goo blog サービス終了のお知らせ 

私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

堀込ゆず子、「1980年エリーザベト王妃国際音楽コンクール」ライヴ盤

2012-10-17 21:02:18 | 協奏曲

 これもまた懐かしいLPである。 現在、ベルギー、ブリュッセルを拠点に国際的に活躍中の堀込ゆず子が1980年の「エリーザベト王妃国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で優勝を果たした時のライヴ盤で彼女のデビュー盤でもあった。(写真/DG国内盤、20MG0116/1981年リリース)

 シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47」と第2面の余白にはこの年のコンクール、新曲課題曲となったベルギーの作曲家フレデリック・ヴァン・ロッスムの「ヴァイオリン協奏曲」が収められている。いずれも1980年5月30日ブリュッセルの「パレ・デ・ボーザール」における本選の録音である。この演奏を聴くと彼女のテクニックもさることながらのびのびとした気分で作品に取り組んでいる様子が伝わってくる。管弦楽はベルギー国立管弦楽団、指揮はジョルジュ・オクトール。


アントルモン父子共演、「モーツアルト/ピアノ協奏曲第20番・第23番」

2012-10-16 14:26:48 | 協奏曲

 今日、紹介するLPはフィリップ・アントルモンが父ジャン・アントルモンの指揮で「コンサート・ホール」にレコーディングしたモーツアルトの「第20番ニ短調K.466」・「第23番イ長調K.488」である。(写真/SMS-2149/ステレオ) 

 管弦楽は「フランクフルト交響楽団」とクレジットされているがおそらく実体はヘッセン放送協会の「フランクフルト放送交響楽団」ではないか?? ジャケットには録音年月の記載はないが資料を調べた結果1950年代後期のものと推定されアントルモン20代前半の録音である。久しぶりに針をおろし改めて親子の息のあった格調高い演奏を再認識した。これまでにも「コンサート・ホール盤」を数多く紹介してきたと思うがまだまだ多くの隠れた名盤がこのレーベルにはありそうだ。

 アントルモンはこの録音で「第20番」のカデンツァを通常演奏されるベートーヴェンのものではなくカール・ライネッケによるものを弾いている。これも普段耳にすことがないのでなかなか興味深い。因みに「第23番」はモーツアルト作のカンデンツァによっている。ジャケット・デザインもオシャレで気に入っている。

 


グールド&バーンスタイン、NYPのブラームス「ピアノ協奏曲第1番」

2012-09-21 12:24:53 | 協奏曲

 グレン・グールドはブラームスのピアノ協奏曲をなぜかスタジオ録音しなかった。しかし幸いなことに2つの「第1番」のライヴ録音が遺されている。そのひとつが本日取り上げる1962年4月6日カーネギーホールにおけるレナード・バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックとのコンサート・ライヴである。写真のCDは「ソニー・クラシカル」からリリースされたいわゆる正規音源盤であるがだいぶ以前にLPで「米ワルター協会」からも発売されたことがある。記録によればこのコンサートは4月5日、6日、8日の3日間行われこのLPの記録は8日の演奏となっていた。

 演奏はいかにもグールドらしい個性的なもので極端に遅いテンポをとっている。これについてはバーンスタンとの意見の相違があったようである。CDに収録された演奏前の舞台でのバースタイン自身のスピーチも興味深い。演奏が終わらないうちに沸き起こる聴衆の興奮した拍手も当日の会場の雰囲気が伝わってくる。CDの余白には1963年2月にラジオ収録されたジャエームズ・ファセットによるグールドへのインタビューも収録されている。

 余談ながらもうひとつのライヴ音源はこのコンサートの約半年後(1962年10月)に収録された放送ライヴでピーター・アドラー指揮ボルティモア交響楽団による演奏でこちらも以前に「米M&A」からCD化されたことがある。

 

 


D.オイストラッフ、ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」

2012-08-29 01:33:14 | 協奏曲

 筆者が学生時代に先ずステレオ・レコードでよく耳にしたヴァイオリニストはダヴィッド・オイストラッフやヤッシャ・ハイフェッツのベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」だった。この二人の演奏スタイルは全く対照的で興味深かったがベートーヴェンでは前者のオイストラッフの演奏に惹かれていった。 写真のLPはオイストラッフがステレオ初期(1958年)にアンドレ・クリュイタンス指揮フランス国立放送局管弦楽団と録音したベートーヴェンで現在も不滅の名盤の1枚に数えられている。(国内盤/東芝AA8030/1967年発売)

