クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その49 ベートーヴェン 序曲集

2006年10月20日 | とっておきの名盤「管弦楽曲」
ベートヴェンが作曲した序曲を、クレンペラーが熱を込めて演奏した一枚。
この盤には、歌劇「フィデリオ」の上演の為に作曲された序曲4曲が作曲順に並べられている。
聴き通すうちに、作曲を繰り返したベートヴェンの苦労、努力が聴き手に伝わり、共鳴を覚えると共に、その執念に頭を垂れざるを得ない。
中でも私の愛聴曲でもある、古今の名序曲とされる「レオノーレ序曲第3番」の充実した内容は特別のものだ。
高校3年の頃、バーンステイン指揮のEP盤を、何度も何度も聴いた思い出がある。
その若々しい颯爽とした演奏、中でも大臣の到着を告げるトランペットのファンファーレ、そして有名なフルートの奏でる青春の息吹を伝える第一主題の感動的な調べに、何度も泣かされた思い出は忘れられない。
クレンペラー盤には若者の颯爽さは無い、しかしその独特の深みと個性ある演奏は、若さの欠如を補って余りある。
この盤にはストーリー性があり、聴く者に何かしらの関心を惹かす一枚といえる。
お勧めの盤は、
・オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団 <EMI>
・レナード・バーンステイン指揮、ニューヨークフィルハーモニック <CBS>