goo blog サービス終了のお知らせ 

私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

クライバーンのマクダウェル「ピアノ協奏曲第2番」

2012-04-21 20:12:21 | 協奏曲

 今日紹介する写真のヴァン・クライバーンが弾くプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」・マクダウェル「ピアノ協奏曲第2番」を収めたLPも懐かしい1枚である。このレコードは筆者がまだ高校時代の1966年に発売された国内盤(日本ビクター/SRA-2118)である。当時クライバーンのプロコフィエフの協奏曲を聴きたく求めたLPだが今回はレコード第二面のマクダウェルにスポットを当ててみたい。

 エドワルド・マクダウェル(Edward MacDowell/1861~1908)はニューヨー出身の「知るひとぞ知る」作曲家だが「パリ音楽院」やフランクフルトの「ホーホ音楽院」で学び米国人作曲家として初めてヨーロッパで認められた人と云われている。彼はピアノ協奏曲を二曲書いているが作品の傾向はドイツ・ロマン派的情緒や特にこの1884年から86年にかけて作曲された「第2番」の協奏曲には北欧のグリーグの影響が随所に強く顕れている。ただ残念ながら彼の作品はほとんど現在はコンサート等で取りあげられる機会がないことやレコード録音も少ないのでこのクライバーンの録音は大変貴重なものと思われる。

 録音は彼が「チャイコフスキー・コンクール」に優勝した2年後の1960年に行われている。指揮はワルター・ヘンドル、管弦楽はシカゴ交響楽団である。


D.オイストラッフのブルッフ「スコットランド幻想曲」・ヒンデミット「ヴァイオリン協奏曲」

2012-04-18 21:23:57 | 協奏曲

 ダヴィッド・オイストラッフ(David Oistrakh/1908~1974)は戦前から活躍していたヴィルトゥオーソと云われるほどのヴァイオリニストだったが日本で名前が広まったのは戦後彼のレコードが紹介されはじめてからと思われる。筆者もステレオ時代に入った1960年代に彼のベートーヴェンやブラームスの協奏曲のLPを聴き骨太でスケール感のある演奏に惹きこまれてしまった。

 写真のLP(SXL6035)は彼が1962年「英デッカ」に録音したブルッフ「スコットランド幻想曲」・ヒンデミット「ヴァイオリン協奏曲」である。管弦楽は「ロンドン交響楽団」、指揮はヤッシャ・ホーレンシュタイン(ブルッフ)、後者は作曲者自身パウル・ヒンデミットによる貴重な録音でもある。また「スコットランド幻想曲」はこの録音がオイストラッフによる唯一のものである。

 現在までに国内盤としてもLP、CDと再リリースされてきた不滅の名盤だがその魅力は聴きこむほどに聴き手に伝わる。彼が66歳の若さで急死した時の衝撃を思い起こした。

 


アルゲリッチのショパン「ピアノ協奏曲第1番」

2012-04-16 17:27:35 | 協奏曲

 マルタ・アルゲリッチのライヴ録音も含め数種あるショパンの「ピアノ協奏曲第1番」であえて1枚を選ぶとなればやはり写真の「ドイツ・グラモフォン盤」(139 383 SLPM)であろう。このレコードは彼女がワルシャワの「国際ショパン・コンクール」(1965年)優勝後1968年にクラウディオ・アバド指揮によるロンドン交響楽団との演奏でリストの「第1番」とのカップリングである。

録音当時まだ20代の彼女の情熱的で個性あふれる演奏は今聴いても聴き手を圧倒する。若きアバドの指揮が絶妙にオーケストラをドライヴ、彼女のピアノの巧さをバランスよく聴かせているところも印象的だ。


グティエレスのグリーグ&シューマン「ピアノ協奏曲」

2012-04-13 10:04:40 | 協奏曲

 オラシオ・グティエレス(1948年生まれ)はキューバ出身の名ピアニストである。彼は1970年の「チャイコフスキー国際コンクール」で第2位に入賞後、世界をまたにかけて大活躍、数々の著名指揮者たちとの共演が思いだされる。彼のデビュー盤は確か1975年にアンドレ・プレヴィン&ロンドン交響楽団とレコーディングしたチャイコフスキーとリストの「第1番」(EMI)だったと思う。