 ちょうどこのLPが発売された1967年春、オイストラッフは「キリル・コンドラシン&モスクワ・フィル」の初来日公演に同行、ショスターコヴィチ、チャイコフスキー、ブラームスなどの協奏曲を演奏、また東京公演では自らの指揮も披露した。当時の公演の一部も以前に「NHK放送音源」からCD化された。(Altus)これらの演奏からも彼の超ヴィルトゥオーソ性がよくうかがえる。


タマーシュ・ヴァーシャリのショパン「ピアノ協奏曲第2番」

2012-08-24 16:34:14 | 協奏曲

 現在は指揮者としても活躍中のハンガリー出身のタマーシュ・ヴァーシャリも今年79歳。写真のLPは若きヴァーシャリが弾くショパンの「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」ほかを収録した懐かしい1枚である。 指揮はヤーノシュ・クルカ、管弦楽はベルリン・フィルで1963年の録音である。このレコードの第二面の余白には同時に録音したショパンの「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調」と「夜想曲嬰ハ短調(遺作)」も収められている。(ドイツ・グラモフォン国内盤、SLGM1231/1964年初出)

 ヴァーシャリはショパンを大変得意としておりショパンのピアノ作品の大半を「ドイツ・グラモフォン」に録音、「第1番ホ短調」も1965年にベルリン・フィルとセムコフの指揮で録音している。これらのレコードは若きヴァーシャリの代表盤で先ごろ国内盤では「第1番」・「第2番」のカップリングでCD化された。(ユニバーサル・クラシック)


若きアントルモン、オーマンディ&フィラデルフィアとのサン=サーンス

2012-08-03 22:58:23 | 協奏曲

 フランスを代表する名ピアニスト・指揮者、フィリップ・アントルモンも今年78歳を迎えた。 彼は1950年代にアメリカ・デビュー、以後フィラデルフィア管弦楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック等々の常連として活躍、「米CBSレーベル」に数多くの名録音がある。今回紹介するユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団とのサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番ト短調作品22・第4番ハ短調作品44は当時の名盤の一つである。 (写真/1960年代前期録音)

 写真のLPレコードは「日本コロムビア」から発売された国内初出盤(OS-592-C)で当時「米CBSコロムビア」が開発した新録音方式「ステレオ360サウンド」によるものだった。演奏も当時まだ新進ピアニストだったアントルモンの溌剌としたピアノ・テクニックが冴え渡った印象的な1枚だった。 サン=サンースを得意としていた彼はその後1977年には 同CBSにミシェル・プラッソン&トゥールーズ・キャピトール管弦楽団とも再録音しており同時にこのコンビによる全集録音を完成している。

 


懐かしい「10インチLP」からーフィルクスニーのベートーヴェン「皇帝」

2012-07-31 21:57:51 | 協奏曲

 今日は久しぶりに懐かしい10インチLP盤(25cmLP)からスロヴァキア出身の名ピアニスト、ルドルフ・フィルクスニー(Rudolf Firkusny/1912~1994)のベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調<皇帝>」を取り上げてみたい。

  写真はフィルクスニーがウィリアム・スタインバーグ&ピッツバーグ交響楽団と1957年10月、「米キャピトル」にステレオでレコーディングしたその国内盤10インチ・ステレオ盤(東芝/5SC5010)である。 筆者の記憶では1965,6年の発売だったと思う。因みに当時の25cm盤価格はモノラル盤が1,000円、ステレオ盤が1,300円だった。名匠アルトゥール・シュナベールに師事したフィルクスニーはヨーロッパで演奏活動後をアメリカに渡りアメリカ主要オーケストラと共演、人気を博した。 スタインバーグとピッツバーグ響とは当時このほかブラームス「ピアノ協奏曲第1番」などの録音を遺している。このベートーヴェンの演奏も決して派手さはないが自然体の中にも重厚でスケール感ある演奏が魅力的だった。

 彼はその後、同曲を「コンサート・ホール」にルドルフ・ケンペ&ベルリン・フィルと再録音(1964年)、さらに「英デッカ」にもユリ・シーガル&ニュー・フィルハーモニア管弦楽団と1973年に3回目の録音を行っている。 これらの録音歴からも彼はこの作品を得意としていたことが頷ける。

 

 

 

  

  

  

 

 


カミラ・ウィックス ー 伝説の名盤復活!

