クラシック 名盤探訪

クラシックの名盤紹介・おすすめ散策コース等、趣味の発信の場です。

とっておきの名盤 その96 モーツアルト 歌劇「魔笛」K620

2007年08月04日 | とっておきの名盤「オペラ」
ベームが最も得意とする作曲家は、モーツアルトとR.シュトラウスの二人。
特にモーツアルトに対する敬愛の念は、人一倍のものがある。
モーツアルトの交響曲全集や管楽器の為の協奏曲全集、そして名の知られたオペラの全てなど多くの録音を残している。
この「魔笛」の演奏も立派の一言につきるが、まずは男性陣の充実した歌の素晴らしさに特に惹かれる。
不世出の名テノールといわれるヴンダーリッヒの歌声が何とも魅力的だし、パパゲーノの軽妙な役回りを見事に歌いきるF.ディースカウや、弁者の語りを深みのある声で表現するH.ホッターの歌も素晴らしい。
ベームがこの曲のメルヘン的な一面だけではなく、晩年のモーツアルトの哲学的な思想までを見事に具現した演奏として、是非耳にすべきとっておきの名盤と言える。
この曲のベスト・スリーをあげておくと、
・カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、フリッツ・ヴンダーリッヒ<T>、イヴリン・リアー<S>、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ<Br>、リザ・オットー<S> <Grammophon>
・オトマール・スウィトナー指揮、ドレスデン・シュターツカペレ、ペーター・シュライヤー<T>、ヘレン・ドナート<S>、ギュンター・ライプ<Br>、レナーテ・ホフ<S> <DENON>
・ジョージ・セル指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、レオポルド・シモノー<T>、リザ・デラ・カーザ<S>、ワルター・ベリー<Br>、グラツィエラ・シュッティ<S> <Gala>