 写真のLP(独EMI/Electrola)のグリーグ&シューマンのピアノ協奏曲はそれに次ぐ録音(1977年)で指揮はクラウス・テンシュテット、管弦楽は「ロンドン・フィル」によるものである。当時、テンシュテットが指揮するレコードは国内盤ではほとんど紹介されてなかったので珍しい1枚だった。またこの演奏は筆者個人的にも先のデビュー盤以上にグティエレスの個性がすこぶる発揮された懐かしい1枚である。

 


ポリーニ、ベーム&ウィーン・フィル 「モーツアルト/ピアノ協奏曲第19番・第23番」

2012-03-30 11:06:41 | 協奏曲

 先日、「1977年ザルツブルク音楽祭」におけるライヴ、ポリーニのベーム&ウィーン・フィルによるモーツアルト「ピアノ協奏曲第23番」(FMエア・チェック)を取り上げたが写真のLPはこのコンビのセッション録音である。(国内盤DG/MG-1038、1976年録音)「第23番」のほかに「第19番」も収録されている。因みにこの録音がポリーニ初のモーツアルトの「協奏曲」のレコードだった。

 レコードのポリーニもべームと息のあった颯爽としたモーツアルトを聴かせている。当然のことながらバックの「ウィーン・フィル」の優美なアンサンブルも素晴らしい。特に「第19番」は「第23番」に比べてコンサートで演奏される機会が少ないためレコード録音等で接する機会が多いがなかでもこの演奏はベームの風格とともにふたりの気品を感じとれる名演だと思う。

 ところで「第19番ヘ長調K.459」は1784年にモーツアルト自身のコンサートのために書いた作品だが後の1790年に神聖ローマ帝国皇帝「レオポルトⅡ世」のフランクフルト・アムマインにおける「戴冠式」で有名な「第26番ニ長調K.537」と共に演奏されている。


シフ、ヘルシャー、ツァハリアス - マズア&ゲヴァントハウスのベートーヴェン「トリプル・コンツェルト」

2012-03-19 19:12:06 | 協奏曲

 今日紹介したいLP、ベートーヴェンの「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重協奏曲」はクルト・マズアのライプツィヒ・ゲヴァントハウス時代の旧東独「エテルナ」レーベルの1枚である。(写真/ETERNA-729169)
 これはソリストにピアノ=クリスティアン・ツァハリアス、ヴァイオリン=ウルフ・ヘルシャー、チェロ=ハインリヒ・シフを迎え「ベルリンの壁崩壊前」1984年のデジタル録音であった。またLPも「ダイレクト・メタル・マスタリング」によるもので音質も大変良好である。ところでこの録音、当時日本ではそれほど話題にはならなかったと記憶しているがマズアの録音の中でもこの時代のものは特に良いのではないかと私自身は思っている。「ゲヴァントハウス」のオーケストラが結構しなやかな音で聴ける録音も珍しい。LP第二面にはヘルシャーによるベートーヴェンの二つの「ロマンス」-ト長調とヘ長調が収録されているがこちらも素晴らしい。
 尚、マズア&ゲヴァントハウスはその後東西ドイツ統一後の1992年にこの「トリプル・コンツェルト」を「ボザール・トリオ」と「フィリップス」に再録音している。
 

イヴァン・ドレニコフのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第4番」ほか

2012-03-18 12:37:03 | 協奏曲

 筆者は1980年頃一時ブルガリアの国営レーベル「バルカントン・レコード」に興味を持ち何枚か収集したことがあった。写真のイヴァン・ドレニコフのラフマニノフの「ピアノ協奏曲第4番ト短調作品40」ほか収録されたLPもその中の1枚である。当時、東欧の演奏家のほとんどはまだレコードを通じて知ることが多かった。今日紹介するブルガリアの名ピアニスト、イヴァン・ドレニコフ(Ivan Drenikov)もその一人である。
 このレコードに収録されたラフマニノフの「第4番」の協奏曲は有名な「第2番」、「第3番」に比べればコンサートで演奏される機会は少ないが聴き込めば聴き込むほどその魅力が伝わる作品だと思う。作品は彼が亡命する前にスケッチされていたが完成は亡命後の1926年だがその後も何度か改訂が重ねられその最終稿が出版されたのは1944年のことだった。このドレニコフの演奏もラフマニノフの技巧的で幻想的な旋律を実にうまくかもしだしている。指揮はフランスのジャン=ピエール・ヴァレーズ、管弦楽は「ブルガリア国立放送交響楽団」である。尚、レコード第2面には同じくラフマニノフの作品23の「10の前奏曲」から「第6番変ホ長調」、作品32の「13の前奏曲」から「第1番ハ長調」・第6番ヘ短調」・「第9番イ長調」・「第10番ロ短調」・「第12番嬰ト短調」の計6曲が収録されている。(写真/BALKANTON BCA11050/ステレオ)
 尚、現在ではこの「バルカントン」も民営化されている。