2012-06-27 19:46:42 | 協奏曲

  鶴首して待ったカミラ・ウィックス、伝説の名盤シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」が本日復活した。 しかも有り難いことに国内盤「EMI Classics」の廉価盤999円シリーズである。(写真/TOCE-16050) ウィックスはシベリウスに絶賛された米国(カリフォルニア、ロング・ビーチ出身)の女流ヴァイオリニストである。 指揮はスウェーデンの名匠シクステン・エールリンク、管弦楽は「ストックホルム放送交響楽団」による1952年のモノラル録音である今回は最新リマスター音源からのCD化でみずみずしい音質も魅力的である。

  何年か前に状態の良いスウェーデン盤LPからの復刻CDもリリースされたことがあったがその音質は比較にならない。また国内盤LPとしてはかつて「GR盤」(東芝EMI)から出ていたものでシベリウスの名手ウィックスのきりりとした芸風が聴き手に伝わる名演である。 併せて収録されたエールリンク指揮による「トゥオネラの白鳥」・「レンミンカイネンの帰郷」(「4つの伝説曲」から)も同時期の録音である。

 


アルゲリッチ&アバド、ベルリン・フィル - 「プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第3番」

2012-06-10 23:27:19 | 協奏曲

 アルゲリッチはプロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」を得意のレパートリーの一つとして現在もよくコンサートで演奏し聴衆を魅了させている。写真のLPは彼女が1965年、ワルシャワにおける「ショパン・コンクール」に優勝し2年後の1967年に当時新進の指揮者として注目されはじめたクラウディオ・アバドと共にベルリン・フィルをバックにレコーディングした1枚である。(DG国内盤初出ーSLGM1438/1968年発売)

 若きアルゲリッチの鋭いピアノ技巧をアバド&ベルリン・フィルのアンサンブルが見事にきわだたせている。ジャケットの「GRAND PRIX DU DISQUE」のシールの通りこのレコードは「1968年度フランスACCディスク大賞」にも輝いている。カップリングされたラヴェルの「ピアノ協奏曲長調」も彼女の十八番で鋭敏で豊かな感性が感じ取れる名演である。また彼女は同曲をアバドと1984年にデジタル録音でロンドン響と再録音(DG)している。

 

 

 


「ザルツブルク音楽祭ー1950」~フルトヴェングラーのJ.S.バッハ

2012-05-17 17:19:58 | 協奏曲

 フルトヴェングラーが遺したJ.S.バッハの録音は「管弦楽組曲第3番」、「マタイ受難曲」、それに今回取り上げる「ブランデンブルク協奏第3番・第5番」ぐらいしかなくいずれもライヴ録音が中心である。写真は2000年に「EMI」から初CD化された1950年の「ザルツブク音楽祭」におけるウィーン・フィルとのライヴ録音である。(2CD)

 1950年はバッハ没後200年記念の「BACH YEAR」にあたり「オーケストラ・コンサート」最終日の8月31日、フルトヴェングラーは「ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調BWV.1048」と「第5番ニ長調BWV.1050」をプログラムの前半に取り上げている。さらに「第5番」の演奏ではフルトヴェングラー自身がチェンバロではなくピアノを弾いているところも興味深くちょっと違和感も感じるが貴重な録音と云えるだろう。録音はモノラルだが音質はまずまずである。またディスクの2枚目にはプログラムの後半に演奏されたベートーヴェンの「エロイカ」が収められている。彼の「エロイカ」の録音はスタジオ、ライヴ録音を合わせるとかなりの数にのぼると思うがこの「ザルツブルク音楽祭」の録音はこのCDがリリースされるまで一度も公式にレコード化されなかったものである。オリジナル・テープに起因するものと思われる音の不具合が若干あるのが気になるが演奏は素晴らしい。