クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その97 ブルックナー 交響曲第8番ハ短調

2007年08月13日 | とっておきの名盤「交響曲」
ホーレンシュタインについては、前にこのブログで掲載した文章を再度使用させていただく。
ホーレンシュタインは私の敬愛する指揮者の一人で、マーラー、ブルックナー等の作品で中身の濃い立派な演奏を繰り広げてくれた。
1899年ウクライナのキエフに生まれたが、母親はオーストリア人。
六歳の時にはロシアを去り、マーラーの影響がまだ残っていたウィーンで音楽を学び、その後ベルリンでフルトヴェングラーの助手を努めている。
ナチスの迫害を逃れドイツを離れたこともあり、彼ほど世界各地を転々と回り、1973年に亡くなるまで多彩な演奏活動をした指揮者も珍しい。
この盤は1950年代のモノラル録音だが、ブルックナーの交響曲を聴くには音も充分立派だし、何よりもその何度聴いても飽きが来ない演奏が一番の魅力。
第3楽章の後半など、静謐な音の流れの中に浮かぶブルックナーの自然に対する感謝とも思える敬虔な旋律、それを何と感動的に歌っていることか。
第4楽章で見せる渾身のフィナーレの高まりは、めったに耳にすることの出来ない見事な音の響きだ。
一時その素晴らしい演奏に感激して集中的に聴いた、ホーレンシュタイン指揮・ウイーン・プロムジカ管弦楽団のCD<VOX>、この曲の知られざる名盤として挙げないわけにいかない。
輸入盤などたくさん扱っている店なら、きっと手に入ると思うにので、何とか入手して、是非じっくりと聴いて欲しい。
第8番は特別に好きな曲だけに、他の盤として以下にあげる演奏は、どれもとっておきの名盤として順次このブログで取り上げる予定でいる(ケンペ盤はブログ済)。
どれも順位が付けがたい素晴らしい演奏で、ブルックナー・ファンなら全て持っていて、都度耳にして欲しい。
.ルドルフ・ケンペ指揮、チューリッヒ・トーンハーレ管弦楽団 <SOMM>
.オトマール・スウィトナー指揮、シュターツカペレ・ベルリン <Berlin Classics>
.ハンス・クナッパーツブッシュ指揮、ミュンヘン・フイルハーモニー管弦楽団 <Westminster>
.カール・シューリヒト指揮、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団 <EMI>
.カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、ウイーン・フィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>