教育のヒント by 本間勇人

身近な葛藤から世界の紛争まで、問題解決する創造的才能者が生まれる学びを探して

小学校から大学教育、国家の人材教育まで世界標準化

2007-10-10 12:23:45 | 文化・芸術
2007年10月09日08時19分発信の朝日新聞によると、いよいよ大学版PISAの開発が行われそうだという。

<経済協力開発機構(OECD)が大学での学習成果を評価するための国際的な調査の検討に入った。順調に準備が進めば2011年から実施されるという。OECDが15歳を対象に00年に始めた国際学習到達度調査(PISA)は既に国際的な学力の指針となっており、「高等教育版PISA」は大学を評価する新基準になる可能性が高い。>

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★この大学版PISAによる学力の調査項目は、

(1)分析的推論力や批判的思考力など、専攻を問わず必要な能力
(2)専門分野に特定される能力
(3)責任感やリーダーシップなどの「対人能力」

★だという。これは2002年に翻訳された「理工系学生のためのキャリアガイド~職業選びに失敗しないために」(化学同人)という本で書かれているアメリカの理工系のポスドクに必要なサバイバルスキルとしての能力と重なる。

①コミュニケーションスキル
②教えるスキル
③助言指導スキル
④チームスキル
⑤リーダーシップスキル

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★IMD(International Institute for Management Development:国際経営開発研究所)は、毎年国際競争力ランキングを発表している。このランキングを作成する項目には「教育」ももちろん入っているが、その指標にOECD/PISAの結果が反映している。ちなみに今年発表されたランキングでは、日本は24位(昨年は16位)で、ついに中国(今年は15位、昨年は18位)に逆転された。

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★そして小学校・中学校・高校レベルではPISA型テストの導入というのが今最高の話題になっている。こうして見てみると、小学校から大学・国まで教育の世界標準化がパーフェクトに貫徹している。ドメスティックの利害関係ばかり考慮している日本の教育改革は、ここを見据えなければ一歩も進まないだろう。

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