曲の再録音はしていないのでいずれも唯一の録音ということになる。現在はこの「第1番」の国内盤は姿を消しているのがちょっと残念な気がする。近い将来の復活を望みたいところである。ところでゲルバーは現在も度々来日公演を行っている(今年も来日予定)がとりわけ筆者は1970年来日公演(東京文化会館)での「ベートーヴェン・プログラム」が一番印象に残っている。