オーマンディ&フィラデルフィア管 「コロムビア・マスターワークスLP」からー(4)

2012-02-22 19:15:46 | 協奏曲

 オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団による「コロムビア・マスターワークスLP」から最後に協奏曲を1枚紹介したい。写真は1950年モノラル録音でフランス、マルセイユ出身の名ヴァイオリニストージノ・フランチェスカッティ(Zino Francescatti/1902~1991)とのベートヴェン「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61」である。(日本コロムビアーWL5082)
 フランチェスカッティは同曲を後にブルーノ・ワルターの指揮でコロムビア交響楽団と1961年にステレオで再録音(CBS)しているがオーマンディとしてはこのモノラル録音が唯一のもので貴重な1枚である。録音がステレオではないことを除けばフランチェスカッティの巧さとフィラデルフィア管の美しい響きが魅力的である。尚、カデンツァはフリッツ・クライスラーのものを用いている。

リヒテルのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」

2012-02-14 22:57:26 | 協奏曲

 今回も懐かしいLPから1枚、スヴィヤトスラフ・リヒテルが「ドイツ・グラモフォン」に1962年にレコーディングしたベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」(写真/国内盤SLGM1160)を取り上げてみたい。リヒテルのベートーヴェンのピアノ協奏曲の録音については以前にもふれたことがあるかと思うが彼はこの「第3番」のほかによく「第1番」もよく演奏しそれぞれライヴも含め何種類かの録音を遺している。中でもとりわけよく知られているのが「第1番」では1960年RCA録音のミュンシュ&ボストン響、「第3番」がこのクルト・ザンデルリンク&ウィーン響のものであろう。いずれもオリジナル・ステレオ録音で半世紀余りを経た現在も不滅の名盤として輝いている。
 リヒテル、筆者がまだ学生時代(1960年代)の頃はリフテルとも表記され日本ではまだ「幻のピアニスト」と云われており彼の演奏はレコードでしか聴くことができずその実像はベールに包まれていた。彼の初来日がようやく実現した年は日本で初の「国際博覧会ーEXPO’70」が開催された1970年だったことも懐かしい。このグラモフォン録音の国内盤が発売されたのが確か1963年のことでこの年の初めにはリヒテルがカラヤン&ウィーン響と録音した名盤チャイコフスキーの「第1番」がグラモフォンの輸入盤で発売されている。
 尚、この「第3番」のレコード第1面の頭にはベートーヴェンが協奏曲「第2番」の「第3楽章」に意図されたと云われる「ピアノと管弦楽のためのロンド」が収録されている。

アルベルト・リンダー、モーツアルト「ホルン協奏曲」全曲

2012-01-04 15:46:57 | 協奏曲

 今日紹介するLPレコードも懐かしい1枚である。写真はデンマークの首都コペンハーゲン出身(1937年生まれ)の名ホルン奏者アルベルト・リンダー(Albert Linder)のモーツアルト「ホルン協奏曲」(全4曲)を収めたものでハンス・スワロフスキー指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団との録音である。筆者が学生時代に求めた「米VANGURD-Everyman Classics」廉価盤シリーズの1枚で1960年代初頭のステレオ録音である。(米Venguard/SRV-173SD)
アルベルト・リンダーは1954年~57年にかけてザルツブルク・モーツアルテウム管弦楽団のホルン奏者を務めその後ヨーロッパの数々の著名オーケストラにソリストとしても客演、頭角を現し特にモーツアルトの演奏には定評がある。このレコードでも彼のしなやかホルンの響きにうっとりとさせられてしまう。ステレオ初期の名盤のひとつに数えられるだろう。